番外編
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秋の夜風が肌に冷たく触れる夕暮れ。
降谷零は、珍しく星奈を連れて外へ出た。
「今日は俺の仕事に、ちょっとだけ付き合ってくれ」
その言葉に、星奈は一瞬だけ困惑したが、彼の瞳が冗談ではないことを悟り、うなずいた。
向かった先は、都内のとある古びたビル。
“監視対象者”が潜伏しているという情報を受けて、FBIと公安が合同で動くことになったという。
現場に到着すると、すでに一人の男が待っていた。
「……来たか、バーボン」
低く通る声。
銃を手にした黒いコートの男――赤井秀一。
その背中を見た瞬間、星奈の中で何かが“強く”なった。
降谷は少し眉をしかめながらも、彼に歩み寄る。
「珍しいな。FBIが日本で動くなんて、よほどの案件か」
「俺たちの“共通の敵”が動いてる。放っておくわけにはいかないだろう」
会話の中に流れる、緊張感と信頼。
犬猿の仲と言われる二人の間に、星奈は割って入ることはせず、少し後ろから様子を見ていた。
――けれど、そのとき。
バンッ!
乾いた銃声が夜気を裂いた。
「ッ……っ!」
敵が先に動いた。
ビルの中から、複数の男たちが飛び出してくる。
武器を持ち、警戒もなく発砲してくる姿に、星奈の手が強ばる。
「星奈、下がれ!」
降谷がすかさず前に出るが、その背を守るように赤井がライフルを構えた。
一発。二発。
正確無比な狙撃で敵を牽制しながらも、ビルの裏口に一人の逃走者が走っていく。
「星奈!」
降谷の声と同時に、星奈はその男と目が合った。
何か――わかった。
あれはただの兵隊じゃない。
情報を持ってる。
逃してはいけない。
気づいたときには、星奈の足が自然に動いていた。
「星奈、待てッ!」
降谷が叫ぶ。
しかし、彼女は止まらなかった。
裏路地に走り込み、逃走者を見失いそうになったその瞬間――
背後から、拳銃の音。
「ッ!」
間一髪、弾は壁をかすめた。
振り向くと、逃走者が銃を構えていた。
――死ぬかもしれない。
そう思った。
でも、不思議と怖くなかった。
心の奥に、赤井の言葉がよみがえる。
「君の優しさは、きっと誰かの武器になる」
彼女は目を閉じ、覚悟を決めた。
しかし――。
パンッ!
再び、鋭い音。
撃ったのは赤井だった。
いつの間にか背後にいた彼が、見事な狙撃で男の腕を撃ち抜いていた。
倒れた男に駆け寄り、赤井が銃を奪う。
そして、星奈に目線を送った。
「よく動いたな。怖くなかったか?」
「……少しだけ。でも、守りたいと思ったんです」
「……いい目をしてる」
その言葉に、星奈は初めて、自分が“この世界で生きていていい”と感じた。
◇
事件が片付いた後、降谷は少し不機嫌そうに言った。
「無茶はするな」
「……すみません」
でも、口調には叱責というより、心配と安堵が混ざっていた。
「お前はまだ16だ。戦場に出る必要はない。けど……」
降谷は彼女の頭に手を置き、かすかに微笑んだ。
「ありがとうな。助かったよ」
星奈の胸に、ふっと温かいものが灯った。
◇
その夜、帰り際。
赤井は帽子を深くかぶりながら、星奈に一言だけ言った。
「君は、きっと強くなる。――自分の意志で」
それは、ただの予感ではなかった。
彼女の中で、何かが確かに“芽吹いた”夜だった。
降谷零は、珍しく星奈を連れて外へ出た。
「今日は俺の仕事に、ちょっとだけ付き合ってくれ」
その言葉に、星奈は一瞬だけ困惑したが、彼の瞳が冗談ではないことを悟り、うなずいた。
向かった先は、都内のとある古びたビル。
“監視対象者”が潜伏しているという情報を受けて、FBIと公安が合同で動くことになったという。
現場に到着すると、すでに一人の男が待っていた。
「……来たか、バーボン」
低く通る声。
銃を手にした黒いコートの男――赤井秀一。
その背中を見た瞬間、星奈の中で何かが“強く”なった。
降谷は少し眉をしかめながらも、彼に歩み寄る。
「珍しいな。FBIが日本で動くなんて、よほどの案件か」
「俺たちの“共通の敵”が動いてる。放っておくわけにはいかないだろう」
会話の中に流れる、緊張感と信頼。
犬猿の仲と言われる二人の間に、星奈は割って入ることはせず、少し後ろから様子を見ていた。
――けれど、そのとき。
バンッ!
乾いた銃声が夜気を裂いた。
「ッ……っ!」
敵が先に動いた。
ビルの中から、複数の男たちが飛び出してくる。
武器を持ち、警戒もなく発砲してくる姿に、星奈の手が強ばる。
「星奈、下がれ!」
降谷がすかさず前に出るが、その背を守るように赤井がライフルを構えた。
一発。二発。
正確無比な狙撃で敵を牽制しながらも、ビルの裏口に一人の逃走者が走っていく。
「星奈!」
降谷の声と同時に、星奈はその男と目が合った。
何か――わかった。
あれはただの兵隊じゃない。
情報を持ってる。
逃してはいけない。
気づいたときには、星奈の足が自然に動いていた。
「星奈、待てッ!」
降谷が叫ぶ。
しかし、彼女は止まらなかった。
裏路地に走り込み、逃走者を見失いそうになったその瞬間――
背後から、拳銃の音。
「ッ!」
間一髪、弾は壁をかすめた。
振り向くと、逃走者が銃を構えていた。
――死ぬかもしれない。
そう思った。
でも、不思議と怖くなかった。
心の奥に、赤井の言葉がよみがえる。
「君の優しさは、きっと誰かの武器になる」
彼女は目を閉じ、覚悟を決めた。
しかし――。
パンッ!
再び、鋭い音。
撃ったのは赤井だった。
いつの間にか背後にいた彼が、見事な狙撃で男の腕を撃ち抜いていた。
倒れた男に駆け寄り、赤井が銃を奪う。
そして、星奈に目線を送った。
「よく動いたな。怖くなかったか?」
「……少しだけ。でも、守りたいと思ったんです」
「……いい目をしてる」
その言葉に、星奈は初めて、自分が“この世界で生きていていい”と感じた。
◇
事件が片付いた後、降谷は少し不機嫌そうに言った。
「無茶はするな」
「……すみません」
でも、口調には叱責というより、心配と安堵が混ざっていた。
「お前はまだ16だ。戦場に出る必要はない。けど……」
降谷は彼女の頭に手を置き、かすかに微笑んだ。
「ありがとうな。助かったよ」
星奈の胸に、ふっと温かいものが灯った。
◇
その夜、帰り際。
赤井は帽子を深くかぶりながら、星奈に一言だけ言った。
「君は、きっと強くなる。――自分の意志で」
それは、ただの予感ではなかった。
彼女の中で、何かが確かに“芽吹いた”夜だった。