千年血戦篇
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所詮、
かつてのように、縁側の角の廊下から平子隊長の霊圧がやってくる。
足音も立てず、この人は猫なのだろうか。
「平子隊長、足音くらい立てて下さい」
「阿呆! 普通に歩いとるだけや!」
口はこれ程に五月蝿いのに。
何の確認もなく、隣に平子隊長が腰を下ろす。
「座布団は要りますか?」
「いや、ええわ」
ただそれだけ。
それだけ言って、もう言葉の無い、この空気が私は好きだ。
掌一つ分、手を伸ばせば届く位置の、この距離が私は好きだ。
「平子隊長、好きです」
「知っとる」
何の動揺もなく、言葉がするりと出た。
「俺も好きや」
「……知ってます」
多分、私達はこの位の言葉と、この位の距離感が、丁度良い。
「……せっかくの陽気やし昼寝でもするか」
「そうですね、たまには」
仕事も今日は多分心配ない。
そう考えながら縁側に平子隊長と並んで横になって、目を閉じた。
桃ちゃんと雀ちゃんが見つけてしまうまでの短い間、
暖かい春の日、馬酔木の下で
貴方と二人、旅をしましょう。