第5章 ~カルト集団~
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コナンを送り届け、それから10分程で工藤邸に到着する。
夜も遅かったので、二人は足早に家の中へと入った。
玄関のドアがバタンとしまった瞬間、赤井はりおを抱きしめた。りおも同じことを考えていたのか、すぐに二人の体は密着した。
そのまま唇を重ねる。
舌を絡めるとわずかに血の味がした。りおは目を開け、キスをしたまま赤井の顔を見た。
左の口端を舌で触れると、そこが腫れているのが分かる。さらに頬の裏をくすぐると、より顕著に血の味がした。痛みで赤井の顔がわずかに歪む。
唇を離し、「ごめん」とりおは小さくつぶやいた。アンバーの瞳が切なげに下を向く。
赤井はフッと笑って「大丈夫だよ」と答えた。
「お前が無事に帰って来てさえくれれば、こんな傷の一つや二つどうということは無い」
安心したように微笑んで、赤井は再びりおに口づける。
角度を変え、舌を絡ませ、お互いに弱い場所を刺激し合う。
「ん…ぅん……しゅ…ぅ……」
「は……りお……ン……」
熱に浮かれた様に、お互いの名を甘く呼び合う。体に溜まる熱は膨れ上がるばかりで、さらに相手の素肌に触れたくなる。
「りお…シャワー…行こう……汗流して…そのままベッド…」
名残惜しそうに唇を離した赤井が、りおの耳元でそうささやく。
「ま、まって…っ…ふぅ…ケガの…ぁ…手当…ん…し、しない…っと…」
りおが話す間も赤井は首筋にキスをしたり、耳を甘噛みするものだから、言葉が切れ切れになってしまう。
「いらない…お前がいればケガなんて…たいしたことではない…」
りおへの愛撫を止めること無く、赤井は手当を拒否する。
「だ、ダメだってッ…あ……私…結構本気で…」
りおは赤井の腹部に手を伸ばし、そっと触れた。
「ぐっ…ぅ…」
腹部に走った痛みに、赤井がわずかに声を上げる。
「ほら! 痛いんでしょ?」
「痛くない…と言ったらウソになるが……いずれにしてもシャワーだな」
行儀悪く靴を脱ぎ散らかして、時折キスをしながら、二人はバスルームへと向かう。お互いの服をはぎ取るようにして裸になり、浴室に入ると止水栓を捻った。
最初に出て来たのは冷たい水。しかし体に溜まる熱のせいで気にならない。
やがて温かい湯が降り注ぎ、二人はそれを浴びながら——互いの体を抱き合い、再び舌を絡め合った。
ザッと汗を流し、濡れた体を軽く拭いただけで、そのままベッドになだれ込む。
「ケガの手当…」というりおの言葉は赤井のキスで消され、腫れた手足へと伸びるりおの手も、赤井の大きな手で絡めとられた。
結局二人が気を失うように眠りについたのは、それから間も無く…空が白み始める頃。
まさに「暁の女神」が舞い降りる頃だった。
日がだいぶ高くなり、カーテンの隙間から日の光が差し込む。先に目を覚ましたのは赤井だった。
りおはぐちゃぐちゃになったシーツの上で毛布に包まり、まだ眠っている。
(あ~~…やらかしてしまった…)
りおの安否を心配して、敵の本拠地に乗り込んで。騙し合いと駆け引きの中で、お互い極限状態だった。
だいたいそんな出来事の後は、ぐったり疲れ果てるか、神経が研ぎ澄まされて異常な興奮状態になるか、どちらかだ。
当然のことではあるが、今回は間違いなく後者。しかも今回はりおの色気にも、かなりあてられた。
(あの衣装であの舞は…反則だ…あれが高校で覚えたダンスって…それ見た学生ヤバいだろ…)
裾は長かったものの、胸元や背中が大きく開き、袖のない民族衣装だった。異国のアクセサリーを身に着け、ウエストには細い腰をいっそう細く見せるような装飾を施し、官能的な舞を舞う。
(あの場に飛び出していかなかった自分を褒めてやりたいよ…)
誰の目にも触れさせたくないと思った。それなのに——たくさんの信者たちが彼女の姿や舞に見惚れていた。
(まったくお前は……俺に心配ばかりかけて……)
赤井は半ばあきらめた様に大きなため息をつく。りおの顔にそっと手を伸ばした。
「ぅ…ん…」
顔に触れた瞬間、小さな寝言を言って僅かに動いたものの、りおは目を覚まさない。
まるで子猫のように丸くなってスースーと良く眠っている。
その姿は戦っている時と真逆の印象を与えた。
拳を交えた時、りおの意図は分かっていた。演技だとバレないように本気で殴りに来ることも。
あの時の彼女はまるで豹のようだ。しなやかな動きと鋭い攻撃。付け入るスキは全くない。
だが、りおの手刀を受け止めた直後、彼女が自分の胸ぐらを掴んで視線が合った時、一瞬みせた優しいアンバーの瞳。
『あなたを信じてる』
そう言っているように感じた。
「俺たちが揃えば最強だと、思わずうぬぼれてしまったよ」
柔らかい栗色の髪をそっとすきながら、赤井はその時を思い出し、思わず笑顔になる。
「早く目を覚まして、そのキレイなアンバーの瞳を見せてくれ」
ペリドットの瞳が愛おしそうに細められた。
***
「ほら…やっぱり夕べ手当をすれば良かったのに…」
赤井の体に付いた打撲痕を見て、りおがため息をついた。
「あ~……。結構ついてるなぁ。急所には入らないように避けてはいたんだが……」
「だって、私の攻撃をまともに受けてたでしょう? 当たる瞬間、体を引けば衝撃が回避できるのに……どうしてそうしなかったの?」
湿布のフィルムを剥がしながら、りおは問いかけた。
「お前から与えられるものは、全部受け取る主義なんだ」
赤井は満面の笑みで答える。
「攻撃まで受け取らなくて結構です」
「つれないな」
「本気で心配したんだから。全然回避の動きを取らないし。でも、下手に手を抜いて見破られるわけにもいかないし……」
悲しげに眉を寄せながら、赤井の手当てを続ける。
「大丈夫だよ。お前の細腕でやられるほどヤワじゃないし、致命傷にならない程度には回避はしてたんだ。
それよりも、お前のしなやかな攻撃に惚れ惚れしていたよ」
「またそうやってごまかそうとして!」
ペチッと背中を叩かれ、イテ! と赤井が悲鳴を上げた。
「はい、おしまい。服を着たら変装してください。この後は警視庁でまた事情聴取ですよ」
「やれやれ……またあの安室君のねちっこい嫌味を聞かなきゃならんのか……」
赤井はうんざりした顔でつぶやいた。
「あら、ご心配なく。降谷さんなら、この後ポアロのシフトですって。事情聴取は風見さんがやるそうよ」
クスクスと笑うと、りおは救急箱を仕舞う。所定の位置に片付けようと立ち上がった。
クラリ……
「!?」
一瞬めまいがして、りおはソファーの背もたれに手をついた。
「りお?」
りおの異変に赤井が気付く。
「っ! さすがに疲れたのかな。ちょっとめまいが…」
すぐにめまいは治まり、いつもと変わりはない。
「安定剤の薬も打たれたし、無理するなよ」
「うん。まあ、無理させてるのは主に秀一さんだけどね」
「……それは今のうちに謝っておく」
「あら、自覚ありなんだ」
「まあ……そりゃな」
夕べの事を思い出し、フムと赤井は腕を組む。
「ちょ、ちょっと…! 思い出さなくて良いから!」
「いや、あれは……男冥利に尽きるというか…あんなりおの姿…んがむふ…!?」
「スト———ップ!! それ以上は受け付けませ——ん!」
真顔で言うのホント勘弁して。
りおは慌てて赤井の口を両手でふさいだ。
夜も遅かったので、二人は足早に家の中へと入った。
玄関のドアがバタンとしまった瞬間、赤井はりおを抱きしめた。りおも同じことを考えていたのか、すぐに二人の体は密着した。
そのまま唇を重ねる。
舌を絡めるとわずかに血の味がした。りおは目を開け、キスをしたまま赤井の顔を見た。
左の口端を舌で触れると、そこが腫れているのが分かる。さらに頬の裏をくすぐると、より顕著に血の味がした。痛みで赤井の顔がわずかに歪む。
唇を離し、「ごめん」とりおは小さくつぶやいた。アンバーの瞳が切なげに下を向く。
赤井はフッと笑って「大丈夫だよ」と答えた。
「お前が無事に帰って来てさえくれれば、こんな傷の一つや二つどうということは無い」
安心したように微笑んで、赤井は再びりおに口づける。
角度を変え、舌を絡ませ、お互いに弱い場所を刺激し合う。
「ん…ぅん……しゅ…ぅ……」
「は……りお……ン……」
熱に浮かれた様に、お互いの名を甘く呼び合う。体に溜まる熱は膨れ上がるばかりで、さらに相手の素肌に触れたくなる。
「りお…シャワー…行こう……汗流して…そのままベッド…」
名残惜しそうに唇を離した赤井が、りおの耳元でそうささやく。
「ま、まって…っ…ふぅ…ケガの…ぁ…手当…ん…し、しない…っと…」
りおが話す間も赤井は首筋にキスをしたり、耳を甘噛みするものだから、言葉が切れ切れになってしまう。
「いらない…お前がいればケガなんて…たいしたことではない…」
りおへの愛撫を止めること無く、赤井は手当を拒否する。
「だ、ダメだってッ…あ……私…結構本気で…」
りおは赤井の腹部に手を伸ばし、そっと触れた。
「ぐっ…ぅ…」
腹部に走った痛みに、赤井がわずかに声を上げる。
「ほら! 痛いんでしょ?」
「痛くない…と言ったらウソになるが……いずれにしてもシャワーだな」
行儀悪く靴を脱ぎ散らかして、時折キスをしながら、二人はバスルームへと向かう。お互いの服をはぎ取るようにして裸になり、浴室に入ると止水栓を捻った。
最初に出て来たのは冷たい水。しかし体に溜まる熱のせいで気にならない。
やがて温かい湯が降り注ぎ、二人はそれを浴びながら——互いの体を抱き合い、再び舌を絡め合った。
ザッと汗を流し、濡れた体を軽く拭いただけで、そのままベッドになだれ込む。
「ケガの手当…」というりおの言葉は赤井のキスで消され、腫れた手足へと伸びるりおの手も、赤井の大きな手で絡めとられた。
結局二人が気を失うように眠りについたのは、それから間も無く…空が白み始める頃。
まさに「暁の女神」が舞い降りる頃だった。
日がだいぶ高くなり、カーテンの隙間から日の光が差し込む。先に目を覚ましたのは赤井だった。
りおはぐちゃぐちゃになったシーツの上で毛布に包まり、まだ眠っている。
(あ~~…やらかしてしまった…)
りおの安否を心配して、敵の本拠地に乗り込んで。騙し合いと駆け引きの中で、お互い極限状態だった。
だいたいそんな出来事の後は、ぐったり疲れ果てるか、神経が研ぎ澄まされて異常な興奮状態になるか、どちらかだ。
当然のことではあるが、今回は間違いなく後者。しかも今回はりおの色気にも、かなりあてられた。
(あの衣装であの舞は…反則だ…あれが高校で覚えたダンスって…それ見た学生ヤバいだろ…)
裾は長かったものの、胸元や背中が大きく開き、袖のない民族衣装だった。異国のアクセサリーを身に着け、ウエストには細い腰をいっそう細く見せるような装飾を施し、官能的な舞を舞う。
(あの場に飛び出していかなかった自分を褒めてやりたいよ…)
誰の目にも触れさせたくないと思った。それなのに——たくさんの信者たちが彼女の姿や舞に見惚れていた。
(まったくお前は……俺に心配ばかりかけて……)
赤井は半ばあきらめた様に大きなため息をつく。りおの顔にそっと手を伸ばした。
「ぅ…ん…」
顔に触れた瞬間、小さな寝言を言って僅かに動いたものの、りおは目を覚まさない。
まるで子猫のように丸くなってスースーと良く眠っている。
その姿は戦っている時と真逆の印象を与えた。
拳を交えた時、りおの意図は分かっていた。演技だとバレないように本気で殴りに来ることも。
あの時の彼女はまるで豹のようだ。しなやかな動きと鋭い攻撃。付け入るスキは全くない。
だが、りおの手刀を受け止めた直後、彼女が自分の胸ぐらを掴んで視線が合った時、一瞬みせた優しいアンバーの瞳。
『あなたを信じてる』
そう言っているように感じた。
「俺たちが揃えば最強だと、思わずうぬぼれてしまったよ」
柔らかい栗色の髪をそっとすきながら、赤井はその時を思い出し、思わず笑顔になる。
「早く目を覚まして、そのキレイなアンバーの瞳を見せてくれ」
ペリドットの瞳が愛おしそうに細められた。
***
「ほら…やっぱり夕べ手当をすれば良かったのに…」
赤井の体に付いた打撲痕を見て、りおがため息をついた。
「あ~……。結構ついてるなぁ。急所には入らないように避けてはいたんだが……」
「だって、私の攻撃をまともに受けてたでしょう? 当たる瞬間、体を引けば衝撃が回避できるのに……どうしてそうしなかったの?」
湿布のフィルムを剥がしながら、りおは問いかけた。
「お前から与えられるものは、全部受け取る主義なんだ」
赤井は満面の笑みで答える。
「攻撃まで受け取らなくて結構です」
「つれないな」
「本気で心配したんだから。全然回避の動きを取らないし。でも、下手に手を抜いて見破られるわけにもいかないし……」
悲しげに眉を寄せながら、赤井の手当てを続ける。
「大丈夫だよ。お前の細腕でやられるほどヤワじゃないし、致命傷にならない程度には回避はしてたんだ。
それよりも、お前のしなやかな攻撃に惚れ惚れしていたよ」
「またそうやってごまかそうとして!」
ペチッと背中を叩かれ、イテ! と赤井が悲鳴を上げた。
「はい、おしまい。服を着たら変装してください。この後は警視庁でまた事情聴取ですよ」
「やれやれ……またあの安室君のねちっこい嫌味を聞かなきゃならんのか……」
赤井はうんざりした顔でつぶやいた。
「あら、ご心配なく。降谷さんなら、この後ポアロのシフトですって。事情聴取は風見さんがやるそうよ」
クスクスと笑うと、りおは救急箱を仕舞う。所定の位置に片付けようと立ち上がった。
クラリ……
「!?」
一瞬めまいがして、りおはソファーの背もたれに手をついた。
「りお?」
りおの異変に赤井が気付く。
「っ! さすがに疲れたのかな。ちょっとめまいが…」
すぐにめまいは治まり、いつもと変わりはない。
「安定剤の薬も打たれたし、無理するなよ」
「うん。まあ、無理させてるのは主に秀一さんだけどね」
「……それは今のうちに謝っておく」
「あら、自覚ありなんだ」
「まあ……そりゃな」
夕べの事を思い出し、フムと赤井は腕を組む。
「ちょ、ちょっと…! 思い出さなくて良いから!」
「いや、あれは……男冥利に尽きるというか…あんなりおの姿…んがむふ…!?」
「スト———ップ!! それ以上は受け付けませ——ん!」
真顔で言うのホント勘弁して。
りおは慌てて赤井の口を両手でふさいだ。