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(九十九 慧視点)
夜の静寂が病院の廊下を包み込む。Reluの病室があるフロアは、重篤な患者のためのホスピス病棟で、面会時間も厳しく制限されている。しかし、今日は特別だ。私が、VOISINGのマネージャーとしての権限と、Reluの命の秘密を賭けて、全員をここに集めた。
VOISINGのタレント全員に送ったメッセージは、簡潔だった。
「Reluさんの病状について、真実をお話しします。命に関わることです。今すぐ、私が指定する病院に来てください。ただし、この情報は絶対に外部に漏らさないでください。これが、彼に会える最後の機会です」
そして、シクフォニのメンバーには、イオとして連絡した。
「LAN。Reluの居場所が変わった。病状が急激に悪化している。彼が、君たちに会いたがっている。すぐに来てほしい。そして、君たちに、僕(イオ)がVOISINGの九十九 慧であるという、全ての真実を話す」
どちらのグループも、一瞬の迷いもなく、メッセージに従った。
先に到着したのは、VOISINGのメンバーたちだった。彼らを会議室に集め、Reluの余命と、あの日の真実を話す。
「…Reluさんは、あのTwitterの件で、皆さんに迷惑をかけるくらいならと、自ら悪者になることを選びました。彼は、拡張型心筋症を患っています。余命は、当初から一年。そして、今、もってあと数日です」
淡々と真実を告げると、会議室は、絶望の沈黙に包まれた。
いれいすのないこが、信じられないというように呟いた。「…嘘だろ。 れるちが、そんな重い病気を抱えていたなんて…」
悠佑は、嗚咽を漏らしながら、顔を覆った。「俺が…あの時、あんな酷い言葉を…!病気の彼を責め立てたなんて…」
すたぽらのメンバーの苦しみは、筆舌に尽くしがたかった。
**Coe.**は、私を強く睨みつけた。「慧…!どうして、もっと早く教えてくれなかったんだよ!僕は、あいつと親友なのに…!」
静かに、Reluの決意を伝えた。「Reluは、最後まで、皆さんと歌うことを選びました。彼の最後の活動を、病気のせいで終わらせたくなかったんです。私は、彼の唯一の秘密の共有者として、彼の意志を尊重しました。あの時、私が病気のことを話せば、彼は『嘘の自白』さえもできず、病気が公になり、活動を終えるしかなかったでしょう」
私の言葉は、VOISINGのタレントたちの後悔を、さらに深く突き刺した。しかし、彼らの目には、Reluへの深い愛情が戻ってきていた。
その直後、シクフォニの六人が到着した。彼らは、僕がイオであり、同時にVOISINGの九十九 慧であるという事実に、一瞬戸惑いを見せた。
LANが、僕の顔を見て言った。「九十九さん…いや、イオ。…まさか、あなただったなんて」
僕は、すぐに本題に入った。「LAN。Reluが、君たちに会いたがっている。…彼は、もう長くありません」
シクフォニのメンバーは、 Reluが病気だとは知っていたが、死が間近に迫っているという事実に、大きな衝撃を受けた。
「Reluくんが…」雨乃こさめが、言葉を失う。
暇72が、目を真っ赤にしながら、僕に詰め寄った。「 Reluを助けたい。僕たちが必死に探していたのは、 Reluに謝って、彼の潔白を証明するためなのに!」
「潔白は、もうすぐ証明されます。VOISINGの幹部は、彼のTwitterが乗っ取りだったことを認めた。ただ、Reluはもう、その結果を聞く体力さえ残されていません」
僕は、二つのグループ、計22人を前に、決意を込めて告げた。
「彼は、彼の命の灯が消える前に、皆さんの顔を見て、皆さんの声を聞きたいと願っています。今から、Reluさんの病室にご案内します。** Reluを、笑わせてあげてください**。それが、彼への最後の贈り物です」
(Relu視点)
れるの病室は、ホスピス病棟特有の、静かで、しかし温かい光に満ちていた。ベッドサイドのモニターが、僕の弱々しい心拍を刻んでいる。
「Relu。もうすぐ、みんなが来るよ」九十九 慧が、僕の髪を優しく撫でた。彼女は、今も僕のそばにいてくれる。僕の、唯一の光だ。
「…慧。ありがとう。無理をさせて…ごめん」
「馬鹿だね。約束しただろ。あなたの最後の願いを叶えるって」彼女は、僕の手にそっと口づけをした。
コンコン、というノックの音がした。
ドアが開き、まず入ってきたのは、**Coe.**だった。彼は、僕を見て、その場で立ち尽くした。
「Reluさん…」
彼の後ろから、すたぽらのメンバー、そしていれいす、クロノヴァの全メンバー、そして最後にシクフォニの六人が入ってきた。総勢23人。僕が愛した、全ての仲間たちだ。
彼らは、僕の変わり果てた姿を見て、言葉を失っていた。
**Coe.**が、涙を流しながら、僕のベッドサイドに駆け寄った。
「Reluさん!ごめん!僕が…お前を信じられなくて…リーダーなのに、何もできなくて…!」
「…Coe.くん」精一杯の力で、微笑んだ。「泣くなよ。君のリーダーの座は、れるが認めたんや。君は、最高のリーダーやで」
ほとけが、泣きじゃくりながら、僕の手を握りしめた。「れるち…嘘つき!どうして、こんな大事なこと隠してたの!僕たち、ずっとずっと…後悔してたんだよ!」
僕ほとけの手を優しく握り返した。「ごめんね、いむくん。でもな、君たちの歌声を、最後まで聞きたかったんだ」
VOISINGのメンバーたちが、次々と僕に謝罪の言葉を述べる。悠佑は、僕の足元に跪き、「俺の言葉は、全部撤回する。本当にごめんな!」と謝った。ないこは、VOISINGの先輩として、「Relu。君の潔白は証明された。君は、VOISINGの誇りだ」と、涙ながらに言ってくれた。
僕を信じてくれたALKHEは、静かに頷きながら、僕にクロノヴァの新曲のCDを差し出した。「Relu。よかったら、最後に聴いてくれ。おれたちの、感謝の歌だ」
そして、シクフォニのメンバーたちが、僕のベッドの周りを囲んだ。彼らは、僕がVOISINGを去った後も、僕を信じて捜してくれた、僕の恩人たちだ。
LANが、僕の顔を見て言った。「れるち。俺たちは、あなたが、こんなに大きなものを抱えていたことを知らなかった。でも、あなたが俺たちを信じて、イオを通じて助けを求めてくれたこと、本当に光栄だよ」
暇72が、僕の肩に手を置いた。「Relu。おれたちの捜索は、間違ってなかった。あなたを信じてよかった。…これからは、ゆっくり休んでくれ」
僕たちは、しばらく、たわいもない話をした。お互いの近況、次の企画の話、そして、あの時どうすればよかったか、という後悔の話。
その中で、僕の心臓の痛みが、再び襲ってきた。今回は、これまでのどの痛みよりも強烈で、僕の視界を真っ白に染め始めた。
(…ああ。もう、時間がないんだ)
僕は、必死に痛みを堪え、**Coe.**の顔を見た。
「Coe.くん…みんな。最後に、れるのために、歌ってくれへんかな。自分たちの、最初のオリジナル曲を」
Coe.は、涙を拭い、頷いた。
「歌う。 Reluさん。お前のために、僕たちが、最高の歌を届ける」
僕の病室に、23人の歌い手の声が響き渡った。
それは、僕たちが初めて一緒に歌った、希望に満ちた、『VOICE & SING』。
♪…君の歌と僕の歌と誰も見たことのない夢で世界を作ろう…♪
いれいすのパワフルな歌声、クロノヴァの調和のとれたコーラス、すたぽらの馴染み深いハーモニー、そしてシクフォニの情熱的なメロディ。全ての声が、自分のために、一つの光の柱を創り出す。
その歌声を聞きながら、九十九 慧の手を強く握りしめた。
「慧…。ありがとう。君と…出会えてよかった。君が、…最後の光や…」
九十九 慧は、言葉を遮り、れるの耳元で囁いた。「Relu。違うよ。私が、あなたに救われたんだ。イオとして、歌う場所をくれたのは、Reluだ。私も、Reluを愛してる」
彼女の、今までに聞いたこともないほど感情的な「愛してる」という言葉を聞きながら、心臓は、静かに、最後の鼓動を終えた。
自分の視界から光が消え、最後に聞こえたのは、れるを呼ぶみんなの声と、九十九 慧のすすり泣く声、そして、れるたち全員の歌声だった。
(…これで、よかったんだ。最後まで歌い手として、愛されたまま、逝けたんだから)
(九十九 慧視点)
Reluが息を引き取った後、病室は、激しい悲しみと、Reluへの深い愛に満たされた。
VOISINGは、Reluの死去後、彼の潔白を公に発表した。乗っ取りの事実、そして彼の退所が、自らの意思による犠牲であったことを、すべて話した。世間は、 Reluの行為を「最後の優しさ」として受け入れ、多くの涙が流された。
VOISINGのメンバーは、 Reluの死を乗り越えるために、さらに団結した。すたぽらは、**Coe.**を中心として活動を再開。いれいす、クロノヴァも、 Reluが愛したこの場所を守るために、全力を尽くすことを誓った。
シクフォニのメンバーは、 Reluとの最後の交流を胸に、彼の潔白証明を果たしたことを喜びながら、自分たちの活動に戻った。僕(イオ)と彼らの協力関係は、 Reluの遺志として、その後も続いていくことになった。
九十九 慧として、VOISINGのマネージャーを続けた。しかし、私の心には、Reluがくれた**「絶対的な信頼」**という宝物が残っていた。
Reluが亡くなって一年後の、彼の命日。
VOISINGのタレントたちとシクフォニのメンバー全員で、彼の墓前に集まっていた。
**Coe.**が、空を見上げながら言った。「Reluさん。見てるかな?僕たち、みんな、お前が愛した場所を守ってるぞ」
ほとけが、泣きながら笑った。「れるち、またね。僕たちがそっちに行くまで、待っててね」
僕は、静かに、僕がイオとして歌い、そしてReluが愛してくれた歌を口ずさんだ。
Reluの選択は、僕たちにとっては、悲しい現実だった。しかし、彼は、最後まで自分の意思で活動を選び、多くの仲間に愛されたまま逝くという、彼にとって最高の、そして最も輝かしい結末を手に入れた。
これは、悲しい物語ではない。Reluという一人の歌い手が、その短い命を、愛と友情のために燃やし尽くし、そして、永遠のハッピーエンドを手に入れた物語なのだ。
胸の奥で、 Reluの声が響く。
「ありがとう、慧。僕の、最高の友達」
僕は、涙を拭い、空に輝く一番星を見つめた。あの星こそが、僕たちの永遠のStar Light Polarisなのだ。
夜の静寂が病院の廊下を包み込む。Reluの病室があるフロアは、重篤な患者のためのホスピス病棟で、面会時間も厳しく制限されている。しかし、今日は特別だ。私が、VOISINGのマネージャーとしての権限と、Reluの命の秘密を賭けて、全員をここに集めた。
VOISINGのタレント全員に送ったメッセージは、簡潔だった。
「Reluさんの病状について、真実をお話しします。命に関わることです。今すぐ、私が指定する病院に来てください。ただし、この情報は絶対に外部に漏らさないでください。これが、彼に会える最後の機会です」
そして、シクフォニのメンバーには、イオとして連絡した。
「LAN。Reluの居場所が変わった。病状が急激に悪化している。彼が、君たちに会いたがっている。すぐに来てほしい。そして、君たちに、僕(イオ)がVOISINGの九十九 慧であるという、全ての真実を話す」
どちらのグループも、一瞬の迷いもなく、メッセージに従った。
先に到着したのは、VOISINGのメンバーたちだった。彼らを会議室に集め、Reluの余命と、あの日の真実を話す。
「…Reluさんは、あのTwitterの件で、皆さんに迷惑をかけるくらいならと、自ら悪者になることを選びました。彼は、拡張型心筋症を患っています。余命は、当初から一年。そして、今、もってあと数日です」
淡々と真実を告げると、会議室は、絶望の沈黙に包まれた。
いれいすのないこが、信じられないというように呟いた。「…嘘だろ。 れるちが、そんな重い病気を抱えていたなんて…」
悠佑は、嗚咽を漏らしながら、顔を覆った。「俺が…あの時、あんな酷い言葉を…!病気の彼を責め立てたなんて…」
すたぽらのメンバーの苦しみは、筆舌に尽くしがたかった。
**Coe.**は、私を強く睨みつけた。「慧…!どうして、もっと早く教えてくれなかったんだよ!僕は、あいつと親友なのに…!」
静かに、Reluの決意を伝えた。「Reluは、最後まで、皆さんと歌うことを選びました。彼の最後の活動を、病気のせいで終わらせたくなかったんです。私は、彼の唯一の秘密の共有者として、彼の意志を尊重しました。あの時、私が病気のことを話せば、彼は『嘘の自白』さえもできず、病気が公になり、活動を終えるしかなかったでしょう」
私の言葉は、VOISINGのタレントたちの後悔を、さらに深く突き刺した。しかし、彼らの目には、Reluへの深い愛情が戻ってきていた。
その直後、シクフォニの六人が到着した。彼らは、僕がイオであり、同時にVOISINGの九十九 慧であるという事実に、一瞬戸惑いを見せた。
LANが、僕の顔を見て言った。「九十九さん…いや、イオ。…まさか、あなただったなんて」
僕は、すぐに本題に入った。「LAN。Reluが、君たちに会いたがっている。…彼は、もう長くありません」
シクフォニのメンバーは、 Reluが病気だとは知っていたが、死が間近に迫っているという事実に、大きな衝撃を受けた。
「Reluくんが…」雨乃こさめが、言葉を失う。
暇72が、目を真っ赤にしながら、僕に詰め寄った。「 Reluを助けたい。僕たちが必死に探していたのは、 Reluに謝って、彼の潔白を証明するためなのに!」
「潔白は、もうすぐ証明されます。VOISINGの幹部は、彼のTwitterが乗っ取りだったことを認めた。ただ、Reluはもう、その結果を聞く体力さえ残されていません」
僕は、二つのグループ、計22人を前に、決意を込めて告げた。
「彼は、彼の命の灯が消える前に、皆さんの顔を見て、皆さんの声を聞きたいと願っています。今から、Reluさんの病室にご案内します。** Reluを、笑わせてあげてください**。それが、彼への最後の贈り物です」
(Relu視点)
れるの病室は、ホスピス病棟特有の、静かで、しかし温かい光に満ちていた。ベッドサイドのモニターが、僕の弱々しい心拍を刻んでいる。
「Relu。もうすぐ、みんなが来るよ」九十九 慧が、僕の髪を優しく撫でた。彼女は、今も僕のそばにいてくれる。僕の、唯一の光だ。
「…慧。ありがとう。無理をさせて…ごめん」
「馬鹿だね。約束しただろ。あなたの最後の願いを叶えるって」彼女は、僕の手にそっと口づけをした。
コンコン、というノックの音がした。
ドアが開き、まず入ってきたのは、**Coe.**だった。彼は、僕を見て、その場で立ち尽くした。
「Reluさん…」
彼の後ろから、すたぽらのメンバー、そしていれいす、クロノヴァの全メンバー、そして最後にシクフォニの六人が入ってきた。総勢23人。僕が愛した、全ての仲間たちだ。
彼らは、僕の変わり果てた姿を見て、言葉を失っていた。
**Coe.**が、涙を流しながら、僕のベッドサイドに駆け寄った。
「Reluさん!ごめん!僕が…お前を信じられなくて…リーダーなのに、何もできなくて…!」
「…Coe.くん」精一杯の力で、微笑んだ。「泣くなよ。君のリーダーの座は、れるが認めたんや。君は、最高のリーダーやで」
ほとけが、泣きじゃくりながら、僕の手を握りしめた。「れるち…嘘つき!どうして、こんな大事なこと隠してたの!僕たち、ずっとずっと…後悔してたんだよ!」
僕ほとけの手を優しく握り返した。「ごめんね、いむくん。でもな、君たちの歌声を、最後まで聞きたかったんだ」
VOISINGのメンバーたちが、次々と僕に謝罪の言葉を述べる。悠佑は、僕の足元に跪き、「俺の言葉は、全部撤回する。本当にごめんな!」と謝った。ないこは、VOISINGの先輩として、「Relu。君の潔白は証明された。君は、VOISINGの誇りだ」と、涙ながらに言ってくれた。
僕を信じてくれたALKHEは、静かに頷きながら、僕にクロノヴァの新曲のCDを差し出した。「Relu。よかったら、最後に聴いてくれ。おれたちの、感謝の歌だ」
そして、シクフォニのメンバーたちが、僕のベッドの周りを囲んだ。彼らは、僕がVOISINGを去った後も、僕を信じて捜してくれた、僕の恩人たちだ。
LANが、僕の顔を見て言った。「れるち。俺たちは、あなたが、こんなに大きなものを抱えていたことを知らなかった。でも、あなたが俺たちを信じて、イオを通じて助けを求めてくれたこと、本当に光栄だよ」
暇72が、僕の肩に手を置いた。「Relu。おれたちの捜索は、間違ってなかった。あなたを信じてよかった。…これからは、ゆっくり休んでくれ」
僕たちは、しばらく、たわいもない話をした。お互いの近況、次の企画の話、そして、あの時どうすればよかったか、という後悔の話。
その中で、僕の心臓の痛みが、再び襲ってきた。今回は、これまでのどの痛みよりも強烈で、僕の視界を真っ白に染め始めた。
(…ああ。もう、時間がないんだ)
僕は、必死に痛みを堪え、**Coe.**の顔を見た。
「Coe.くん…みんな。最後に、れるのために、歌ってくれへんかな。自分たちの、最初のオリジナル曲を」
Coe.は、涙を拭い、頷いた。
「歌う。 Reluさん。お前のために、僕たちが、最高の歌を届ける」
僕の病室に、23人の歌い手の声が響き渡った。
それは、僕たちが初めて一緒に歌った、希望に満ちた、『VOICE & SING』。
♪…君の歌と僕の歌と誰も見たことのない夢で世界を作ろう…♪
いれいすのパワフルな歌声、クロノヴァの調和のとれたコーラス、すたぽらの馴染み深いハーモニー、そしてシクフォニの情熱的なメロディ。全ての声が、自分のために、一つの光の柱を創り出す。
その歌声を聞きながら、九十九 慧の手を強く握りしめた。
「慧…。ありがとう。君と…出会えてよかった。君が、…最後の光や…」
九十九 慧は、言葉を遮り、れるの耳元で囁いた。「Relu。違うよ。私が、あなたに救われたんだ。イオとして、歌う場所をくれたのは、Reluだ。私も、Reluを愛してる」
彼女の、今までに聞いたこともないほど感情的な「愛してる」という言葉を聞きながら、心臓は、静かに、最後の鼓動を終えた。
自分の視界から光が消え、最後に聞こえたのは、れるを呼ぶみんなの声と、九十九 慧のすすり泣く声、そして、れるたち全員の歌声だった。
(…これで、よかったんだ。最後まで歌い手として、愛されたまま、逝けたんだから)
(九十九 慧視点)
Reluが息を引き取った後、病室は、激しい悲しみと、Reluへの深い愛に満たされた。
VOISINGは、Reluの死去後、彼の潔白を公に発表した。乗っ取りの事実、そして彼の退所が、自らの意思による犠牲であったことを、すべて話した。世間は、 Reluの行為を「最後の優しさ」として受け入れ、多くの涙が流された。
VOISINGのメンバーは、 Reluの死を乗り越えるために、さらに団結した。すたぽらは、**Coe.**を中心として活動を再開。いれいす、クロノヴァも、 Reluが愛したこの場所を守るために、全力を尽くすことを誓った。
シクフォニのメンバーは、 Reluとの最後の交流を胸に、彼の潔白証明を果たしたことを喜びながら、自分たちの活動に戻った。僕(イオ)と彼らの協力関係は、 Reluの遺志として、その後も続いていくことになった。
九十九 慧として、VOISINGのマネージャーを続けた。しかし、私の心には、Reluがくれた**「絶対的な信頼」**という宝物が残っていた。
Reluが亡くなって一年後の、彼の命日。
VOISINGのタレントたちとシクフォニのメンバー全員で、彼の墓前に集まっていた。
**Coe.**が、空を見上げながら言った。「Reluさん。見てるかな?僕たち、みんな、お前が愛した場所を守ってるぞ」
ほとけが、泣きながら笑った。「れるち、またね。僕たちがそっちに行くまで、待っててね」
僕は、静かに、僕がイオとして歌い、そしてReluが愛してくれた歌を口ずさんだ。
Reluの選択は、僕たちにとっては、悲しい現実だった。しかし、彼は、最後まで自分の意思で活動を選び、多くの仲間に愛されたまま逝くという、彼にとって最高の、そして最も輝かしい結末を手に入れた。
これは、悲しい物語ではない。Reluという一人の歌い手が、その短い命を、愛と友情のために燃やし尽くし、そして、永遠のハッピーエンドを手に入れた物語なのだ。
胸の奥で、 Reluの声が響く。
「ありがとう、慧。僕の、最高の友達」
僕は、涙を拭い、空に輝く一番星を見つめた。あの星こそが、僕たちの永遠のStar Light Polarisなのだ。
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