最終章 ~未来へ向かって~
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赤井とりおが退院し、工藤邸に戻った頃——
ジンは、ありとあらゆる手を尽くして虎視眈々と島谷殺害を狙っていた。しかし、当の島谷はニュース番組に連日名は上がるものの、本人の近況についてメディアは沈黙を貫き、逮捕後その姿を見た者はいない。
ならば、送検の際にその命を奪おうとコルンたちを差し向けたが、ターゲットを目視出来ず結局失敗に終わる。キャンティがイラついた声でジンにその旨を報告した。
それから数週間後。アロンがハッキングを駆使し、島谷の精神鑑定について検察庁から直接情報を入手。
(もっともその情報は全て降谷が事前に仕込みをしておいたものだが)
その報告によれば、島谷の精神異常は本当らしく、介助なしではトイレにもいけない。一日中意味不明な独り言をブツブツつぶやき、意思疎通は皆無だという。
完全に狂ってしまった島谷は今、『強制措置入院』と称して指定病院に入院しているらしい。島谷への接触は介助担当者と担当医など、ごく限られた者だけで、病室から出ることも許されていない。
送検の際に姿を現さなかったのも、こういった事情があったためと思われる。
自分の身の回りのこともできないと聞いて、ジンの『島谷暗殺』の気持ちは以前より凪いだようだ。
ただ今回のことがきっかけで、ジンとラムの亀裂はさらに深くなった。元々組織の幹部クラスは一枚岩ではない。その事が今後どう影響するか、今は誰にも分からない。
とはいえ、今回あまりにも危険な企みをしていた組織に対し、各国の警察機関が警戒を強める結果となった。今後の動向次第では、世界中が彼らを監視することになるだろう。
また、広瀬夫妻が遺した極秘資料も暗号の解読が進んでいる。
しかし、その多くが夫妻の死後にガセであったと証明されたものや、長い年月の中で対処前に自然消滅したものであるという。
今後も調査は続き、残る資料に何か隠されていないか慎重に検証することになっている。
今のところ、コナンが密かに期待していた『アポトキシン4869』に関するデータは見つかっていない。現在も工藤新一は江戸川コナンのままであるし、宮野志保は灰原哀のままである。
さらに言えば、FBIの切れ者スナイパー赤井秀一の死亡説は未だに覆ってはいないし、東都大学大学院生沖矢昴は工藤邸で居候を続けていた。
もちろん、星川さくらも東都大理学部の職員として籍を置いたまま。
見かけ上、今までと何も変わらない日常が始まり、いつもと変わらない米花町の風景がそこにある。
ただ一つ変わったことと言えば——
遡ること一週間前。
ルークがマスターを務める『シリウス』というバーに、ごく限られた人々が顔を揃えた。
カランコロ~ン
店のドアベルが乾いた音を立てる。
「あ、申し訳ありません。今日はあいにく貸し切りで~……って…なんだ、ボスじゃないですか」
金の髪を隠すこともせず、バーの制服を着たルークが声をかけた。
「やあ、ルークくん。ちょっと早かったかい? もうじきジョディくんやキャメルくんも来るんだが」
笑顔を見せるジェームズが片手を挙げ、ルークの元へと歩み寄る。
「いえ、大丈夫ですよ。公安のトールとユーヤ、毛利探偵事務所に居候してるボウヤと阿笠博士、それからMr.冴島がすでに到着しています」
親指で一方向を指さすと、ルークはニカッと笑う。
「おお、そうか。じゃあ私も挨拶をしてこなければな」
来客の名を聞いたジェームズは嬉しそうに微笑むと、指さされた席へと移動した。
「あ、ジェームズさん。こんばんは」
コナンが子どもっぽい声で挨拶した。
「コナンくん、こんばんは。今日は阿笠博士と二人かい?」
「うん。二人の正体を知っている人たちって限られているからね」
「確かにそうだな」
ジェームズは目を細めると数回うなずいた。
そして、コナンの隣にいた阿笠博士とも握手を交わし、これまでの協力に感謝の意を伝える。
ふとテーブルを見ると、すでにアルコールの入ったグラスが置かれていることに気付いた。
「なんだ、冴島くん。もう飲んでいるのか」
少々呆れたように戦友に声をかけた。
「飲まなきゃいられんよ。今日くらいは、な」
笑顔で答える冴島だったが、その顔には少しだけ寂しさが見え隠れする。
「フフ……そうだな」
ジェームズも目尻にしわを寄せ微笑む。その顔にも喜びとわずかな寂しさを滲ませた。
カラン、と再びドアが開く音が聞こえる。どうやらジョディとキャメルも到着したようだ。
「さて、お客さまも揃ったことですし。始めましょうか」
白いガウンを羽織り、首からストラを下げたルークが全員に声をかける。皆が立ち上がった。それを合図に店内には静かなクラシックの曲が流れた。
「新郎新婦の入場です」
ルークの一声に拍手が巻き起こる。
同時に、店の奥から黒いタキシードを着た赤井と、純白のドレスを身につけたりおが、腕を組んで現れる。
二人の姿を目にした一同は、割れんばかりの拍手で出迎えた。
ジンは、ありとあらゆる手を尽くして虎視眈々と島谷殺害を狙っていた。しかし、当の島谷はニュース番組に連日名は上がるものの、本人の近況についてメディアは沈黙を貫き、逮捕後その姿を見た者はいない。
ならば、送検の際にその命を奪おうとコルンたちを差し向けたが、ターゲットを目視出来ず結局失敗に終わる。キャンティがイラついた声でジンにその旨を報告した。
それから数週間後。アロンがハッキングを駆使し、島谷の精神鑑定について検察庁から直接情報を入手。
(もっともその情報は全て降谷が事前に仕込みをしておいたものだが)
その報告によれば、島谷の精神異常は本当らしく、介助なしではトイレにもいけない。一日中意味不明な独り言をブツブツつぶやき、意思疎通は皆無だという。
完全に狂ってしまった島谷は今、『強制措置入院』と称して指定病院に入院しているらしい。島谷への接触は介助担当者と担当医など、ごく限られた者だけで、病室から出ることも許されていない。
送検の際に姿を現さなかったのも、こういった事情があったためと思われる。
自分の身の回りのこともできないと聞いて、ジンの『島谷暗殺』の気持ちは以前より凪いだようだ。
ただ今回のことがきっかけで、ジンとラムの亀裂はさらに深くなった。元々組織の幹部クラスは一枚岩ではない。その事が今後どう影響するか、今は誰にも分からない。
とはいえ、今回あまりにも危険な企みをしていた組織に対し、各国の警察機関が警戒を強める結果となった。今後の動向次第では、世界中が彼らを監視することになるだろう。
また、広瀬夫妻が遺した極秘資料も暗号の解読が進んでいる。
しかし、その多くが夫妻の死後にガセであったと証明されたものや、長い年月の中で対処前に自然消滅したものであるという。
今後も調査は続き、残る資料に何か隠されていないか慎重に検証することになっている。
今のところ、コナンが密かに期待していた『アポトキシン4869』に関するデータは見つかっていない。現在も工藤新一は江戸川コナンのままであるし、宮野志保は灰原哀のままである。
さらに言えば、FBIの切れ者スナイパー赤井秀一の死亡説は未だに覆ってはいないし、東都大学大学院生沖矢昴は工藤邸で居候を続けていた。
もちろん、星川さくらも東都大理学部の職員として籍を置いたまま。
見かけ上、今までと何も変わらない日常が始まり、いつもと変わらない米花町の風景がそこにある。
ただ一つ変わったことと言えば——
遡ること一週間前。
ルークがマスターを務める『シリウス』というバーに、ごく限られた人々が顔を揃えた。
カランコロ~ン
店のドアベルが乾いた音を立てる。
「あ、申し訳ありません。今日はあいにく貸し切りで~……って…なんだ、ボスじゃないですか」
金の髪を隠すこともせず、バーの制服を着たルークが声をかけた。
「やあ、ルークくん。ちょっと早かったかい? もうじきジョディくんやキャメルくんも来るんだが」
笑顔を見せるジェームズが片手を挙げ、ルークの元へと歩み寄る。
「いえ、大丈夫ですよ。公安のトールとユーヤ、毛利探偵事務所に居候してるボウヤと阿笠博士、それからMr.冴島がすでに到着しています」
親指で一方向を指さすと、ルークはニカッと笑う。
「おお、そうか。じゃあ私も挨拶をしてこなければな」
来客の名を聞いたジェームズは嬉しそうに微笑むと、指さされた席へと移動した。
「あ、ジェームズさん。こんばんは」
コナンが子どもっぽい声で挨拶した。
「コナンくん、こんばんは。今日は阿笠博士と二人かい?」
「うん。二人の正体を知っている人たちって限られているからね」
「確かにそうだな」
ジェームズは目を細めると数回うなずいた。
そして、コナンの隣にいた阿笠博士とも握手を交わし、これまでの協力に感謝の意を伝える。
ふとテーブルを見ると、すでにアルコールの入ったグラスが置かれていることに気付いた。
「なんだ、冴島くん。もう飲んでいるのか」
少々呆れたように戦友に声をかけた。
「飲まなきゃいられんよ。今日くらいは、な」
笑顔で答える冴島だったが、その顔には少しだけ寂しさが見え隠れする。
「フフ……そうだな」
ジェームズも目尻にしわを寄せ微笑む。その顔にも喜びとわずかな寂しさを滲ませた。
カラン、と再びドアが開く音が聞こえる。どうやらジョディとキャメルも到着したようだ。
「さて、お客さまも揃ったことですし。始めましょうか」
白いガウンを羽織り、首からストラを下げたルークが全員に声をかける。皆が立ち上がった。それを合図に店内には静かなクラシックの曲が流れた。
「新郎新婦の入場です」
ルークの一声に拍手が巻き起こる。
同時に、店の奥から黒いタキシードを着た赤井と、純白のドレスを身につけたりおが、腕を組んで現れる。
二人の姿を目にした一同は、割れんばかりの拍手で出迎えた。