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夜の帳が下りると、街の表情はがらりと変わる。
その日、目黒と道枝はサークルの歓迎飲み会に参加していた。
繁華街の居酒屋。にぎやかな笑い声と乾杯の音に包まれていたが、どこか二人とも浮かない顔をしていた。
「……なぁ、今日さ、星奈ちゃんが『夜は出るな』って言ってたやん?」
「気になってる。理由を聞けなかったのが心残りだ」
だが、先輩に誘われて断れず、参加してしまったのだ。
「ま、さっさと帰ればいいか」
「そうだな」
店を出たのは午後10時過ぎ。
まだ人通りのある道を抜け、二人は近道の裏路地へと入った。
その瞬間だった。
「――おい、お兄さんたち。ちょっと、いいか?」
不自然に立ち塞がる3人の男たち。
顔の一部を隠すようにマスクやフードを被り、明らかに“普通の人間”ではない雰囲気。
「……道を間違えたか?」
目黒が足を止め、後ろに道枝を庇うように立つ。
「金目のもん出せや。……ってか、あんたら、青龍と一緒に住んでる大学生やろ?」
「……っ!」
言葉が凍る。
星奈の“裏の名”を知っている――
それだけで状況が尋常ではないことがわかる。
「走れ!」
目黒が叫ぶが、すぐに後ろから棒のようなもので背中を殴られた。
「ぐっ……!!」
衝撃が脊椎を貫く。呼吸が止まった。
「目黒っ!」
道枝が振り返った瞬間、鉄パイプのようなものが腹に突き刺さるように振るわれる。
「ごぼっ……ぁ……!」
唾液と血を同時に吐き出し、道枝が膝をついた。
「おい、やりすぎんなよ。まだ星奈をおびき出す“エサ”にすんだろ?」
「ちょっと痛めつけるだけだって。なあ?」
嘲るような声。乾いた靴音。
目黒が、視界が霞む中で必死に声を絞り出す。
「お前ら……星奈の……敵か……」
「敵? 違ぇよ。“蛇神会”だ」
その名は、第1章の最後に道枝が耳にした言葉だった。
――“蛇神会”
裏社会の中で暴走族を取りまとめる最大勢力。その末端のチンピラたちが、今、目の前で彼らをいたぶっている。
「じゃあな、坊ちゃんたち。可愛い“総長様”に、地獄の入り口見せてやんな」
拳が振り上げられる。目黒の顔面に容赦なく突き刺さる。
「っ……く、そ……っ」
倒れた目黒の頬を、さらにもう一発が貫く。
鼻血が吹き出し、白いシャツに血飛沫が咲いた。
「やめろぉおおおおおおおお!!!」
道枝が叫ぶ。だが、その声すら殴打でかき消された。
「ぐっ、ぅ、がっ、あああっ!」
地面に倒れ、何度も拳で殴られる。
吐瀉物と血で口の中がぐちゃぐちゃになる。
意識が遠のく中、道枝は見た。
夜の闇の奥から、ゆっくりと歩いてくる影。
黒いジャケット、鋭い眼光。街灯の明かりに照らされ、髪が風に舞う。
「……手ぇ出す相手、間違えたな」
声が、低く、響く。
青龍 星奈が、そこにいた。
「なんだよ……女子か? はは、何しに――」
ドンッ!!
乾いた音とともに、一人の男が宙を舞った。
「……あ?」
次の瞬間、星奈の足が一閃。
別の男の膝が反対方向に曲がり、悲鳴が響いた。
「う、ああああああああっ!? 脚が……脚がぁあ!!」
「クソッ、こいつ……マジで……!」
拳を振るう三人目に、星奈は間合いを詰め、肘を喉元に叩き込む。
「げはっ……っぐ……!」
倒れた三人を前に、星奈は冷たく言い放つ。
「……私の“仲間”に、手ぇ出した代償、払ってもらう」
道枝はその姿を、震える視界で見ていた。
まるで、“人間”じゃなかった。
その背に、確かに蒼い龍が見えた気がした。
――青龍。
その名は、恐怖ではなく、“救い”の意味を持って、彼の心に刻まれた。
その日、目黒と道枝はサークルの歓迎飲み会に参加していた。
繁華街の居酒屋。にぎやかな笑い声と乾杯の音に包まれていたが、どこか二人とも浮かない顔をしていた。
「……なぁ、今日さ、星奈ちゃんが『夜は出るな』って言ってたやん?」
「気になってる。理由を聞けなかったのが心残りだ」
だが、先輩に誘われて断れず、参加してしまったのだ。
「ま、さっさと帰ればいいか」
「そうだな」
店を出たのは午後10時過ぎ。
まだ人通りのある道を抜け、二人は近道の裏路地へと入った。
その瞬間だった。
「――おい、お兄さんたち。ちょっと、いいか?」
不自然に立ち塞がる3人の男たち。
顔の一部を隠すようにマスクやフードを被り、明らかに“普通の人間”ではない雰囲気。
「……道を間違えたか?」
目黒が足を止め、後ろに道枝を庇うように立つ。
「金目のもん出せや。……ってか、あんたら、青龍と一緒に住んでる大学生やろ?」
「……っ!」
言葉が凍る。
星奈の“裏の名”を知っている――
それだけで状況が尋常ではないことがわかる。
「走れ!」
目黒が叫ぶが、すぐに後ろから棒のようなもので背中を殴られた。
「ぐっ……!!」
衝撃が脊椎を貫く。呼吸が止まった。
「目黒っ!」
道枝が振り返った瞬間、鉄パイプのようなものが腹に突き刺さるように振るわれる。
「ごぼっ……ぁ……!」
唾液と血を同時に吐き出し、道枝が膝をついた。
「おい、やりすぎんなよ。まだ星奈をおびき出す“エサ”にすんだろ?」
「ちょっと痛めつけるだけだって。なあ?」
嘲るような声。乾いた靴音。
目黒が、視界が霞む中で必死に声を絞り出す。
「お前ら……星奈の……敵か……」
「敵? 違ぇよ。“蛇神会”だ」
その名は、第1章の最後に道枝が耳にした言葉だった。
――“蛇神会”
裏社会の中で暴走族を取りまとめる最大勢力。その末端のチンピラたちが、今、目の前で彼らをいたぶっている。
「じゃあな、坊ちゃんたち。可愛い“総長様”に、地獄の入り口見せてやんな」
拳が振り上げられる。目黒の顔面に容赦なく突き刺さる。
「っ……く、そ……っ」
倒れた目黒の頬を、さらにもう一発が貫く。
鼻血が吹き出し、白いシャツに血飛沫が咲いた。
「やめろぉおおおおおおおお!!!」
道枝が叫ぶ。だが、その声すら殴打でかき消された。
「ぐっ、ぅ、がっ、あああっ!」
地面に倒れ、何度も拳で殴られる。
吐瀉物と血で口の中がぐちゃぐちゃになる。
意識が遠のく中、道枝は見た。
夜の闇の奥から、ゆっくりと歩いてくる影。
黒いジャケット、鋭い眼光。街灯の明かりに照らされ、髪が風に舞う。
「……手ぇ出す相手、間違えたな」
声が、低く、響く。
青龍 星奈が、そこにいた。
「なんだよ……女子か? はは、何しに――」
ドンッ!!
乾いた音とともに、一人の男が宙を舞った。
「……あ?」
次の瞬間、星奈の足が一閃。
別の男の膝が反対方向に曲がり、悲鳴が響いた。
「う、ああああああああっ!? 脚が……脚がぁあ!!」
「クソッ、こいつ……マジで……!」
拳を振るう三人目に、星奈は間合いを詰め、肘を喉元に叩き込む。
「げはっ……っぐ……!」
倒れた三人を前に、星奈は冷たく言い放つ。
「……私の“仲間”に、手ぇ出した代償、払ってもらう」
道枝はその姿を、震える視界で見ていた。
まるで、“人間”じゃなかった。
その背に、確かに蒼い龍が見えた気がした。
――青龍。
その名は、恐怖ではなく、“救い”の意味を持って、彼の心に刻まれた。