最終章 ~未来へ向かって~
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その頃、居住スペースの物陰に隠れていたりおと赤井は、火の手が上がる研究室を見ていた。
「培養室も実験室もキレイに吹き飛んだ。直後にこれだけの炎に焼かれれば、ウィルスも死滅したな」
爆破状況を確認した赤井がりおに声をかける。
「ええ。実験データも焼失した。あとはこの火災を見た仲間(公安)が教授を逮捕すれば……恐ろしいウィルスは永遠に失われるわ」
りおは炎を見つめて微笑んだ。
今回この島の存在を教えてくれたのは、少年探偵団に謎解きの依頼をした園城寺衛だった。
彼の後継者である息子が建築資材の横流しに気付いたことから端を発し、直後からその資材の行先まで調べていたのだ。
ただ、その情報をどうやって公安に知らせようかと悩んでいた時、衛は偶然にも赤井(昴)とりおに出会った。
りおが、かつて自分を救ってくれた警察官の娘だと確信し、二人に全ての情報を伝えてくれたのだ。
その後も、何かあれば手助けをするという言葉通り、園城寺家で所有しているプライベートクルーザーを島への潜入の際に用意してくれた。
衛によるそれらの行動が無ければ悪魔のウィルスを完成前に葬り去ることなど、絶対に叶わなかっただろう。
「父と母が……導いてくれたのね。二人が救った命が、また…たくさんの人の命を救ったわ」
激しく燃える研究スペースを見つめ、りおがつぶやく。炎が照らすりおの顔を見て、赤井はハッとしてりおの肩を掴んだ。
「……大丈夫、なのか?」
轟々と燃える炎は、かつての事故を思い起こさせる。発作を起こすのでは、と心配になった。
「うん……大丈夫。あの時の炎とは違うわ。絶望の炎じゃない。父と母、そして私たちの捜査が実を結んだ炎……。
きっとどこかで、両親も笑顔で見ていると思う」
「……そうだな。二十年の時を超えて――親子で解決したんだ」
赤井はりおの肩を抱き寄せ微笑んだ。
「うん」
りおも赤井の顔を見上げてうなずいた。
「さて、長居は禁物だ。消火活動が始まる。姿を見られる前にここから脱出だ」
「うん、そうね」
二人は研究スペースに背を向け、侵入口だったキッチンに向かって走り出す。護衛たちによる消火活動が本格化する前に建物から脱出し、林の中へと身を隠さなければならない。
長い廊下を駆け抜け、来た道を戻る。あと数十メートルでキッチンに辿り着く——というところで、不気味な音が響いた。
ギギーッ! ギギギギ——!!
「「ッ‼」」
思わず二人は立ち止まった。護衛たちの消火活動の音だろうか?
「な、なに? 何の音?」
「消火活動にしては変な音だったな……」
耳をそば立て、周囲の様子を伺った。再び同じような音がしてすぐ、ズズズズ……という地震のような揺れを感じる。
「ま、まさか⁉ 連鎖崩壊か?」
「えっ⁉︎」
赤井の言葉にりおが目を見開いた。
急ごしらえで造られた住居兼研究施設は、何十年も前の建物をそのままベースとして使い、耐震などに配慮をしないまま建設されたのだろう。本来ならばびくともしないはずの衝撃で、居住スペースまで崩壊が始まっていた。
「急げ! 建物が崩れる!」
赤井が叫ぶと同時に二人は再び走り出す。その間にもピシッ! ピシッ! という鋭い音がそこら中から響いた。建物の主要な柱に亀裂が入り、鉄筋の入ったコンクリートが重みに耐えられず砕け散る。
やがて、ガラガラと天井や壁の崩落が始まった。
あと少しで出口というところで、二人の頭上をめがけて、大きなコンクリートの塊が落ちてきた。
「危ない!」
先を走っていた赤井がクルリとりおの方へ向き、その体を庇うように抱きしめる。
ドシャ——ン!!
ドゥオオオン!!
ガラガラガラ……ッ!
土煙がものすごい勢いで上がり、居住スペースの半分以上が崩落した。
カタ……カタカタカタ……
ホテルの一室にキーボードを叩く音だけが響く。窓の外は夜明けが近づき、藍色の空が広がっていた。
タンッ!
エンターキーが強く押され、画面にはもう何度目かのプログレスバーが表示される。
「ふう……いったいいつまで続くんだ」
ハッキング開始からすでに丸三日。簡単に済むとは思っていないが、それにしても進まない。
「第一関門を過ぎたところまでは良かったが、その後が全然ダメだ。いったいどうなっているんだ」
無精ひげを生やし、着古したトレーナーを着たアロンが頭を掻きむしった。
いくらアメリカの重要機密とはいえ、こうも進まないのはおかしい。解除しても解除しても、次から次へと別のセキュリティーシステムが作動する。
それはまるでドアが開いた瞬間、次のドアが唐突に姿を現すかのよう。こちらの動きを察知して待ち伏せされているような気分になる。
アロンはデスクに放っておいたスマホに手を伸ばした。
「培養室も実験室もキレイに吹き飛んだ。直後にこれだけの炎に焼かれれば、ウィルスも死滅したな」
爆破状況を確認した赤井がりおに声をかける。
「ええ。実験データも焼失した。あとはこの火災を見た仲間(公安)が教授を逮捕すれば……恐ろしいウィルスは永遠に失われるわ」
りおは炎を見つめて微笑んだ。
今回この島の存在を教えてくれたのは、少年探偵団に謎解きの依頼をした園城寺衛だった。
彼の後継者である息子が建築資材の横流しに気付いたことから端を発し、直後からその資材の行先まで調べていたのだ。
ただ、その情報をどうやって公安に知らせようかと悩んでいた時、衛は偶然にも赤井(昴)とりおに出会った。
りおが、かつて自分を救ってくれた警察官の娘だと確信し、二人に全ての情報を伝えてくれたのだ。
その後も、何かあれば手助けをするという言葉通り、園城寺家で所有しているプライベートクルーザーを島への潜入の際に用意してくれた。
衛によるそれらの行動が無ければ悪魔のウィルスを完成前に葬り去ることなど、絶対に叶わなかっただろう。
「父と母が……導いてくれたのね。二人が救った命が、また…たくさんの人の命を救ったわ」
激しく燃える研究スペースを見つめ、りおがつぶやく。炎が照らすりおの顔を見て、赤井はハッとしてりおの肩を掴んだ。
「……大丈夫、なのか?」
轟々と燃える炎は、かつての事故を思い起こさせる。発作を起こすのでは、と心配になった。
「うん……大丈夫。あの時の炎とは違うわ。絶望の炎じゃない。父と母、そして私たちの捜査が実を結んだ炎……。
きっとどこかで、両親も笑顔で見ていると思う」
「……そうだな。二十年の時を超えて――親子で解決したんだ」
赤井はりおの肩を抱き寄せ微笑んだ。
「うん」
りおも赤井の顔を見上げてうなずいた。
「さて、長居は禁物だ。消火活動が始まる。姿を見られる前にここから脱出だ」
「うん、そうね」
二人は研究スペースに背を向け、侵入口だったキッチンに向かって走り出す。護衛たちによる消火活動が本格化する前に建物から脱出し、林の中へと身を隠さなければならない。
長い廊下を駆け抜け、来た道を戻る。あと数十メートルでキッチンに辿り着く——というところで、不気味な音が響いた。
ギギーッ! ギギギギ——!!
「「ッ‼」」
思わず二人は立ち止まった。護衛たちの消火活動の音だろうか?
「な、なに? 何の音?」
「消火活動にしては変な音だったな……」
耳をそば立て、周囲の様子を伺った。再び同じような音がしてすぐ、ズズズズ……という地震のような揺れを感じる。
「ま、まさか⁉ 連鎖崩壊か?」
「えっ⁉︎」
赤井の言葉にりおが目を見開いた。
急ごしらえで造られた住居兼研究施設は、何十年も前の建物をそのままベースとして使い、耐震などに配慮をしないまま建設されたのだろう。本来ならばびくともしないはずの衝撃で、居住スペースまで崩壊が始まっていた。
「急げ! 建物が崩れる!」
赤井が叫ぶと同時に二人は再び走り出す。その間にもピシッ! ピシッ! という鋭い音がそこら中から響いた。建物の主要な柱に亀裂が入り、鉄筋の入ったコンクリートが重みに耐えられず砕け散る。
やがて、ガラガラと天井や壁の崩落が始まった。
あと少しで出口というところで、二人の頭上をめがけて、大きなコンクリートの塊が落ちてきた。
「危ない!」
先を走っていた赤井がクルリとりおの方へ向き、その体を庇うように抱きしめる。
ドシャ——ン!!
ドゥオオオン!!
ガラガラガラ……ッ!
土煙がものすごい勢いで上がり、居住スペースの半分以上が崩落した。
カタ……カタカタカタ……
ホテルの一室にキーボードを叩く音だけが響く。窓の外は夜明けが近づき、藍色の空が広がっていた。
タンッ!
エンターキーが強く押され、画面にはもう何度目かのプログレスバーが表示される。
「ふう……いったいいつまで続くんだ」
ハッキング開始からすでに丸三日。簡単に済むとは思っていないが、それにしても進まない。
「第一関門を過ぎたところまでは良かったが、その後が全然ダメだ。いったいどうなっているんだ」
無精ひげを生やし、着古したトレーナーを着たアロンが頭を掻きむしった。
いくらアメリカの重要機密とはいえ、こうも進まないのはおかしい。解除しても解除しても、次から次へと別のセキュリティーシステムが作動する。
それはまるでドアが開いた瞬間、次のドアが唐突に姿を現すかのよう。こちらの動きを察知して待ち伏せされているような気分になる。
アロンはデスクに放っておいたスマホに手を伸ばした。