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午前九時。
新宿署の生活安全課の一角に、Reluと星奈は並んで座っていた。
硬い椅子に腰かけたまま、星奈の指先は小刻みに震えている。
テーブルの上には、これまで届いた脅迫メールのスクリーンショット、そして昨日ポストに投げ込まれていた写真。
刑事らしき中年の男性が資料に目を通す。
「……確かに脅迫にはあたります。ただ、実際の危害行為がない段階では、警告やパトロールの強化くらいしかできませんね」
抑揚のない声が、星奈の心をさらに沈ませた。
「でもっ……!」
声を上げかけた星奈の肩を、Reluがそっと押さえる。
代わりにReluが口を開いた。
「写真まで撮られとるんですよ。これ、すでに“つきまとい”の段階やろ。何かあってからじゃ遅いんじゃないですか?」
関西弁の鋭さが一瞬、刑事の顔を曇らせた。
「気持ちはわかります。ただ、証拠が“誰がやったか”を特定できない以上は……」
刑事は歯切れ悪く言葉を濁した。
星奈はうつむいたまま、膝の上で手をぎゅっと握りしめる。
(やっぱり……ダメなんだ。私なんかが守られるわけない)
その思考が頭の中を支配しかけた瞬間、隣から温かい声が届いた。
「安心せぇ。れるが守る」
Reluが小さくつぶやく。その横顔は真剣で、揺るぎがなかった。
警察署を出ると、都会の喧騒が二人を包み込んだ。
けれど人の多さが逆に、星奈の不安を煽る。
(この中に、私を狙ってる人がいるかもしれない……)
背後から刺すような視線を感じ、足がすくむ。
Reluが気づき、肩に手を置いた。
「大丈夫や。ひとりやない」
その一言で、かろうじて前に進めた。
夜。
二人はマンションの部屋に戻り、リビングのテーブルに並んで座っていた。
「とりあえず、防犯カメラとか設置したほうがええな」
Reluがノートパソコンを操作しながら言う。
「鍵も二重にしよ。インターホンも録画できるやつに変えた方がええ」
星奈は頷きながらも、不安を拭えない。
「でも……そこまでしても、もし家に入られたら……」
言いかけて、口をつぐむ。想像するだけで吐き気が込み上げた。
Reluは星奈の手を取った。
「考えすぎたらあかん。怖がって当然や。でもな、その怖さに呑まれたら、ほんまに歌えんようになってまうで」
その手の温もりが、わずかに心を支えた。
深夜二時。
星奈が眠れずにキッチンへ水を取りに行くと、窓の外にふと気配を感じた。
カーテンの隙間から覗いた瞬間、心臓が凍りつく。
街灯の下に、黒いフードを深くかぶった人物がじっとこちらを見上げていた。
顔は影になってわからない。
だが――確かに視線が合った。
「ひっ……!」
グラスを取り落としそうになる。
慌ててReluを呼ぼうとした瞬間、その人影は闇に溶けるように消えていった。
Reluが飛び込んでくる。
「どうした!?」
星奈は震える指で窓を指した。
「……いた……見てたの……ここ、私たちの部屋……!」
Reluは窓を開け、夜風に髪を揺らしながら周囲を確認した。
しかし、もう誰もいない。
唇を噛み締め、Reluは小さく吐き捨てた。
「……ほんまに近くまで来とる。これは……待ったなしやな」
その夜、星奈はReluの隣で眠った。
眠れぬまま震える彼女を、Reluは背中越しに抱きしめ、何度も囁く。
「大丈夫や。絶対に、絶対に守る」
だが窓の外には、まだ誰かの視線が潜んでいるような気配が、確かに残っていた。
新宿署の生活安全課の一角に、Reluと星奈は並んで座っていた。
硬い椅子に腰かけたまま、星奈の指先は小刻みに震えている。
テーブルの上には、これまで届いた脅迫メールのスクリーンショット、そして昨日ポストに投げ込まれていた写真。
刑事らしき中年の男性が資料に目を通す。
「……確かに脅迫にはあたります。ただ、実際の危害行為がない段階では、警告やパトロールの強化くらいしかできませんね」
抑揚のない声が、星奈の心をさらに沈ませた。
「でもっ……!」
声を上げかけた星奈の肩を、Reluがそっと押さえる。
代わりにReluが口を開いた。
「写真まで撮られとるんですよ。これ、すでに“つきまとい”の段階やろ。何かあってからじゃ遅いんじゃないですか?」
関西弁の鋭さが一瞬、刑事の顔を曇らせた。
「気持ちはわかります。ただ、証拠が“誰がやったか”を特定できない以上は……」
刑事は歯切れ悪く言葉を濁した。
星奈はうつむいたまま、膝の上で手をぎゅっと握りしめる。
(やっぱり……ダメなんだ。私なんかが守られるわけない)
その思考が頭の中を支配しかけた瞬間、隣から温かい声が届いた。
「安心せぇ。れるが守る」
Reluが小さくつぶやく。その横顔は真剣で、揺るぎがなかった。
警察署を出ると、都会の喧騒が二人を包み込んだ。
けれど人の多さが逆に、星奈の不安を煽る。
(この中に、私を狙ってる人がいるかもしれない……)
背後から刺すような視線を感じ、足がすくむ。
Reluが気づき、肩に手を置いた。
「大丈夫や。ひとりやない」
その一言で、かろうじて前に進めた。
夜。
二人はマンションの部屋に戻り、リビングのテーブルに並んで座っていた。
「とりあえず、防犯カメラとか設置したほうがええな」
Reluがノートパソコンを操作しながら言う。
「鍵も二重にしよ。インターホンも録画できるやつに変えた方がええ」
星奈は頷きながらも、不安を拭えない。
「でも……そこまでしても、もし家に入られたら……」
言いかけて、口をつぐむ。想像するだけで吐き気が込み上げた。
Reluは星奈の手を取った。
「考えすぎたらあかん。怖がって当然や。でもな、その怖さに呑まれたら、ほんまに歌えんようになってまうで」
その手の温もりが、わずかに心を支えた。
深夜二時。
星奈が眠れずにキッチンへ水を取りに行くと、窓の外にふと気配を感じた。
カーテンの隙間から覗いた瞬間、心臓が凍りつく。
街灯の下に、黒いフードを深くかぶった人物がじっとこちらを見上げていた。
顔は影になってわからない。
だが――確かに視線が合った。
「ひっ……!」
グラスを取り落としそうになる。
慌ててReluを呼ぼうとした瞬間、その人影は闇に溶けるように消えていった。
Reluが飛び込んでくる。
「どうした!?」
星奈は震える指で窓を指した。
「……いた……見てたの……ここ、私たちの部屋……!」
Reluは窓を開け、夜風に髪を揺らしながら周囲を確認した。
しかし、もう誰もいない。
唇を噛み締め、Reluは小さく吐き捨てた。
「……ほんまに近くまで来とる。これは……待ったなしやな」
その夜、星奈はReluの隣で眠った。
眠れぬまま震える彼女を、Reluは背中越しに抱きしめ、何度も囁く。
「大丈夫や。絶対に、絶対に守る」
だが窓の外には、まだ誰かの視線が潜んでいるような気配が、確かに残っていた。