過去篇
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天才少年
余計な悩みを切り捨てて数日。
噂の天才少年、市丸ギンが五番隊へ入隊した。
「市丸ギンです。皆さんどうぞよろしゅうお願いします〜」
可愛い。
昨日かそこらに三席を斬り捨てたとは全く思えない程に、可愛い。
この小さい子が……180超えの大男になるのか……。
「……あの、すんませんけど……頭撫でるん、ちょっとやめてもろても構いませんやろか……」
気付くと私は無意識に彼の頭を撫で回していた。
くそぅ、なんて罪深い右手! 私の意思なくセクハラをするなんて……!
「す、すみません市丸三席……つい」
「初日からすまんなァ市丸。……紫游、正座」
わん……。
こんな時だけ名前呼ばないで下さい隊長……。
「なんや、よう躾のなってるわんちゃんですね」
うん、なんか順応早過ぎるね市丸三席。
「紫游ちゃん、やっけ? ボクのこともギンでええよ」
市丸三席、
あうち、殺人
いや、冗談抜きでそうなんだけども。
「よろしくね、ギンちゃん」
大人しく正座したまま、今度はセクハラではなくちゃんと握手をした。
「オマエ、子ども好きやったんか」
「今それを言うと有らぬ誤解しか生まないのでやめて頂けますか隊長……」
隊舎に五番隊隊士達の笑い声が響く。
先日の宴会といい今といい、最近ネタに事欠かない存在になってしまっている。
おかしいな〜、暫く前までは真面目で努力家って噂ばかりだったのに〜。
なんだか居た堪れない気持ちで首元を摩る。
「犀峰四席は優しいから分からないことがあれば何でも聞くと良いよ、市丸君」
その言葉にチラリと目線を上げると、"完璧な副隊長"の顔で微笑む藍染惣右介がこちらを見ていた。