最終章 ~未来へ向かって~
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「部屋へ戻って少し休みましょう」
冴島とジェームズが帰り、リビングには昴とりおだけになった。
「うん。そうする。早く体調を戻して謎解きの続きをしないと……」
疲れた表情を見せるりおがゆっくりと立ち上がる。昴が肩を貸し、寝室へと移動した。
風力発電所へ「今すぐ行きましょう」とりおは提案した。しかし、それを止めたのは冴島だった。
「今日はやめておこう。今のお前の体では倒れて途中退場になりかねん。一真たちが我々に残した謎解きをお前は最後まで見届ける責務がある。ここで無理をするな。体調を良くしてから皆で行こう。誰もお前を置いて行きはしないよ」
笑顔を見せ、優しく説いた。
「そうだとも。みんなで顔を揃えて真実を手に入れようじゃないか」
ジェームズも穏やかに微笑みかけた。
「はい……」
りおはコクリとうなずく。正直、長時間話し続けたせいで体力、精神力ともに限界だった。日を改めて青茉区の風力発電所へ赴くことを確認し、冴島とジェームズは帰っていった。
「寒くないですか?」
ベッドに横になったりおに昴が声をかける。
「うん…大丈夫。でも……ちょっとだけで良いから…昴さん…じゃなくて、秀一さんで抱きしめてくれる?」
毛布で半分顔を隠し、申し訳なさそうにりおが言う。
「そんなカワイイおねだりをされて、断る理由が無いでしょう」
昴は微笑むとメガネとウィッグを外し、チョーカーの電源をOFFにした。
変装用の小道具一式をベッドサイドに置いて赤井はりおのベッドに潜り込む。
「わぁ……秀一さんだぁ……」
いつもは夜遅くにならなければ会えない『赤井』に、りおは縋りついた。
「ご満足いただけたかな?」
赤井はクスクスと笑いながらりおの顔を見た。
「うん…満足満足……このまま寝ちゃうの…もったいない…な…」
うつらうつらとしながら、りおは赤井の胸元に頬を寄せた。
「安心しろ。俺はいつだってそばにいる」
「うん……そう…だ…ね」
りおは嬉しそうに微笑むと目を閉じる。そのまま吸い込まれるように眠りについた。
工藤邸から戻ったジェームズは、一通りの仕事を片付け深夜という時間帯になった頃自分のホテルに戻った。
食事は外で済ませてきた。シャワーを浴びてベッドに入ろうとした時、スマホが震える。ガウンを着て部屋のドアを開けた。
「ボス、遅い時間に申し訳ありません」
「いや、私も今日は一日ほとんど出ていてね。先ほど戻ったばかりだ。構わんよ」
部屋に通されたルークは、応接セットのソファーに腰かけた。
「連絡をくれれば店に行ったのに」
部屋に常備されているブランデーとグラスを二つ用意しながら、ジェームズが声をかける。
「ええ。そう思ったのですが……。昨夜、店にジンが来たもので」
「なに、あの男が?」
ブランデーを注いでいたジェームズの手がピクリと揺れた。
「ダニーが……死にました」
「…ああ……今朝、公安からも聞いたよ。あと赤井くんからは、組織がアメリカの機密を狙っている事も」
話をしながらジェームズはルークの顔を見る。何も語らずとも全てを悟った。
「その様子だと……彼は君を守ったようだね」
「ええ。最期まで……アイツは最高の舎弟…いや、仲間であり家族だった。血なんか繋がっていなくても、ね」
ルークの顔に悲しみの色はない。ダニーが何を望み、そして散っていったか。それを十分に分かっているからだ。
「それから……ボスにはもう一つ、ご報告があります」
「なんだい?」
ジェームズはブランデーの瓶を置くと優しく問いかけた。
「32年前、アメリカで起きた大型客船の爆破事件。実行犯は元陸軍少佐だったマシュー・メンデスで間違いありません」
「ッ!」
ルークの報告を受け、ジェームズの顔色が変わる。
「そうか……ようやくそこまで、たどり着いたか……」
「はい……これ、公安から預かりました」
降谷から託されたノートを手渡す。ジェームズはジッとそのノートを見つめた。
「ここからが勝負だ。我々は真実を明らかにする貴重な切符を手に入れた。
危険も多い。ダニーの事は残念だったが……だからと言って、君まで無茶はしないでくれ」
ジェームズもこれまで多くの仲間を見送ってきた。ルークの気持ちも十分理解出来る。
「もちろんです。俺には夢がある。苦しい生活を強いられた子どもたちに手を差し伸べ、将来の道を切り開く。その夢を実現するために、ダニーは命を張ったんだ。
俺はもう、二度と立ち止まらない。さくらとシュウが教えてくれた。俺は俺の道を突き進むだけです。彼らと一緒にこの難局を乗り越えてみせます」
決意を新たにするルークの姿にジェームズは温かな目を向ける。
「良い目をしているね、ルークくん。
そうだよ。一人の人間が出来ることなど、本当にわずかなものだ。しかし、ひとりひとりが集まればそれは必ず大きな力になる。たくさんの仲間とつながる事で大きな敵と立ち向かえるんだ。
君はひとりじゃない。共に歩もう。君の夢は私の夢だ」
かつて警察組織の無力さ、自身の不甲斐なさに落胆し、ルークはジェームズを裏切った。
自分が力をつければ弱い者を守れると錯覚し天使の名を名乗った事もある。
そんな愚かな自分を、ジェームズは再び受け入れ温かい言葉を掛けてくれる。
「ボス……ありがとうございます」
ルークの目から一筋の涙が零れた。
ジェームズが「さあ」と言って、ルークにブランデーの入ったグラスを手渡した。
「ここは日本だ。今夜は日本式でいこうじゃないか。ダニーくんに、そして散っていった仲間たちに……献杯(けんぱい)」
ジェームズは自分のグラスをわずかに掲げ、一気に飲み干す。
「献杯」
ルークも仲間の冥福を祈りながら、強い酒を喉に流し込んだ。
冴島とジェームズが帰り、リビングには昴とりおだけになった。
「うん。そうする。早く体調を戻して謎解きの続きをしないと……」
疲れた表情を見せるりおがゆっくりと立ち上がる。昴が肩を貸し、寝室へと移動した。
風力発電所へ「今すぐ行きましょう」とりおは提案した。しかし、それを止めたのは冴島だった。
「今日はやめておこう。今のお前の体では倒れて途中退場になりかねん。一真たちが我々に残した謎解きをお前は最後まで見届ける責務がある。ここで無理をするな。体調を良くしてから皆で行こう。誰もお前を置いて行きはしないよ」
笑顔を見せ、優しく説いた。
「そうだとも。みんなで顔を揃えて真実を手に入れようじゃないか」
ジェームズも穏やかに微笑みかけた。
「はい……」
りおはコクリとうなずく。正直、長時間話し続けたせいで体力、精神力ともに限界だった。日を改めて青茉区の風力発電所へ赴くことを確認し、冴島とジェームズは帰っていった。
「寒くないですか?」
ベッドに横になったりおに昴が声をかける。
「うん…大丈夫。でも……ちょっとだけで良いから…昴さん…じゃなくて、秀一さんで抱きしめてくれる?」
毛布で半分顔を隠し、申し訳なさそうにりおが言う。
「そんなカワイイおねだりをされて、断る理由が無いでしょう」
昴は微笑むとメガネとウィッグを外し、チョーカーの電源をOFFにした。
変装用の小道具一式をベッドサイドに置いて赤井はりおのベッドに潜り込む。
「わぁ……秀一さんだぁ……」
いつもは夜遅くにならなければ会えない『赤井』に、りおは縋りついた。
「ご満足いただけたかな?」
赤井はクスクスと笑いながらりおの顔を見た。
「うん…満足満足……このまま寝ちゃうの…もったいない…な…」
うつらうつらとしながら、りおは赤井の胸元に頬を寄せた。
「安心しろ。俺はいつだってそばにいる」
「うん……そう…だ…ね」
りおは嬉しそうに微笑むと目を閉じる。そのまま吸い込まれるように眠りについた。
工藤邸から戻ったジェームズは、一通りの仕事を片付け深夜という時間帯になった頃自分のホテルに戻った。
食事は外で済ませてきた。シャワーを浴びてベッドに入ろうとした時、スマホが震える。ガウンを着て部屋のドアを開けた。
「ボス、遅い時間に申し訳ありません」
「いや、私も今日は一日ほとんど出ていてね。先ほど戻ったばかりだ。構わんよ」
部屋に通されたルークは、応接セットのソファーに腰かけた。
「連絡をくれれば店に行ったのに」
部屋に常備されているブランデーとグラスを二つ用意しながら、ジェームズが声をかける。
「ええ。そう思ったのですが……。昨夜、店にジンが来たもので」
「なに、あの男が?」
ブランデーを注いでいたジェームズの手がピクリと揺れた。
「ダニーが……死にました」
「…ああ……今朝、公安からも聞いたよ。あと赤井くんからは、組織がアメリカの機密を狙っている事も」
話をしながらジェームズはルークの顔を見る。何も語らずとも全てを悟った。
「その様子だと……彼は君を守ったようだね」
「ええ。最期まで……アイツは最高の舎弟…いや、仲間であり家族だった。血なんか繋がっていなくても、ね」
ルークの顔に悲しみの色はない。ダニーが何を望み、そして散っていったか。それを十分に分かっているからだ。
「それから……ボスにはもう一つ、ご報告があります」
「なんだい?」
ジェームズはブランデーの瓶を置くと優しく問いかけた。
「32年前、アメリカで起きた大型客船の爆破事件。実行犯は元陸軍少佐だったマシュー・メンデスで間違いありません」
「ッ!」
ルークの報告を受け、ジェームズの顔色が変わる。
「そうか……ようやくそこまで、たどり着いたか……」
「はい……これ、公安から預かりました」
降谷から託されたノートを手渡す。ジェームズはジッとそのノートを見つめた。
「ここからが勝負だ。我々は真実を明らかにする貴重な切符を手に入れた。
危険も多い。ダニーの事は残念だったが……だからと言って、君まで無茶はしないでくれ」
ジェームズもこれまで多くの仲間を見送ってきた。ルークの気持ちも十分理解出来る。
「もちろんです。俺には夢がある。苦しい生活を強いられた子どもたちに手を差し伸べ、将来の道を切り開く。その夢を実現するために、ダニーは命を張ったんだ。
俺はもう、二度と立ち止まらない。さくらとシュウが教えてくれた。俺は俺の道を突き進むだけです。彼らと一緒にこの難局を乗り越えてみせます」
決意を新たにするルークの姿にジェームズは温かな目を向ける。
「良い目をしているね、ルークくん。
そうだよ。一人の人間が出来ることなど、本当にわずかなものだ。しかし、ひとりひとりが集まればそれは必ず大きな力になる。たくさんの仲間とつながる事で大きな敵と立ち向かえるんだ。
君はひとりじゃない。共に歩もう。君の夢は私の夢だ」
かつて警察組織の無力さ、自身の不甲斐なさに落胆し、ルークはジェームズを裏切った。
自分が力をつければ弱い者を守れると錯覚し天使の名を名乗った事もある。
そんな愚かな自分を、ジェームズは再び受け入れ温かい言葉を掛けてくれる。
「ボス……ありがとうございます」
ルークの目から一筋の涙が零れた。
ジェームズが「さあ」と言って、ルークにブランデーの入ったグラスを手渡した。
「ここは日本だ。今夜は日本式でいこうじゃないか。ダニーくんに、そして散っていった仲間たちに……献杯(けんぱい)」
ジェームズは自分のグラスをわずかに掲げ、一気に飲み干す。
「献杯」
ルークも仲間の冥福を祈りながら、強い酒を喉に流し込んだ。