過去篇
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見舞い
「始解も似たようなものだ。私の始解は妙に斬れ味が良くなるだろう」
「うん、生クリーム斬ってるみたいだね」
「なまくりーむ?? ……あれは
「あー、成る程! だからあんなに柔らか
「いだっ」
もう何度目か分からない御馴染みの手刀の衝撃で目が覚めた。
どうやら彼岸花と話した時の夢を見ていたらしい。
「人が見舞いに来たったちゅうのに、呑気に寝てんちゃうぞ」
目だけ動かして寝台の傍を見れば、呆れ顔の平子隊長。
懐かしい情景だ。
来たばかりの頃もこんな風に手刀を食らったっけ。
「隊長自ら来て下さるとは。でも、隊長があんまり綺麗に折ったものだから骨はすぐに引っ付きましたよ」
平子隊長は相当に負荷の掛け方が上手い、と卯ノ花隊長が驚いていた。
「そんなん知ってるわ。ほんで、それとは別に疲労で休養言い付けられてんねやろ?」
「あれ? そんなことまで御存知で」
「御存知も何もや、誰かさんが四番隊行きたがらへんから、態々四番隊送りにしたったんや」
それはドヤ顔で言うことではありません、隊長。
そんな、不良の「病院送りにしたったわ」みたいな。
「ま、元気そうでホッとしたわ。
用が済んだらしい平子隊長は、ニッと笑って立ち上がる。
「あ、蕎麦饅頭。買うて来たから食べや」
「え、あ、有難う御座います」
去り際、机に置いていたらしい蕎麦饅頭の包みを私の膝に乗せて行く。
「ほなな」
平子隊長は後ろ手に手を振って病室を出て行った。
んー。
助けに来てくれた時は饅頭見て思い出した〜とか、おやつは酒饅頭とか、見舞いが蕎麦饅頭とか……。
「なんか平子隊長って私に饅頭饅頭言い過ぎでは……?」
誰も居なくなった病室で紫游は小さく呟いた。