第5.5章 ~危険なカクテル~
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
りおの退院から5日経った夜——
いつも通り夕食を食べて片付けを終えた後、昴はリビングで本を読んでいた。
シリーズで出ているお気に入りの小説。今日手に入れた新刊のページを静かにめくる。
微かに残る印刷の匂い。書き出しからグッと引き込まれる話の展開。これからいったいどんな謎解きが待っているのか、期待が高まる。
昴にとっては極上の時間だ。
数十分後——
入浴を終えたりおがリビングに戻ってきた。読書に集中している昴はそれに気付かない。
りおも慣れているので特段話しかけるでもなく、夕食後にタンプラーに入れておいたハーブティーを飲みながら、スマホのメールチェックを始めた。
「ッ!」
メールチェックをしていたりおの手が一瞬止まる。何か考え込むように、その手を口元に当てた。
「おや、もう上がってきていたのですね」
考え事をしていたりおに「気付かなくてスミマセン」と昴が謝った。
「ううん。邪魔しちゃいけないと思って、私も声かけなかったし。楽しみにしていたもんね、新刊の発売」
スマホを置き、りおは笑顔で応えた。
発売初日の今日。昴は朝からソワソワしていた。開店までだいぶ時間があるのに、出掛ける準備は万端。
そのくせ、日用品や食材の買い物の時は気もそぞろ。早く本屋に行きたくて仕方ない…という状態だった。
「会計しておくから先に本屋に行ってて良いよ」と伝えた時は、さながらリードを外された犬のようだったとりおは笑う。
「確かに楽しみにしていた本ではありますが、あなたをほったらかしておくのは……」
恋人を一人ぼっちにしておくのは如何なものかと、昴は今日一日の自分の行動を反省した。
りおは昴の態度にクスッと笑うとソファーから立ち上がる。
昴に近づいてその耳元に唇を寄せた。
「じゃあ…楽しみにしていた小説を読んでからで良いので、私とイケナイ遊び……しない?」
「ッ…え…?!」
りおの言葉に昴は思わず目を見開き、持っていた本を落とした。
翌日夜——
シュタッ…シュタッ…シュタッ…
ゆっくりとトランプをめくる音
カラカラカラカラ……
ホイールが回り、ボールが軽快に転がる音があちらこちらから聞こえる。
ボールが一つの場所に収まると、周りからため息が漏れた。
ベッドされたたくさんのチップが、あっという間に集められる。
遠巻きにそれを見ていた昴は、バーカウンターを背にして立ったまま体を預け、肘をかる。
オーダーしたバーボンはすでに半分近く飲んでしまっていた。
不機嫌そうにため息をつくと、隣に居る黒髪の美女に視線を移す。
「不服そうね」
そう言って笑顔を見せる黒髪の美女は、カウンターの向こうに居るバーテン兼マスターに「スティンガーを」とオーダーした。
「おい…そんな強い酒を飲んで大丈夫なのか?」
昴は片目だけ開けると、美女の顔をジッと見つめた。
「ゆっくり飲むから大丈夫よ」
美しいアンバーの瞳は黒いカラコンによって隠され、本来の栗色の髪も黒いウィッグに覆われていた。
美女は昴の隣にあるカウンターチェアに腰かけてマスターの所作を眺めている。
「イケナイ遊びって…まさかカジノの事とはな…」
ため息交じりにつぶやいた昴を見て、隣の美女…さくらが笑った。
「あら、じゃあ何の事だと思ったの?」
さくらは昴を困らせようと、意地悪な質問を投げかける。
「そりゃ……」
と言いかけて、昴はしばし考え込む。「後でのお楽しみ」と口の端を持ち上げた。
「お待たせしました」
ニヤリと悪い笑みを浮かべる昴の、不穏な空気をかき消すように、マスターがスティンガーをさくらの前に置いた。
さくらは小さく咳払いをするとカクテルに手をのばす。
背中が大胆に開いたドレスは、さくらの白い肌をより美しく見せる。
アップにした髪。わずかに残る後れ毛が、その背中をさらにセクシーに見せた。
ライトに照らされた『スティンガー』。
形の良い指がスッとカクテルグラスを持ち上げる。
琥珀色の液体を湛えたグラスが、さくらの口元に運ばれた。
フッと目を伏せミントの刺激を感じながらゆっくりと味わう。
唇についたアルコールをペロリと舌先で舐めた。
「お前…誘っているのか?」
昴の左手がさくらのアゴに伸びると、そのまま昴の方へ向かされた。
しっかりと施されたメイク。
露出の多いカクテルドレス。
いつもより妖艶で、まるで《見知らぬ女》の雰囲気を醸し出しながらも、その白い首すじも細い腕も、その指先すらも自分が良く知るものだ。
これ以上ない程の色気を振りまき、自分しか知らないはずの肌を大胆に晒して、男の目の前で強い酒を飲む…。
誘っているとしか思えない。
「さあ…。でも、後でのお楽しみ…なんでしょ?」
言葉とは裏腹に少し焦った顔をするさくらを見て、昴は思わず噴き出した。
「プッ…くっくくく。それでは男を引っ掛けられんな。ちょっと触れられただけでそんなに照れていては、ハニトラは無理だろう」
「フンだ。その時はちゃんとやるもんっ!」
不貞腐れた様にそっぽを向く姿を見て、昴は笑いを堪えるのに必死だった。
「「「おおっ!!」」」
その時、会場がどよめいた。
一人の男がルーレットで大勝負に出たようだ。
さくらは一瞬だけ左耳に触れると席を立ち、その男の元へとゆっくり近づいて行った。
残された昴は、さくらが飲んでいたカクテルを見つめる。
「スティンガー…か…」
カクテルの言葉は「危険な香り」
(やれやれ…)
昴は今日何度目かのため息をついた。
さくらが男に近づく。
男は山のようなチップを全て黒の24に賭けていた。周りはざわついている。
さくらは男の隣に立つと、「赤の16」と耳打ちをした。
「!? なんだね君は…」
男は怪訝そうにさくらを見た。
「次は黒の24ではなく、赤の16よ」
「な!?」
男は驚いた顔をした。
「あら、意外そうな顔をするのね。それとも確実に黒の24に入るという絶対的な自信がおありで?」
「何?」
さくらの言葉に男がピクリと反応した。
「貴様、この私がイカサマをしているとでも?」
ギラリとさくらを睨む。だがそれに動じることなくさくらは男を真っすぐ見据えた。
カラカラカラカラカラ……
にらみ合う二人を他所に、ホイールを回るボールが勢いを失う。
カコン…
乾いた音が鳴ると、それまでのカラカラという音が聞こえなくなった。
客たちがホイールの中を覗き込む。
「あ、赤の16!」
ディーラーが叫んだ。
それを合図に黒の24にベッドされていたチップの山がザ——ッとレーキで集められ、消えていく。
「ば、バカなッ!!」
男の顔から血の気が引いた。
「あら、ハズレちゃったわね。でも、こんなものでボールをコントロールしているのは感心しないわ」
ほら、といってさくらが見せた黒い物体。
それは男が隠し持っていたはずのコントローラーだった。
「ふーん。これでボールの動きを操作していたのね。客がどこに賭けるのかを見て、あなたがコントロールしていたってわけか……。
全部当てるとバレちゃうから、時々ハズしながら…それでも確実に自分が儲かるようにね。
でもごめんなさい。からくりは分かっていたので、ちょっと悪戯しちゃった」
「このアマぁ…ッ!」
涼しい顔で説明するさくらの肩に、男が掴みかかる。
その手をいつの間にか近くに来ていた昴が掴んだ。
そのままグイッとさくらの肩から男の手を引き離す。
「おやおや、感心しませんね。イカサマがバレて女性に手を上げるなんて」
穏やかな言葉とは裏腹に、男の腕を掴む昴の手はかなりの力が入っていた。あと少し力を込めれば確実にその腕は折れる。
「てめぇ! その手をすぐに放せッ!」
男の近くに居た数人が昴に襲い掛かった。
ドカッ!
バキッ!
男の一人にさくらの手刀が、もう一人には昴の蹴りが決まる。
あっという間に二人が倒れ込んだ。
仲間の倒れる様子を見て、向かってきていた男たちが怯む。
近くに居た客たちも、何事が始まったのかと昴達の方へ視線を向けた。
その瞬間——
『突入!』
左耳のワイヤレスイヤホンから風見の声が聞こえる。
カジノの入口から多数の男達が飛び込み、辺りは騒然となった。
状況を把握しきれていない者たちは一瞬ポカーンとしていたが、それが突入してきた警察官だと分かるとパニックになって暴れ出す。
ナイフや銃を取り出す者までいた。
「チッ!」
昴は小さく舌打ちすると、腕を掴んでいる男のみぞおちに当て身を食らわせてその場に気絶させた。
さくらも刃物を出した男に回し蹴りをお見舞する。
カジノのいたるところで公安刑事と揉み合う姿が見られた。やがて次々と手錠をかけられる者が増えていく。
「昴さん! マスター! こっちへ!」
違法カジノの客、そしてカジノの従業員たちが制圧され連行されて行く最中、さくらはバーカウンターをくぐり抜け、小さな扉に手を掛ける。
そこは地下のカジノから外へと抜ける秘密の通路だった。
三人が通路へと入ると、扉の前に風見が仁王立ちした。これ以上人を通さないためだ。
さくらは一度振り返って風見と目配せをすると、昴とマスターを連れてカジノを後にした。
いつも通り夕食を食べて片付けを終えた後、昴はリビングで本を読んでいた。
シリーズで出ているお気に入りの小説。今日手に入れた新刊のページを静かにめくる。
微かに残る印刷の匂い。書き出しからグッと引き込まれる話の展開。これからいったいどんな謎解きが待っているのか、期待が高まる。
昴にとっては極上の時間だ。
数十分後——
入浴を終えたりおがリビングに戻ってきた。読書に集中している昴はそれに気付かない。
りおも慣れているので特段話しかけるでもなく、夕食後にタンプラーに入れておいたハーブティーを飲みながら、スマホのメールチェックを始めた。
「ッ!」
メールチェックをしていたりおの手が一瞬止まる。何か考え込むように、その手を口元に当てた。
「おや、もう上がってきていたのですね」
考え事をしていたりおに「気付かなくてスミマセン」と昴が謝った。
「ううん。邪魔しちゃいけないと思って、私も声かけなかったし。楽しみにしていたもんね、新刊の発売」
スマホを置き、りおは笑顔で応えた。
発売初日の今日。昴は朝からソワソワしていた。開店までだいぶ時間があるのに、出掛ける準備は万端。
そのくせ、日用品や食材の買い物の時は気もそぞろ。早く本屋に行きたくて仕方ない…という状態だった。
「会計しておくから先に本屋に行ってて良いよ」と伝えた時は、さながらリードを外された犬のようだったとりおは笑う。
「確かに楽しみにしていた本ではありますが、あなたをほったらかしておくのは……」
恋人を一人ぼっちにしておくのは如何なものかと、昴は今日一日の自分の行動を反省した。
りおは昴の態度にクスッと笑うとソファーから立ち上がる。
昴に近づいてその耳元に唇を寄せた。
「じゃあ…楽しみにしていた小説を読んでからで良いので、私とイケナイ遊び……しない?」
「ッ…え…?!」
りおの言葉に昴は思わず目を見開き、持っていた本を落とした。
翌日夜——
シュタッ…シュタッ…シュタッ…
ゆっくりとトランプをめくる音
カラカラカラカラ……
ホイールが回り、ボールが軽快に転がる音があちらこちらから聞こえる。
ボールが一つの場所に収まると、周りからため息が漏れた。
ベッドされたたくさんのチップが、あっという間に集められる。
遠巻きにそれを見ていた昴は、バーカウンターを背にして立ったまま体を預け、肘をかる。
オーダーしたバーボンはすでに半分近く飲んでしまっていた。
不機嫌そうにため息をつくと、隣に居る黒髪の美女に視線を移す。
「不服そうね」
そう言って笑顔を見せる黒髪の美女は、カウンターの向こうに居るバーテン兼マスターに「スティンガーを」とオーダーした。
「おい…そんな強い酒を飲んで大丈夫なのか?」
昴は片目だけ開けると、美女の顔をジッと見つめた。
「ゆっくり飲むから大丈夫よ」
美しいアンバーの瞳は黒いカラコンによって隠され、本来の栗色の髪も黒いウィッグに覆われていた。
美女は昴の隣にあるカウンターチェアに腰かけてマスターの所作を眺めている。
「イケナイ遊びって…まさかカジノの事とはな…」
ため息交じりにつぶやいた昴を見て、隣の美女…さくらが笑った。
「あら、じゃあ何の事だと思ったの?」
さくらは昴を困らせようと、意地悪な質問を投げかける。
「そりゃ……」
と言いかけて、昴はしばし考え込む。「後でのお楽しみ」と口の端を持ち上げた。
「お待たせしました」
ニヤリと悪い笑みを浮かべる昴の、不穏な空気をかき消すように、マスターがスティンガーをさくらの前に置いた。
さくらは小さく咳払いをするとカクテルに手をのばす。
背中が大胆に開いたドレスは、さくらの白い肌をより美しく見せる。
アップにした髪。わずかに残る後れ毛が、その背中をさらにセクシーに見せた。
ライトに照らされた『スティンガー』。
形の良い指がスッとカクテルグラスを持ち上げる。
琥珀色の液体を湛えたグラスが、さくらの口元に運ばれた。
フッと目を伏せミントの刺激を感じながらゆっくりと味わう。
唇についたアルコールをペロリと舌先で舐めた。
「お前…誘っているのか?」
昴の左手がさくらのアゴに伸びると、そのまま昴の方へ向かされた。
しっかりと施されたメイク。
露出の多いカクテルドレス。
いつもより妖艶で、まるで《見知らぬ女》の雰囲気を醸し出しながらも、その白い首すじも細い腕も、その指先すらも自分が良く知るものだ。
これ以上ない程の色気を振りまき、自分しか知らないはずの肌を大胆に晒して、男の目の前で強い酒を飲む…。
誘っているとしか思えない。
「さあ…。でも、後でのお楽しみ…なんでしょ?」
言葉とは裏腹に少し焦った顔をするさくらを見て、昴は思わず噴き出した。
「プッ…くっくくく。それでは男を引っ掛けられんな。ちょっと触れられただけでそんなに照れていては、ハニトラは無理だろう」
「フンだ。その時はちゃんとやるもんっ!」
不貞腐れた様にそっぽを向く姿を見て、昴は笑いを堪えるのに必死だった。
「「「おおっ!!」」」
その時、会場がどよめいた。
一人の男がルーレットで大勝負に出たようだ。
さくらは一瞬だけ左耳に触れると席を立ち、その男の元へとゆっくり近づいて行った。
残された昴は、さくらが飲んでいたカクテルを見つめる。
「スティンガー…か…」
カクテルの言葉は「危険な香り」
(やれやれ…)
昴は今日何度目かのため息をついた。
さくらが男に近づく。
男は山のようなチップを全て黒の24に賭けていた。周りはざわついている。
さくらは男の隣に立つと、「赤の16」と耳打ちをした。
「!? なんだね君は…」
男は怪訝そうにさくらを見た。
「次は黒の24ではなく、赤の16よ」
「な!?」
男は驚いた顔をした。
「あら、意外そうな顔をするのね。それとも確実に黒の24に入るという絶対的な自信がおありで?」
「何?」
さくらの言葉に男がピクリと反応した。
「貴様、この私がイカサマをしているとでも?」
ギラリとさくらを睨む。だがそれに動じることなくさくらは男を真っすぐ見据えた。
カラカラカラカラカラ……
にらみ合う二人を他所に、ホイールを回るボールが勢いを失う。
カコン…
乾いた音が鳴ると、それまでのカラカラという音が聞こえなくなった。
客たちがホイールの中を覗き込む。
「あ、赤の16!」
ディーラーが叫んだ。
それを合図に黒の24にベッドされていたチップの山がザ——ッとレーキで集められ、消えていく。
「ば、バカなッ!!」
男の顔から血の気が引いた。
「あら、ハズレちゃったわね。でも、こんなものでボールをコントロールしているのは感心しないわ」
ほら、といってさくらが見せた黒い物体。
それは男が隠し持っていたはずのコントローラーだった。
「ふーん。これでボールの動きを操作していたのね。客がどこに賭けるのかを見て、あなたがコントロールしていたってわけか……。
全部当てるとバレちゃうから、時々ハズしながら…それでも確実に自分が儲かるようにね。
でもごめんなさい。からくりは分かっていたので、ちょっと悪戯しちゃった」
「このアマぁ…ッ!」
涼しい顔で説明するさくらの肩に、男が掴みかかる。
その手をいつの間にか近くに来ていた昴が掴んだ。
そのままグイッとさくらの肩から男の手を引き離す。
「おやおや、感心しませんね。イカサマがバレて女性に手を上げるなんて」
穏やかな言葉とは裏腹に、男の腕を掴む昴の手はかなりの力が入っていた。あと少し力を込めれば確実にその腕は折れる。
「てめぇ! その手をすぐに放せッ!」
男の近くに居た数人が昴に襲い掛かった。
ドカッ!
バキッ!
男の一人にさくらの手刀が、もう一人には昴の蹴りが決まる。
あっという間に二人が倒れ込んだ。
仲間の倒れる様子を見て、向かってきていた男たちが怯む。
近くに居た客たちも、何事が始まったのかと昴達の方へ視線を向けた。
その瞬間——
『突入!』
左耳のワイヤレスイヤホンから風見の声が聞こえる。
カジノの入口から多数の男達が飛び込み、辺りは騒然となった。
状況を把握しきれていない者たちは一瞬ポカーンとしていたが、それが突入してきた警察官だと分かるとパニックになって暴れ出す。
ナイフや銃を取り出す者までいた。
「チッ!」
昴は小さく舌打ちすると、腕を掴んでいる男のみぞおちに当て身を食らわせてその場に気絶させた。
さくらも刃物を出した男に回し蹴りをお見舞する。
カジノのいたるところで公安刑事と揉み合う姿が見られた。やがて次々と手錠をかけられる者が増えていく。
「昴さん! マスター! こっちへ!」
違法カジノの客、そしてカジノの従業員たちが制圧され連行されて行く最中、さくらはバーカウンターをくぐり抜け、小さな扉に手を掛ける。
そこは地下のカジノから外へと抜ける秘密の通路だった。
三人が通路へと入ると、扉の前に風見が仁王立ちした。これ以上人を通さないためだ。
さくらは一度振り返って風見と目配せをすると、昴とマスターを連れてカジノを後にした。