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手紙一枚を残して、青龍藍は突然消えた。
その朝の衝撃は、まるで心臓を殴られたように痛烈で、誰一人としてすぐには受け止められなかった。
「どういうことだよ……」
最初に声を上げたのは深沢辰哉だった。手紙を握るその手は震えていて、額には汗が滲んでいた。
ラウールは信じられないという顔で目を泳がせ、何度も「冗談だよね?」と繰り返した。まだ高校生の彼にとって、藍は兄であり時に先生のような存在だった。
「……なんで言ってくれなかったんだ」
目黒蓮は低く、けれど確かに悔しさを滲ませて呟いた。その静かな怒りは、胸の奥で燻る火のように誰も触れられなかった。
その日から、スタジオの空気は一変した。
練習で円陣を組んでも、そこには一人分の空席がある。曲を合わせても、振り付けを確認しても、自然と藍の立ち位置を誰かが振り返ってしまう。
「藍、ここでこう言ってたよな……」
宮館涼太が思わず口にするたび、空気が重くなる。
佐久間大輔は無理に明るく振る舞おうとした。
「藍がいなくても俺らならできる! ……って、言ってたじゃん!」
けれど声が裏返り、笑顔の奥の瞳は濡れていた。
渡辺翔太は黙々と歌い込みに集中した。藍がいない現実を直視すると崩れてしまいそうで、歌に逃げるしかなかった。
阿部亮平は夜遅くまで理由を探した。手紙に隠された意味はないか、過去の会話にヒントはなかったか。だが答えは見つからず、ページをめくるたびに無力感が募った。
ある夜。練習を終えた帰り道、岩本照は突然立ち止まった。
「……あいつ、勝手すぎんだろ」
声は低く抑えていたが、全身が怒りに震えていた。
「俺らがどれだけ一緒にやってきたと思ってんだ。悩みがあんなら言えばよかった。俺ら……仲間だろ」
隣にいた向井康二は静かに首を振った。
「せやけど、藍にも言えへん事情があったんちゃうかな。あいつ、不器用やったやん」
康二の声には優しさが滲んでいた。怒りよりも、ただ寂しさの方が勝っていた。
岩本は唇を噛んだ。言い返したかったが、どこかで康二の言葉が真実だと分かっていた。
――藍は、黙って消えることを選ばざるを得なかった。
藍の脱退は公には「体調不良による活動休止」として発表された。
SNSや掲示板にはファンからの心配や憶測が飛び交う。
《藍くん戻ってきて》《Snow Manは10人じゃなきゃ》《絶対また一緒にステージに立ってほしい》
その声を読むたびに、メンバーの胸は締めつけられた。
「ほんまやな……俺らだけやなくて、ファンも藍を待ってんねん」
康二がスマホを見ながら呟くと、ラウールが涙を隠すように俯いた。
だが同時に、彼らはどうしようもない現実に気づいていた。
――藍は戻ってこないかもしれない。
夜、楽屋に残っていたのは目黒と宮館だけだった。
「舘さん……俺、あの日、藍と最後に話したんです」
目黒の声は震えていた。
「練習で俺が立ち位置間違えて、藍が『もっと自信持て』って笑ってくれたんです。その顔が、今でも忘れられなくて……」
宮館はそっと頷いた。
「俺もだよ。藍がいたから、俺たちは強くなれた。……でも、もういない」
重苦しい沈黙が降りる。二人の間にあるのは、空席になった藍の存在感だけだった。
どれだけ嘆いても、時間は止まらない。Snow Manはスケジュールに追われ、ステージに立ち続けた。
藍がいない舞台は不完全だった。だが、観客はそれでも歓声を送る。
「……藍、見てるか?」
ステージの光の下、9人は心のどこかで藍の視線を探していた。
「藍が残してくれたものを、俺らが繋がなきゃ」
阿部がそう言ったとき、誰も反論しなかった。
Snow Manは再び前を向いた。
傷つきながらも、藍の意思を背負いながら。
だが彼らの胸には、消えた仲間への想いと答えの出ない問いが、今も深く突き刺さったままだった。
その朝の衝撃は、まるで心臓を殴られたように痛烈で、誰一人としてすぐには受け止められなかった。
「どういうことだよ……」
最初に声を上げたのは深沢辰哉だった。手紙を握るその手は震えていて、額には汗が滲んでいた。
ラウールは信じられないという顔で目を泳がせ、何度も「冗談だよね?」と繰り返した。まだ高校生の彼にとって、藍は兄であり時に先生のような存在だった。
「……なんで言ってくれなかったんだ」
目黒蓮は低く、けれど確かに悔しさを滲ませて呟いた。その静かな怒りは、胸の奥で燻る火のように誰も触れられなかった。
その日から、スタジオの空気は一変した。
練習で円陣を組んでも、そこには一人分の空席がある。曲を合わせても、振り付けを確認しても、自然と藍の立ち位置を誰かが振り返ってしまう。
「藍、ここでこう言ってたよな……」
宮館涼太が思わず口にするたび、空気が重くなる。
佐久間大輔は無理に明るく振る舞おうとした。
「藍がいなくても俺らならできる! ……って、言ってたじゃん!」
けれど声が裏返り、笑顔の奥の瞳は濡れていた。
渡辺翔太は黙々と歌い込みに集中した。藍がいない現実を直視すると崩れてしまいそうで、歌に逃げるしかなかった。
阿部亮平は夜遅くまで理由を探した。手紙に隠された意味はないか、過去の会話にヒントはなかったか。だが答えは見つからず、ページをめくるたびに無力感が募った。
ある夜。練習を終えた帰り道、岩本照は突然立ち止まった。
「……あいつ、勝手すぎんだろ」
声は低く抑えていたが、全身が怒りに震えていた。
「俺らがどれだけ一緒にやってきたと思ってんだ。悩みがあんなら言えばよかった。俺ら……仲間だろ」
隣にいた向井康二は静かに首を振った。
「せやけど、藍にも言えへん事情があったんちゃうかな。あいつ、不器用やったやん」
康二の声には優しさが滲んでいた。怒りよりも、ただ寂しさの方が勝っていた。
岩本は唇を噛んだ。言い返したかったが、どこかで康二の言葉が真実だと分かっていた。
――藍は、黙って消えることを選ばざるを得なかった。
藍の脱退は公には「体調不良による活動休止」として発表された。
SNSや掲示板にはファンからの心配や憶測が飛び交う。
《藍くん戻ってきて》《Snow Manは10人じゃなきゃ》《絶対また一緒にステージに立ってほしい》
その声を読むたびに、メンバーの胸は締めつけられた。
「ほんまやな……俺らだけやなくて、ファンも藍を待ってんねん」
康二がスマホを見ながら呟くと、ラウールが涙を隠すように俯いた。
だが同時に、彼らはどうしようもない現実に気づいていた。
――藍は戻ってこないかもしれない。
夜、楽屋に残っていたのは目黒と宮館だけだった。
「舘さん……俺、あの日、藍と最後に話したんです」
目黒の声は震えていた。
「練習で俺が立ち位置間違えて、藍が『もっと自信持て』って笑ってくれたんです。その顔が、今でも忘れられなくて……」
宮館はそっと頷いた。
「俺もだよ。藍がいたから、俺たちは強くなれた。……でも、もういない」
重苦しい沈黙が降りる。二人の間にあるのは、空席になった藍の存在感だけだった。
どれだけ嘆いても、時間は止まらない。Snow Manはスケジュールに追われ、ステージに立ち続けた。
藍がいない舞台は不完全だった。だが、観客はそれでも歓声を送る。
「……藍、見てるか?」
ステージの光の下、9人は心のどこかで藍の視線を探していた。
「藍が残してくれたものを、俺らが繋がなきゃ」
阿部がそう言ったとき、誰も反論しなかった。
Snow Manは再び前を向いた。
傷つきながらも、藍の意思を背負いながら。
だが彼らの胸には、消えた仲間への想いと答えの出ない問いが、今も深く突き刺さったままだった。