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その日、東京の空は一日中、曇っていた。
昼間から落ち着かない気持ちで過ごした星奈は、夜になると机の前に座り、パソコンの画面に手を伸ばした。
——配信開始のボタン。
その赤いアイコンが、心臓の鼓動に合わせて点滅して見える。
「……本当に、やるんだ」
呟いた声は震えていた。
でも隣の部屋のディスコードには、もうReluが待機している。
「おーい、準備できてるか?」
軽い関西弁の響きが、少しだけ緊張をほどいてくれる。
午後九時、カウントダウンがゼロになり、画面の向こうに世界がひらかれた。
同時接続者数は数千。数字が一気に跳ね上がるのを見て、星奈の呼吸が乱れる。
「こ、こんばんは……青龍星奈です」
小さな声。けれど、その一言にコメントが一斉に流れた。
《星奈ちゃん来た!》
《うわ、声きれい》
《緊張してる?かわいい》
Reluが隣で笑う。
「今日は特別やな。Reluと星奈の初コラボ生配信や。みんな楽しんでってや!」
《Reluくん!!》《待ってた!》《この二人の組み合わせ神》
コメントが爆発的に流れていく。
最初の曲が始まった。
オリジナルのピアノ伴奏に、二人の声が重なる。
リハーサルでは震えていた星奈の声も、今は少しずつ伸びを取り戻していた。
コメント欄は止まらない。
《鳥肌やばい》
《Reluの声が寄り添ってる》
《星奈さん泣いてる?》
そう、歌いながら星奈の目には涙が浮かんでいた。
自分の声が「嫌われるもの」じゃなく、「届くもの」として受け止められている感覚。
それが胸をいっぱいにしていた。
曲が終わると、星奈は小さくマイクに向かって言った。
「……ありがとう」
それだけなのに、コメント欄は温かい言葉で埋め尽くされた。
《ありがとうはこっちのセリフ》
《生きてくれてありがとう》
《星奈ちゃんの声、ずっと聴いていたい》
画面の文字がにじみ、星奈はこらえきれず泣き笑いになった。
配信の終盤、Reluが少し真面目な声で言った。
「なぁみんな。星奈はほんまに頑張っとる。アンチの声もあったけど、それを乗り越えて今日ここで歌っとるんや。だから——」
Reluは一瞬間を置き、優しく続けた。
「星奈の声を、これからも聴いてやってほしい」
コメント欄が一斉に「はい!」と応えるように流れた。
配信終了ボタンを押したあと。
静かになった部屋で、星奈は深く息を吐いた。
「……終わったんだ」
心臓はまだ速く打っているけれど、不思議と怖さはなかった。
Reluの声が通話越しに響いた。
「おつかれさん。ほんまにようやったな」
「……ありがとう。Reluがいたから、できた」
「これからも一緒にやっていこ。声を届けるんは、一人より二人の方が強いんや」
その言葉に、星奈は初めて「未来」という言葉を信じられた気がした。
昼間から落ち着かない気持ちで過ごした星奈は、夜になると机の前に座り、パソコンの画面に手を伸ばした。
——配信開始のボタン。
その赤いアイコンが、心臓の鼓動に合わせて点滅して見える。
「……本当に、やるんだ」
呟いた声は震えていた。
でも隣の部屋のディスコードには、もうReluが待機している。
「おーい、準備できてるか?」
軽い関西弁の響きが、少しだけ緊張をほどいてくれる。
午後九時、カウントダウンがゼロになり、画面の向こうに世界がひらかれた。
同時接続者数は数千。数字が一気に跳ね上がるのを見て、星奈の呼吸が乱れる。
「こ、こんばんは……青龍星奈です」
小さな声。けれど、その一言にコメントが一斉に流れた。
《星奈ちゃん来た!》
《うわ、声きれい》
《緊張してる?かわいい》
Reluが隣で笑う。
「今日は特別やな。Reluと星奈の初コラボ生配信や。みんな楽しんでってや!」
《Reluくん!!》《待ってた!》《この二人の組み合わせ神》
コメントが爆発的に流れていく。
最初の曲が始まった。
オリジナルのピアノ伴奏に、二人の声が重なる。
リハーサルでは震えていた星奈の声も、今は少しずつ伸びを取り戻していた。
コメント欄は止まらない。
《鳥肌やばい》
《Reluの声が寄り添ってる》
《星奈さん泣いてる?》
そう、歌いながら星奈の目には涙が浮かんでいた。
自分の声が「嫌われるもの」じゃなく、「届くもの」として受け止められている感覚。
それが胸をいっぱいにしていた。
曲が終わると、星奈は小さくマイクに向かって言った。
「……ありがとう」
それだけなのに、コメント欄は温かい言葉で埋め尽くされた。
《ありがとうはこっちのセリフ》
《生きてくれてありがとう》
《星奈ちゃんの声、ずっと聴いていたい》
画面の文字がにじみ、星奈はこらえきれず泣き笑いになった。
配信の終盤、Reluが少し真面目な声で言った。
「なぁみんな。星奈はほんまに頑張っとる。アンチの声もあったけど、それを乗り越えて今日ここで歌っとるんや。だから——」
Reluは一瞬間を置き、優しく続けた。
「星奈の声を、これからも聴いてやってほしい」
コメント欄が一斉に「はい!」と応えるように流れた。
配信終了ボタンを押したあと。
静かになった部屋で、星奈は深く息を吐いた。
「……終わったんだ」
心臓はまだ速く打っているけれど、不思議と怖さはなかった。
Reluの声が通話越しに響いた。
「おつかれさん。ほんまにようやったな」
「……ありがとう。Reluがいたから、できた」
「これからも一緒にやっていこ。声を届けるんは、一人より二人の方が強いんや」
その言葉に、星奈は初めて「未来」という言葉を信じられた気がした。