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「そ、それなら、私がプレゼントっていうのはどうでしょう!?」
「……なんだと?」
教授が驚いて目を見開いている。
唐突に発言してしまったせいで語弊があったことを、私は慌てながら手を振って否定した。
「えっと、違うんです! 変な意味ではなくて、教授の言うことはなんでも聞くっていう意味で……って、これ
もおかしいな……」
「なんでも、か」
「は、はい。なんでも!」
こんなとき、甘い展開にならないのがスネイプ教授だ。
いつものようにあざ笑うような表情で、「では次の課題を倍こなしてもらおう」とか辛辣な言葉をくれるに違いない。
思い返せば、教授に恋をして数年。
そこから数ヶ月をかけて、自室でお茶を許してくれる仲まで上りつめた。
教授のためなら、寝る間も惜しまず徹夜できる。
なんでもできる、教授のためなら!
「では、私の課題をこなしてもらおう」
ほらきた!!
「ここに座りたまえ」
「……へ?」
教授の手が、下の方を指差している。
厳密に言えば、教授の足辺り。
ニヤリと浮かべられる笑みが色っぽく見えるのは、私がそういうことを想像しているせいか。
いや、ここで期待を裏切るのが教授だ。
教授の足に座り、その近距離で説教が始まるのかもしれない。
「失礼します……」
「どっちを向いている、こっちだ。あと、カップは机に置くんだ」
「は、はい……」
言われた通りカップを置いて、教授と向き合う形でゆっくりと座る。
重くないだろうかと気になって、落ち着かない。
けれど、教授は涼しい顔で私を見ていた。
「えっと、私はこのあとどうしたら…?」
「そうだな。では、ここへ毎夜訪ねてくる理由を述べてみろ」
「えっ!」
想像と違う問題に直面して、とうとう思考が停止する。
毎日ここへ来る理由なんて……。
もしかして、私の気持ちがバレバレだから告白を促されてる?
「どうした? 答えられないのか?」
「……教授に、会いたいからです」
「何故だ?」
「……い、言わせてますよね!? ズルいです!!」
「何を戯けたことを。私は毎夜うんざりしているのだ。ただの生徒が私の生活に入り込んでくるのだからな」
「……え、あ……そう、ですよね」
氷水をかけられたのかと錯覚するくらい、心臓が一瞬止まった気がした。
痛いくらいなのに、体の感覚がなくなっていく。
これが絶望だとわかるのに、時間はかからなかった。
教授のはっきりとした拒絶は、初めてだ。
「す、すみません。教授が普段より優しいので、私はてっきり自分が特別なんだと勘違いして……。迷惑だなんて、全然考えてませんでした。もう、来るのは……」
次の言葉は、涙をこらえるために飲み込んでしまった。
俯いて唇を噛みしめると、教授の体が呼吸に合わせて動いているのが見えた。
吐息を感じられるほど、距離が近い。
目頭が熱くなり、涙をこぼすまいと目をギュッと閉じた。