最終章 ~未来へ向かって~
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二人の結婚式からあっという間に過ぎた一週間。
連日晴天が続き、今日も朝から冬晴れ。温かい日差しが米花町にも降り注いでいた。
キーンコーンカーンコーン
授業終了の鐘の音が帝丹小学校に響きわたる。
それを合図に、少年探偵団の子どもたちがコナンの席に集まった。
「なあなあ。今日学校終わったら、昴の兄ちゃんたちのところに行かねぇか?」
元太が全員の顔を見回し声をかけた。
「いいですね〜。このところ全然会えませんでしたもんね。今日こそは先々週の博士のなぞなぞを解いてもらわないと……」
光彦が嬉しそうに目を輝かせる。園城寺氏の誕生日プレゼントを一緒に買いに行って以来、さくらとは会えていなかったし、ここ数週間は昴の姿も見ていない。
そして先週は、なぜかコナンも博士も居なかった。
哀はというと、先週は博士とコナンが『夜釣り』に行っている間(結婚式の日、哀には二人で夜釣りに行ったことになっている)毛利探偵事務所に世話になっていたため、探偵団とは別行動。
(哀は一人で留守番できると言い張ったが、キャメル・ジョディも式に参加したため安全確保が難しく、蘭に適当な理由を付けてお願いしたのだ)
的確なヒントをくれるコナンと哀がいなかったため、探偵団たちはその前の週に博士から出題されたなぞなぞを解き明かせていなかった。
「うん、行こう行こう! さくらお姉さんからも、だいぶ元気になったって連絡あったんだよ。今日こそ会って一緒に遊べるよね」
歩美も嬉しそうに哀に問いかけた。
「そうね。そういえばさくらさん、昨日は昴さんと庭に出ているところを見たわ。顔色も良さそうだし順調に回復しているんじゃないかしら」
「ああ。通院の間隔もずいぶん空いたって聞いたぜ」
哀とコナンが笑顔で答える。子どもたちの顔がパァッと明るくなった。
「じゃあ、決まりだな!」
「「うん!」」
少年探偵団の元気な声が教室中に響いた。
ブーッ、ブーッ、ブーッ
「おや、ボウヤからメールだ」
ジャケットのポケットに入れていたスマホが震え、昴が手に取る。
「コナンくんから?」
洗濯物を取り込んでいたりおが昴の方へ顔を向けた。
「ああ。放課後、少年探偵団たちがここへ来るそうだ。そういえば、りおは久しぶりだな。みんなと会うのは」
スマホをポケットにしまい、昴は取り込んだ洗濯物が入ったカゴを手に取る。
「うん、そうだね。確か最後に会ったのって古宿区へ誕生日プレゼントを買いに行った時よね。そう考えると、ずいぶん会ってなかったんだね。久しぶりだし……何かおやつ作っておこうかな」
「それはいいな。俺も手伝おう」
二人はお日様の匂いがする洗濯物を抱え、勝手口へと足を向ける。
ちょうどその時、ザザッと強い風が吹いて工藤邸の木々がザワザワと音を立てた。ふと、りおは立ち止まり空を見上げる。
雲一つない青く澄んだ空がどこまでも広がっていた。
「ん? どうした?」
空を見上げたまま動かぬりおに昴は声をかける。
「ねえ秀一さん。私がマレーシアに居た時……青い空と優しい風だけが唯一、一人でいることの寂しさや悲しさを忘れさせてくれたの」
空を見上げていたりおは、そう言うと昴の方へ視線を移す。
「生きて日本に戻ってきてホッとしたのもつかの間、組織への潜入……。しばらくしてスコッチが死んで、あなたも組織から離脱——。正直すごく不安だった。そんな私を支えてくれたのも空だったし、あなたとの『絶対死なない』っていう約束だった。あれから色々なことがあったけれど……見上げた同じ空の下にあなたが居る。あなたの髪を揺らした風が、同じ瞬間に私の髪も揺らす。それがどんなに幸せか、分かる?」
長い髪を押さえ、嬉しそうに細めたアンバーの瞳が昴(赤井)を見つめる。
「ああ。俺も同じくらい幸せだよ」
メガネの奥の——片目だけ開かれたペリドットの瞳にさくらの笑顔が映り込む。
抱えていた洗濯物を右手に持ち替え、空いた昴の左手がさくらの肩を抱き寄せる。さくらもまた、左手を昴の胸元に添えた。そのまま二人は唇を合わせる。
お揃いの指輪が太陽の光を受けてきらりと光った。
珍しく事件の無い、米花町の昼下がり。
二人の頭上には澄んだ青空が広がり、心地よい風が優しく通り過ぎる。
空を見上げて、風を感じて
共に歩もう。この先の未来も——
完
連日晴天が続き、今日も朝から冬晴れ。温かい日差しが米花町にも降り注いでいた。
キーンコーンカーンコーン
授業終了の鐘の音が帝丹小学校に響きわたる。
それを合図に、少年探偵団の子どもたちがコナンの席に集まった。
「なあなあ。今日学校終わったら、昴の兄ちゃんたちのところに行かねぇか?」
元太が全員の顔を見回し声をかけた。
「いいですね〜。このところ全然会えませんでしたもんね。今日こそは先々週の博士のなぞなぞを解いてもらわないと……」
光彦が嬉しそうに目を輝かせる。園城寺氏の誕生日プレゼントを一緒に買いに行って以来、さくらとは会えていなかったし、ここ数週間は昴の姿も見ていない。
そして先週は、なぜかコナンも博士も居なかった。
哀はというと、先週は博士とコナンが『夜釣り』に行っている間(結婚式の日、哀には二人で夜釣りに行ったことになっている)毛利探偵事務所に世話になっていたため、探偵団とは別行動。
(哀は一人で留守番できると言い張ったが、キャメル・ジョディも式に参加したため安全確保が難しく、蘭に適当な理由を付けてお願いしたのだ)
的確なヒントをくれるコナンと哀がいなかったため、探偵団たちはその前の週に博士から出題されたなぞなぞを解き明かせていなかった。
「うん、行こう行こう! さくらお姉さんからも、だいぶ元気になったって連絡あったんだよ。今日こそ会って一緒に遊べるよね」
歩美も嬉しそうに哀に問いかけた。
「そうね。そういえばさくらさん、昨日は昴さんと庭に出ているところを見たわ。顔色も良さそうだし順調に回復しているんじゃないかしら」
「ああ。通院の間隔もずいぶん空いたって聞いたぜ」
哀とコナンが笑顔で答える。子どもたちの顔がパァッと明るくなった。
「じゃあ、決まりだな!」
「「うん!」」
少年探偵団の元気な声が教室中に響いた。
ブーッ、ブーッ、ブーッ
「おや、ボウヤからメールだ」
ジャケットのポケットに入れていたスマホが震え、昴が手に取る。
「コナンくんから?」
洗濯物を取り込んでいたりおが昴の方へ顔を向けた。
「ああ。放課後、少年探偵団たちがここへ来るそうだ。そういえば、りおは久しぶりだな。みんなと会うのは」
スマホをポケットにしまい、昴は取り込んだ洗濯物が入ったカゴを手に取る。
「うん、そうだね。確か最後に会ったのって古宿区へ誕生日プレゼントを買いに行った時よね。そう考えると、ずいぶん会ってなかったんだね。久しぶりだし……何かおやつ作っておこうかな」
「それはいいな。俺も手伝おう」
二人はお日様の匂いがする洗濯物を抱え、勝手口へと足を向ける。
ちょうどその時、ザザッと強い風が吹いて工藤邸の木々がザワザワと音を立てた。ふと、りおは立ち止まり空を見上げる。
雲一つない青く澄んだ空がどこまでも広がっていた。
「ん? どうした?」
空を見上げたまま動かぬりおに昴は声をかける。
「ねえ秀一さん。私がマレーシアに居た時……青い空と優しい風だけが唯一、一人でいることの寂しさや悲しさを忘れさせてくれたの」
空を見上げていたりおは、そう言うと昴の方へ視線を移す。
「生きて日本に戻ってきてホッとしたのもつかの間、組織への潜入……。しばらくしてスコッチが死んで、あなたも組織から離脱——。正直すごく不安だった。そんな私を支えてくれたのも空だったし、あなたとの『絶対死なない』っていう約束だった。あれから色々なことがあったけれど……見上げた同じ空の下にあなたが居る。あなたの髪を揺らした風が、同じ瞬間に私の髪も揺らす。それがどんなに幸せか、分かる?」
長い髪を押さえ、嬉しそうに細めたアンバーの瞳が昴(赤井)を見つめる。
「ああ。俺も同じくらい幸せだよ」
メガネの奥の——片目だけ開かれたペリドットの瞳にさくらの笑顔が映り込む。
抱えていた洗濯物を右手に持ち替え、空いた昴の左手がさくらの肩を抱き寄せる。さくらもまた、左手を昴の胸元に添えた。そのまま二人は唇を合わせる。
お揃いの指輪が太陽の光を受けてきらりと光った。
珍しく事件の無い、米花町の昼下がり。
二人の頭上には澄んだ青空が広がり、心地よい風が優しく通り過ぎる。
空を見上げて、風を感じて
共に歩もう。この先の未来も——
完
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