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深夜。ライブ会場からの帰り道、車の中は驚くほど静かだった。
普段なら誰かしらがふざけて笑いを起こすはずなのに、今日はエンジンの低い音だけが響いている。
窓の外を流れる街の灯りが、それぞれの横顔を切り取っていった。
悠佑は隣に座るりうらの様子をちらりと見た。
最年少の肩が小さく揺れている。眠っているのかと思ったが、目は冴えて窓の外を見つめていた。
(……プレッシャー、感じとるんやろな)
声をかけたい。だが「大丈夫か?」と聞けば、余計に追い詰めるかもしれない。最年長として守らねばならない、という思いが言葉を飲み込ませた。
一方で、Ifはスマホの画面を無言で見つめていた。
SNSに流れるライブの感想。歓喜のコメントに混じるように、刺すような言葉がある。
〈声出てなかった〉
〈演出に合ってない〉
〈いれいすって結局…〉
目に入れるな、とわかっていても、どうしてもスクロールする手が止まらなかった。
彼は唇を噛み、スマホをポケットに押し込む。
(また残業コースやな……どうせ次の曲までに死ぬほどやらなあかん)
社畜のように働き続けるのは、自分を保つため。だが、その目は少しずつ疲弊していた。
前の席では、ないこがスタッフと電話で話し続けていた。
「はい、次回のリハは……いや、それだと間に合わないんで……」
声色は落ち着いているが、握った拳は白くなるほど力がこもっている。
リーダーであり社長――その肩書きは、彼に「弱音を吐く自由」を許さない。
本当は「しんどい」と言いたいはずなのに、彼の喉から出てくるのは指示と計算ばかりだった。
後部座席で、初兎とほとけは小声で会話をしていた。
「ねぇ、しょうちゃん……今日のボク、どうだった?」
「どうやったって……まぁ、アホやったなw」
「またそれ~!」
一瞬笑いが生まれるが、すぐに途切れる。
ほとけはいつも通りおちゃらけているつもりだった。けれど、どこか空回りしていた。
初兎は気づいていた。――今日のほとけの笑顔が、本物じゃなかったことに。
だが、それを言葉にする勇気は出なかった。
車内に沈黙が戻る。
誰もが「仲間」であるはずなのに、互いに踏み込めず、心の距離が少しずつ広がっていく。
(俺は……みんなの役に立ててるのかな)
りうらが窓に映る自分の顔を見つめた。
そこには、大歓声を浴びた「天才ピヨピヨ」ではなく、不安そうに眉を寄せる一人の少年の姿があった。
その夜。
いれいすの6人は同じ車に乗りながらも、それぞれの孤独を抱えたまま帰路についた。
普段なら誰かしらがふざけて笑いを起こすはずなのに、今日はエンジンの低い音だけが響いている。
窓の外を流れる街の灯りが、それぞれの横顔を切り取っていった。
悠佑は隣に座るりうらの様子をちらりと見た。
最年少の肩が小さく揺れている。眠っているのかと思ったが、目は冴えて窓の外を見つめていた。
(……プレッシャー、感じとるんやろな)
声をかけたい。だが「大丈夫か?」と聞けば、余計に追い詰めるかもしれない。最年長として守らねばならない、という思いが言葉を飲み込ませた。
一方で、Ifはスマホの画面を無言で見つめていた。
SNSに流れるライブの感想。歓喜のコメントに混じるように、刺すような言葉がある。
〈声出てなかった〉
〈演出に合ってない〉
〈いれいすって結局…〉
目に入れるな、とわかっていても、どうしてもスクロールする手が止まらなかった。
彼は唇を噛み、スマホをポケットに押し込む。
(また残業コースやな……どうせ次の曲までに死ぬほどやらなあかん)
社畜のように働き続けるのは、自分を保つため。だが、その目は少しずつ疲弊していた。
前の席では、ないこがスタッフと電話で話し続けていた。
「はい、次回のリハは……いや、それだと間に合わないんで……」
声色は落ち着いているが、握った拳は白くなるほど力がこもっている。
リーダーであり社長――その肩書きは、彼に「弱音を吐く自由」を許さない。
本当は「しんどい」と言いたいはずなのに、彼の喉から出てくるのは指示と計算ばかりだった。
後部座席で、初兎とほとけは小声で会話をしていた。
「ねぇ、しょうちゃん……今日のボク、どうだった?」
「どうやったって……まぁ、アホやったなw」
「またそれ~!」
一瞬笑いが生まれるが、すぐに途切れる。
ほとけはいつも通りおちゃらけているつもりだった。けれど、どこか空回りしていた。
初兎は気づいていた。――今日のほとけの笑顔が、本物じゃなかったことに。
だが、それを言葉にする勇気は出なかった。
車内に沈黙が戻る。
誰もが「仲間」であるはずなのに、互いに踏み込めず、心の距離が少しずつ広がっていく。
(俺は……みんなの役に立ててるのかな)
りうらが窓に映る自分の顔を見つめた。
そこには、大歓声を浴びた「天才ピヨピヨ」ではなく、不安そうに眉を寄せる一人の少年の姿があった。
その夜。
いれいすの6人は同じ車に乗りながらも、それぞれの孤独を抱えたまま帰路についた。