平子真子短篇
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
三十秒限りの本音
三月三十一日の二十三時五十九分三十秒。
目の前には、雑誌を読む平子隊長の背中。
少し息を吸って口を開く。
「平子隊長、大好きです」
私がそう言えば、平子隊長は雑誌を膝に落として固まった。
「は……?」
振り返ってもただ笑う私に、貴方は余計に目を白黒させて。
でも、ふと思い出した様な顔をして時計を確認する。
「いや、四月一日て。エイプリルフールやんけ!」
「ええ、嘘で御座います〜。驚きました?」
引っかかったのが可笑しくて堪らない、とでも言いたげに見える様に、私が口元を押さえて見せれば、すぐに脳天を襲う雑誌の衝撃。
「しょーもない嘘吐くな、ボケ」
そうして平子隊長はいつもの呆れ顔で、再び雑誌に目を落とした。
それを見て、私は微かに安堵するのだ。
本当は"嘘"が嘘だとは、きっと貴方は一生気付かない。
だから、願わくばこれからも変わらず傍に居られますようにと。
根が嘘吐きな貴方に"嘘"を吐く。
1/1ページ