過去篇
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面倒な斬魄刀
私は斬魄刀を二振所持している。
これは二刀一対などという稀なものではなく。只、所持している、というだけである。
一振は勿論、浅打から寝食を共にして来た自らの斬魄刀。
もう一振は、こちらに来た時に拾った脇差。
この脇差は元は五番隊十席であった石倉さんという方のものだそうで。
しかし、石倉さん亡き後も、私が霊術院を卒業してすら消えることはなく。
それにより、石倉さんの死後に使用した私を
「
石倉さんの斬魄刀、天竺葵は上段の構えで名を呼ばれることを好む。この構えは
私が普段帯刀しているのはこの天竺葵だ。
何故かと言うと、私の斬魄刀は常に不機嫌だからである。
機嫌の悪い斬魄刀に付き合うより、天竺葵を連れ歩く方が余程楽なのだ。
「最近、虚が多いな……」
自らの周囲の虚を一掃して溜息を溢す。
藍染の動きが本格化して来たのか。
そろそろ様子のおかしい虚も出てくるかもしれない。
鍛錬、増やすか……。
周囲の霊圧を探ってから、同行した隊士の無事を確認する。
うん、他に虚は居ないし隊士は無事。
「皆さん、御苦労様です。念の為、周囲を見廻って帰還致しましょう」
帰還すればまた書類が待っていると思うと若干気が重いが、
それに、あの不機嫌な斬魄刀ともたまには対話くらいせねばなるまい。
「奴と話すと、なんだかやたらと疲れるんだよなぁ……」
自らの斬魄刀の苛々した様子を思い出して、また一つ溜息を吐いた。