過去篇
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ピアス
退院してから隊首室で缶詰になり、書類処理を熟し続け、やっと一週間。
「ひよ里さんひよ里さんひよ里さんんんんんんん」
私は再び十二番隊に来ている。
「うっさいねんんんん!! 少しは黙っとれんのか!!」
椅子に腰掛けたまま叫び続ける私に、ひよ里さんの拳骨が降り注ぐ。
「だって何だかんだ、長いことひよ里さんに会いに来れませんでしたしぃ」
必然的にひよ里さんの癒しが足りないのである。
「もーちょいで休憩やから大人しゅう待っとれ!」
「はい……」
御土産の大福が温まってしまうー。
しかし、仕事を邪魔する訳にもいかず、ボーっとして時間を潰す。
「あれ? 紫游サンじゃないッスか」
遠くを眺めていた私の眼前に、急に浦原隊長の顔。
「ち、近いし、心臓に悪いのでいきなり視界に入らないで下さい……」
にゅって出た、にゅって……。
「あはは、ひよ里サン待ってるんならちょっと来てもらえます?」
「良いですけど、どうしたんです?」
「まぁまぁ、良いから良いから〜」
浦原隊長に背中をぐいぐい押されながら隊首室へ連行される。
「はい、これ! 作ってみたんスけど!」
隊首室の扉を閉めるなり差し出されたのは、小さな耳飾りだ。
ピアス、かな?
「紫游サン、霊圧のことを内緒にしたいんスよね? だから作ってみました」
「ああ! 霊圧制御装置的な!」
「そッス! 何処らへんに着けます? 御自分でやって傷とか化膿したらアレなんで、ボクが着けますから」
ん〜、なら見え辛いとこの方が……?
「この、耳の上の見え辛いとこに御願い出来ますか?」
「御安い御用ッスよん」
テッテレー、紫游は霊圧を抑えるものを手に入れた!
「これで席官でも問題ない位には抑えられると思いますよ」
「有難う御座います! ……でも、耳を撫で続けるのは止めて下さい」
流石浦原喜助、油断ならない。