《仲間視点》

夜の街は静まり返っていたが、LANの心はざわついていた。
「Reluの居場所を掴む……絶対に」
その強い決意が、足音の一つひとつに力を与える。

Coe.も一緒に歩きながら、LANに小声で問いかける。
「らんらん……どうする？　もう藍たちが完全に遮ってるよ」
LANは拳を握りしめ、声を震わせながら言う。
「諦めない。Reluの本当の気持ちを、俺らは知る必要があるんだよ」

街の角を曲がると、見慣れたシルエットが目に入る。
藍と星奈が、明かりを避けるようにして立っていた。
LANは怒りと焦燥で声を荒げる。
「なんで……なんで俺たちを止めるの！」

藍は冷静な声で言う。
「LANさん……Reluを守るためや。今は会わせられへん」
星奈も静かに、でも強く言葉を添える。
「私たち以外には触れさせられない。Reluが壊れてしまう」

Coe.は怒りを抑え、藍に詰め寄る。
「でも……僕らも仲間なの！　放っておけるわけないじゃん！」
藍は一歩も引かず、しっかりと目を合わせる。
「それでも……今はダメなんや。信じてくれ」

追跡を続けるLANたちは、街中の人混みをかき分けながら進む。
手元のスマホには、未読メッセージや配信履歴が表示されているが、何も手がかりはない。
「……手がかりがねぇ……」
ARKHEが呟き、顔をしかめる。

Coe.は自分のカバンを確認し、昼間にReluが残していった未完成の曲の断片を取り出す。
「これ……手がかりになるかもしれない」
LANは手元のスマホに音源を再生し、曲の一部分からReluの居場所を推測しようとする。
「……音の反響、街の環境……Relu、どこにおるんや」

その時、街の向こうから小さな人影が動いた。
LANは息を詰め、目を凝らす。
「……Reluか？」
しかし、影はすぐに藍と星奈に隠れるように消えていった。

LANは怒りと焦燥で拳を握りしめる。
「……もう、逃がすか！」
Coe.も静かに頷き、仲間たちの決意を確認する。

藍と星奈は、Reluを守るために絶妙な距離を保ちながら、LANたちの追跡を巧みに妨害する。
LANが角を曲がると、別の路地に出て姿を消してしまう。
星奈がそっと微笑みながら、LANに向かって小声で言う。
「もう少しの間、待ってて……」

しかしLANは立ち止まらない。
「Relu、俺は絶対に諦めない！　藍や星奈が何をしても、俺は……」
その声に、Coe.も決意を新たにする。
「僕も。Reluさんのこと、絶対に見捨てない」

夜の街は、三人の思惑と仲間たちの焦燥で張り詰めた空気に包まれていた。
Reluを守る藍と星奈、追いかけるLANたち。
どちらもReluへの想いが強く、それが行動を突き動かしている。

未完成の曲の断片、夜の街の影、そして手紙の存在……
小さな手がかりを頼りに、LANたちはReluの行方を追い続ける。
しかし藍と星奈の計算された妨害によって、まだReluの姿は掴めないままだった。

LANは振り返り、暗闇の中で静かに誓う。
（Relu……お前がどこにおっても、俺らは必ず見つけ出す。お前の本当の気持ちも、絶対に知る）

夜の街は、まだ長く続く。
Reluの足跡を追う者たちと、彼を守る者たち。
その間に、まだ誰も知らない真実が静かに隠されているのだった。