過去篇
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最近は良い事ばかりで、きっと罰が当たったんだと思う。
さて、他隊に書類も回し終わったし、今日はいつもより書類少ないし。かなり勇気が要るけど、平子隊長を御昼御飯に誘ってみようか。
何が勇気が要るって、私はこれまで一度も平子隊長と御昼御飯なぞ御一緒したことがないのである。
そんな事を考えながら隊舎の廊下を歩いていると藍染に出くわした。
「御疲れ様です、藍染副隊長」
「御疲れ様、犀峰さん。平子隊長なら執務室にいらっしゃるよ」
エスパーか此奴は。
気味の悪さを感じながらも笑顔で、曖昧に返事をして執務室へと向かう。
中から話し声……?
扉越しでは何を言っているか分からないが確かに誰かと誰かが会話をしているように思う。
何だろう、と不思議に思いながらも扉を開けた。
「只今帰りました。平子隊、ちょ……」
目に飛び込んできた光景に唯々
映像としては分かっているのに、情報が整理出来ない。
「え、っと、失礼、しました」
執務室の扉を静かに閉めて、反射的に走り出す。
「ちょ……! 待て!!」
何か叫ばれた気がしたがもう戻りたくない。
廊下は走ってはいけないんだっけ、でも脚が言う事を聞かない。
逃げたいのだ私は。
でも、何処へ……?
分からないけど、何処でも良い、遠くへ。
隊首室で私が見てしまったのは、君坂さんを壁際に押さえつける平子隊長。
私のいた世界で言う、壁ドンだ。
「少しは、モブじゃないかも。なんて思ったのが、駄目だったのかなぁ……」
あんな未来を知っているなら開けなかっただろうに。
泣きたいのに、涙も出ない。
唯々、渇いた笑いが溢れるのみ。