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あなたとともに

「Does it suit you? トレーナー、どうだ?」
「うん!めちゃくちゃ似合ってる!」

そうやって話していたのは、私の担当ウマ娘であるタップダンスシチー。
聞いた話だと、学園の催し物のひとつである「聖蹄祭」というファン感謝祭でタップのクラスが演劇をやることになったという。
この聖蹄祭は毎年春と秋の年に二回行われるイベントだ。
演劇はタップはもちろん、クリスエス、シャカール、ファイン、そしてギムレットの脚本。
タップに調子はどう?と聞いたのだが、結末をどうしようか悩んでるみたいだ、と言われた。
「タップは...詩人役なんだね。」
「Yes、ギムレットが配役を考えたのさ!」
「でも、みんなに見せる前に私に見せていいの?」
「ファインに言ったらすんなり許してくれた。
トレーナーさんに見せたいんだね!ぜひ見せてあげて!と。」
「確かにファインはそう言うかもね」

タップが詩人役なのは意外だったけど、いざ考えてみたら理にかなっているかもしれない。
「トレーナー、どうした?」
「詩人なら、色んなところを回るんだよね?」
「それは旅人っていうやつで、詩人じゃないけど似たやつだからよしとするか!」
タップはいつものように大声で笑った。
「この服タップのイメージに合ってるし、なによりも素敵だなぁ...って。」
タップのトレーナーになってから色んなことがあった。レースでは中々良い結果を出す走りがまだ出来てはいないが、このところ最近は実力も着いてきたのかようやくG1に出走できる可能性が出てきた。
今までのことを思い出したら、つい笑みが零れてしまったのかタップに大丈夫かと指摘されてしまった。
「今のタップなら願い事を何でも叶えてくれそうな気がするね!」
「Yes!トレーナーにそう言われちゃ、願いを叶えるしかないな!」
魔法使いじゃなく、今のアタシは詩人だけどな?と言われてはしまったけど。
「タップは本当に自由気ままで生きてるし、これからも生きていけるような気がするんだよね...
でも、私はそうじゃない気がする。」
「やけに真面目な話をするんだな。」
「だって、タップなら話しても大丈夫だなと思ったから。」
私がそうやって言うと、タップはあまり見ない表情になった。
「タップにお願いがあってね。」
「why?お願い?」
「うん、お願い。
もしタップがいいなら、私はタップと一緒にいたいなって思っただけ。」
決してタップの格好がそう見えたからじゃない。
だけど、この格好だから言ったわけじゃなく恥ずかしい気持ちにはなかったが正真正銘のことを言った。
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