第4.5章 二人の遠出~長野旅行編~
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日——。
二人はホテルの部屋で朝食を堪能していた。
「さすが長野ね。季節の食材がこんなに…」
「キノコのキッシュ美味いな。このサーモンもなかなかいける」
「それ、信州サーモンですって」
料理と一緒に運ばれたお品書きを手に、りおが料理を指さしアレコレと読み上げる。
「信州味噌を使った凍り豆腐ときのこのスープも美味しい!」
夕べは軽食だったため、おなかをすかせた二人は満足そうに朝食をたいらげた。
「ふ~。食ったな」
「ホント…。朝からお腹いっぱい」
食後のコーヒーを飲みながら、二人は今日の予定を確認した。
朝一番で長野県警に顔を出し、昨日の事情聴取に応じなければならない。その後、飯綱町のワイナリーへ行こうと決めている。
「じゃあ県警へ行った後はレンタカーを返して、公共機関かタクシーを使った方が良いわね」
「ああ、そうだな」
長野産のワインを購入するのが楽しみだと赤井は笑う。
「ワイナリーでりおも試飲するだろ? 飲んでも良いが飲み過ぎるなよ」
「ふふふ。善処しますね」
りおは気を付ける気などまるで無い、という笑顔を向ける。赤井はやれやれとため息をついた。
身支度を整えチェックアウトを済ませると、レンタカーに乗って県警へ。事前に連絡を入れておいたので、諸伏が本部のエントランスまで迎えに出てくれた。
「おはようございます。さくらさん、もうケガの方は大丈夫ですか?」
ガーゼのないさくらの額を見て、諸伏が心配そうに訊ねた。
「はい! かすり傷でしたし……もう大丈夫です」
さくらは笑顔で答えた。
「それは良かった。頭だったので心配しましたよ。お二人とも昨日はよく眠れましたか?」
「「え、ええ。良く…眠れました」」
諸伏の問いかけに二人は苦笑いをする。
日中二度お預けを食らった赤井が夜は大暴走。戸隠での疲れも出て、二人はその後ボロ布のように(良く)眠ったのだ。
(おかげで腰が痛いですけど…)
(すまんって)
諸伏の後ろをついて行きながら、二人はコソコソと耳打ちし合った。
「ではこちらへ」
諸伏に連れられ、二人が通されたのは応接室。
「取調室じゃないんですか?」
「お二人は容疑者じゃありませんしね。それにさくらさん、なんだか歩き方がゆっくりだから、昨日のケガの影響もあるのかと思いまして。まずはお茶でもお出しします。ゆっくりかけてお待ちください」
いや歩くのが遅いのは秀一さんのせいだから……と心の中でツッコミを入れつつ、さくら達はありがたく応接室のソファーに腰かけた。
「せっかくのご旅行なのに申し訳ありません。短時間で済ませますので、お付き合いください」
温かいそば茶を用意した諸伏が、そう前置きして二人の前に写真を四枚置いた。
「昨日も確認しましたが、もう一度お願いします。この写真の中に昨日あなたたちを襲った男がいますか?」
「この男と…この男です」
「分かりました」
諸伏は昴が指さした男の写真を手に取ると、他の写真は片付けて二枚をクリップで留めた。
「では、奥社に向かっていたあなたたちが、何故登山道に行ったのか理由をお聞かせください」
昴は順を追って、石段で真新しいキズを見つけた事。そのキズが登山道へと続いていた事。諸伏警部から金塊が行方不明だと聞いていたので『もしかして』と思い、跡を辿った事などを説明した。
「なるほど。私が金塊の強奪事件をお話したために、あなたたちを危険な目に合わせてしまったのですね……」
「いえ、そうではありません。もし事件の事を知らなくても、あんな不自然なキズがあれば不審に思ったでしょう。結果は同じだったと思います」
他の人たちより好奇心が旺盛なので、と昴とさくらは一瞬だけ顔を見合わせてニヤリと笑う。
「あなたたちの好奇心はいつも危険がいっぱいですね…」
二人の顔を見て諸伏も苦笑いした。
その他細かいことを訊かれたが、崖から落ちて軽傷で済んだことに驚かれた。
「普段鍛えている方は、とっさの時に的確な行動が取れるものなのですね」
「ははは…」
(私たちがこういう事に慣れてるってだけかも…)
さくらは苦笑いをしつつ、それ以上は何も言わなかった。
「ありがとうございました。これで事情聴取は終わりです。この後お二人はどうされるのですか?」
パタンと調書を閉じ、諸伏が訊ねた。
「レンタカーを返した後、電車とタクシーでワイナリーへ行ってみようかと」
「ほう。それは良いですね」
楽しんできてくださいと言われ、二人は県警本部を後にした。
レンタカーを返し二人は長野駅で電車に乗る。向かうのは『飯綱町』。
「ジャムやワインの美味しい所があるそうですよ」
「わぁ! 楽しみね!」
秋晴れの信州。駅のホームはさわやかな風が吹いていた。
二人はホテルの部屋で朝食を堪能していた。
「さすが長野ね。季節の食材がこんなに…」
「キノコのキッシュ美味いな。このサーモンもなかなかいける」
「それ、信州サーモンですって」
料理と一緒に運ばれたお品書きを手に、りおが料理を指さしアレコレと読み上げる。
「信州味噌を使った凍り豆腐ときのこのスープも美味しい!」
夕べは軽食だったため、おなかをすかせた二人は満足そうに朝食をたいらげた。
「ふ~。食ったな」
「ホント…。朝からお腹いっぱい」
食後のコーヒーを飲みながら、二人は今日の予定を確認した。
朝一番で長野県警に顔を出し、昨日の事情聴取に応じなければならない。その後、飯綱町のワイナリーへ行こうと決めている。
「じゃあ県警へ行った後はレンタカーを返して、公共機関かタクシーを使った方が良いわね」
「ああ、そうだな」
長野産のワインを購入するのが楽しみだと赤井は笑う。
「ワイナリーでりおも試飲するだろ? 飲んでも良いが飲み過ぎるなよ」
「ふふふ。善処しますね」
りおは気を付ける気などまるで無い、という笑顔を向ける。赤井はやれやれとため息をついた。
身支度を整えチェックアウトを済ませると、レンタカーに乗って県警へ。事前に連絡を入れておいたので、諸伏が本部のエントランスまで迎えに出てくれた。
「おはようございます。さくらさん、もうケガの方は大丈夫ですか?」
ガーゼのないさくらの額を見て、諸伏が心配そうに訊ねた。
「はい! かすり傷でしたし……もう大丈夫です」
さくらは笑顔で答えた。
「それは良かった。頭だったので心配しましたよ。お二人とも昨日はよく眠れましたか?」
「「え、ええ。良く…眠れました」」
諸伏の問いかけに二人は苦笑いをする。
日中二度お預けを食らった赤井が夜は大暴走。戸隠での疲れも出て、二人はその後ボロ布のように(良く)眠ったのだ。
(おかげで腰が痛いですけど…)
(すまんって)
諸伏の後ろをついて行きながら、二人はコソコソと耳打ちし合った。
「ではこちらへ」
諸伏に連れられ、二人が通されたのは応接室。
「取調室じゃないんですか?」
「お二人は容疑者じゃありませんしね。それにさくらさん、なんだか歩き方がゆっくりだから、昨日のケガの影響もあるのかと思いまして。まずはお茶でもお出しします。ゆっくりかけてお待ちください」
いや歩くのが遅いのは秀一さんのせいだから……と心の中でツッコミを入れつつ、さくら達はありがたく応接室のソファーに腰かけた。
「せっかくのご旅行なのに申し訳ありません。短時間で済ませますので、お付き合いください」
温かいそば茶を用意した諸伏が、そう前置きして二人の前に写真を四枚置いた。
「昨日も確認しましたが、もう一度お願いします。この写真の中に昨日あなたたちを襲った男がいますか?」
「この男と…この男です」
「分かりました」
諸伏は昴が指さした男の写真を手に取ると、他の写真は片付けて二枚をクリップで留めた。
「では、奥社に向かっていたあなたたちが、何故登山道に行ったのか理由をお聞かせください」
昴は順を追って、石段で真新しいキズを見つけた事。そのキズが登山道へと続いていた事。諸伏警部から金塊が行方不明だと聞いていたので『もしかして』と思い、跡を辿った事などを説明した。
「なるほど。私が金塊の強奪事件をお話したために、あなたたちを危険な目に合わせてしまったのですね……」
「いえ、そうではありません。もし事件の事を知らなくても、あんな不自然なキズがあれば不審に思ったでしょう。結果は同じだったと思います」
他の人たちより好奇心が旺盛なので、と昴とさくらは一瞬だけ顔を見合わせてニヤリと笑う。
「あなたたちの好奇心はいつも危険がいっぱいですね…」
二人の顔を見て諸伏も苦笑いした。
その他細かいことを訊かれたが、崖から落ちて軽傷で済んだことに驚かれた。
「普段鍛えている方は、とっさの時に的確な行動が取れるものなのですね」
「ははは…」
(私たちがこういう事に慣れてるってだけかも…)
さくらは苦笑いをしつつ、それ以上は何も言わなかった。
「ありがとうございました。これで事情聴取は終わりです。この後お二人はどうされるのですか?」
パタンと調書を閉じ、諸伏が訊ねた。
「レンタカーを返した後、電車とタクシーでワイナリーへ行ってみようかと」
「ほう。それは良いですね」
楽しんできてくださいと言われ、二人は県警本部を後にした。
レンタカーを返し二人は長野駅で電車に乗る。向かうのは『飯綱町』。
「ジャムやワインの美味しい所があるそうですよ」
「わぁ! 楽しみね!」
秋晴れの信州。駅のホームはさわやかな風が吹いていた。