死神代行消失篇
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御洒落は我慢
一年前に約束していた宴会を開いた翌日、雀ちゃんの部屋で目覚めた私の眼前には六本の足。
「……何で雀ちゃんの部屋に、乱ちゃんと桃ちゃんが居るの……?」
足の持ち主は左から、雀ちゃん、乱ちゃん、桃ちゃん。
「紫游さん! 今日は平子隊長とデートですよね?」
「乱ちゃん、御早う……。でぇと?」
私の返事に、三人共腕組みをしたまま溜息を吐き、今度は桃ちゃんが口を開く。
「現世で待ち合わせ、なんですよね?」
「そうだね、現地集合だね」
現世に行く約束はしたが、デートの約束をした覚えは無い。
何のことやらサッパリだ。
そんなことより、寒いからギリギリまで布団から出たくない。
「隊長……義骸は御使いに?」
少し不安気に問う雀ちゃん。
雀ちゃんは未だに私を"隊長"と呼んでいる。
直してほしいと言ってもこれだけは譲らなかった。
些かややこしいと思う。
「いや、浦原さん達に会いに行くだけだしそのまま……」
けろっと言いかけた私の頭に、三人娘の手刀が綺麗に決まる。
みんな手刀をしたくなる頭なのか、私は。
「雀ちゃん! 義骸を手配!」
「はい!」
「桃は化粧品と服!」
「はい!」
見事な連携だ、と讃えたくなる程にスムーズな指揮系統である。
流石、乱ちゃん。
伊達に長いこと副隊長に就いているわけではない。
というか、そうじゃない。
何でみんな私が平子隊長を好きなことを知ってるのさ。
「紫游さん! 平子隊長も絶対御洒落して来ますから! 御洒落しましょう!」
勢いよくしゃがんだ乱ちゃんが、布団から亀よろしく顔を出した私に語気強目でそう言って、温かく私を包み込む厚手の布団を、一息に剥いだ。
「さむっ」
この冷気は無慈悲。