過去篇
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酒宴
「いやぁ、どーもッス」
目の前には平子隊長に酒を注がれる浦原喜助。
ええ、この人のことはすっかりぽっかり忘れていましたとも。
今日は浦原喜助の十二番隊隊長就任祝いの酒宴だ。
私はあまり呑みに出る質ではないのでよく知らないが、何やら有名な料亭を貸し切っての宴会だそうで。目の前には明らかに私の御給料では手が出ないお酒とお料理。
稼いでいる人はやることが派手だ……。
「えっと……犀峰紫游サン、ッスよね?」
ちびちびと手酌で呑んでいたら突然の三◯眞◯郎ボイス。
思わず叫んでひっくり返りそうな自分を抑えて、人当たりの良さ気な笑顔を作る。
「浦原隊長、十二番隊隊長就任御目出度う御座います。私なぞのことを御存知とは思いもよりませんでしたが、至極光栄です」
「アハハ……そんな畏まらなくていいッスよ。折角のお酒の席だ、気楽にいきましょ」
気楽に、か。
この後のことを思うと非常に気が重いが、今日くらいは忘れても良いだろうか。
しれっと隣に座った浦原隊長と他愛のない会話をしつつ、御酌をする。
現物も顔が良……うん、駄目だ、気を抜くとつい観察してしまう。
それにしても本当に緩い霊圧だな。
平子隊長と何となく似てるというのも分かる気がする。眠くなってしまいそうだ。
「紫游サンは、平子サンと仲が良いんスか?」
……ん?
思わず眉間に皺が寄る。
「いえ、特には」
「へぇ〜、そうッスか」
浦原隊長はその一瞬で"何かある"と勘付いたのか、未来の駄菓子屋店長を想起させるニンマリ顔を向けてきた。
そのまま覗き込む様にして半ば無理矢理私と目線を合わせる。
「それなら、ボクにも可能性はあるってことッスね」
周囲の机や徳利やら死神やらが、ドタドタガチャガチャと倒れる音がした。
……は?
この、"ちょっと影のあるハンサムエロ店主"の原型め……、
なんてでっかい爆弾を……!!
「喜助コラァアア!! 俺の隊の
夜一さんの豪快な笑い声を背景に、平子隊長の怒声が響き渡った。