過去篇
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不安で穏やかな日
あれから彼岸花は私が会いに行く事すら拒否し続けている。
「ひよ里さんに会いに行こ……」
思い立って十二番隊への道を歩く。
今日が非番で良かった。とても働く気分ではない。
「紫游ちゃん、何処行くん?」
呼びかけられて顔を上げると、塀の上からギンちゃんが手を振っている。
「ん〜、十二番隊に遊びに行こうかなって」
「それやったらボクと甘い物食べに行かへん?」
それも良いかもしれない。
急に思い立ったからひよ里さんとは約束もしていないし。
「うん、じゃあ甘味処行こうか」
私が了承すると、ギンちゃんは塀から下りてニコリと笑った。
「ボク、まだお店とかよう知らんし紫游ちゃん案内してな」
「ここが髪結であっちが呉服屋、それからそこの角を曲がると食事処や居酒屋があるよ」
指を指して説明するとギンちゃんは物珍しげに私の示した方を見ている。
やっぱり子どもらしいところもあるんだなぁ。
「あ、ほらここ。よく来る甘味処なの」
そうこうしているうちに、ひよ里さんとも何度も来た甘味処に着いた。
通常は勤務中の時間だけあって普段来る時よりかなり空いている。
「あれ? そういえばギンちゃんお仕事は?」
「今まで気ィ付かんかったん? 勿論オサボリさんや」
サボりの片棒を担いでしまった……!
「ま、しょうがない。今日は私、非番だし、見なかったことにするよ」
うん、ごめんね。五番隊のみんな。
心の中で謝罪しながらメニューを捲る。
「流石、紫游ちゃんや。それで、オススメとかある?」
「んー、私は大福が好きかな。苺大福が一番有名だと思うよ」
「そしたらボクもそれ」
一つ頷いて店員さんに注文を伝えた。
空いているだけあって待つ事なく、すぐに私達の目の前には二つずつの苺大福。
「それで、隊長さんとはどないやの?」
大福が喉に詰まった。
とんでもないデジャヴが私を襲う。
「何にもない!!」
誰だ、