番外編
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金曜の深夜0時過ぎ。
スマホに着信が鳴った。
画面に浮かぶのは、「康二」という名前。
(珍しい時間に……)
藍が出ると、少しだけ笑ったような声が返ってきた。
「ごめん、起こした? ……いま、家の近くおるんやけど、行ってええ?」
向井は、玄関を開けた瞬間、普段の明るい笑顔とは違う“無表情”をしていた。
その無表情が、かえって彼の疲れを物語っていた。
「目黒、おらんのやろ? ……それ、ちょっとありがたいわ」
「はい。ロケで今夜は戻らない予定です。中へどうぞ」
部屋の中に入ると、彼はゆっくりとソファに沈んだ。
カップに白湯を注ぎながら、藍は尋ねない。ただ、そばに座った。
向井が最初に発した言葉は――
「……笑うの、しんどいときって、あるんやなって」
「なんか最近、“俺が笑わせなきゃ”っていう使命感みたいなんが、ずっとある気がして」
「それは、向井さんが“場の空気を読む力”があるからですね」
「うん……でも、それがちょっとしんどいんよな。
誰かの“緊張”とか“焦り”とかを、無意識に拾って、無理やり明るくしてまう」
言葉を選びながらも、向井の声は少しずつほぐれていく。
「しんどいって言ったら、キャラちゃうやん、って思う自分もおって。
だから、誰にも“しんどい”って言われへんくなってた」
「“甘えたい”って思ったら、自分が一番自分を許してなかったんやなって……」
向井は、藍の出したあたたかい甘酒を見つめた。
「甘いもんって、ええな……心に沁みる。
あかん、ちょっと泣きそうになってきた」
「泣いても大丈夫ですよ。誰も、笑いません」
向井は、肩を震わせたまま目を伏せていた。
「“康二、ほんまは明るくないやろ”って、誰かに言ってもらいたかったのかもしれん」
「言いますよ。“康二さん、無理して笑わなくていいですよ”」
沈黙の中、ようやく彼の目から、ぽつんと涙が落ちた。
「笑うって、すごいんですよ」
藍は、小さな声で言った。
「悲しみの上にしか、笑いって乗らないから。
笑ってる人ほど、たくさんの寂しさを、知ってる」
「……それ、めっちゃ救われるわ」
「向井さんの笑いは、誰かの“安心”になってるけど。
たまには、“自分の安心”を最優先にしていいんです」
「……甘やかしてくれて、ありがとう」
笑いながら言ったその表情は、“キャラ”ではない、素の康二だった。
翌朝
目黒が帰ってきた朝、藍は朝食を作りながら呟いた。
「昨日、向井さんが来ました」
「……康二が?」
「“笑うのがしんどい”って、ぽつりと言ってましたよ」
目黒は、一瞬だけ表情を曇らせたあと、静かに言った。
「……あいつ、自分より周りの笑顔ばっかり守ろうとするからな」
「でも、ちゃんと“守られたい”とも思ってますよ。ほんの少しだけ」
「……なら、俺らが気づいてあげる番だな」
数日後のグループLINE
【向井】「この前、藍さんとこ行ってきました。泣いた(笑)」
【佐久間】「泣いた!?!?」
【阿部】「なんで俺らより先に泣いてるの!?」
【深澤】「アイドルの涙、藍さん家で流れすぎ問題」
【宮舘】「でも、涙もまた、美しい」
【岩本】「康二が泣けたってことが、良かった」
【目黒】「あいつ、やっとちょっとだけ“頼る”ってこと、覚えたな」
【渡辺】「藍さん、もはや第10のメンバーじゃない?」
ラウールから最後に、ぽつりと一言。
【ラウール】「“笑顔”って、守られてはじめて、ほんものになるんだね」
スマホに着信が鳴った。
画面に浮かぶのは、「康二」という名前。
(珍しい時間に……)
藍が出ると、少しだけ笑ったような声が返ってきた。
「ごめん、起こした? ……いま、家の近くおるんやけど、行ってええ?」
向井は、玄関を開けた瞬間、普段の明るい笑顔とは違う“無表情”をしていた。
その無表情が、かえって彼の疲れを物語っていた。
「目黒、おらんのやろ? ……それ、ちょっとありがたいわ」
「はい。ロケで今夜は戻らない予定です。中へどうぞ」
部屋の中に入ると、彼はゆっくりとソファに沈んだ。
カップに白湯を注ぎながら、藍は尋ねない。ただ、そばに座った。
向井が最初に発した言葉は――
「……笑うの、しんどいときって、あるんやなって」
「なんか最近、“俺が笑わせなきゃ”っていう使命感みたいなんが、ずっとある気がして」
「それは、向井さんが“場の空気を読む力”があるからですね」
「うん……でも、それがちょっとしんどいんよな。
誰かの“緊張”とか“焦り”とかを、無意識に拾って、無理やり明るくしてまう」
言葉を選びながらも、向井の声は少しずつほぐれていく。
「しんどいって言ったら、キャラちゃうやん、って思う自分もおって。
だから、誰にも“しんどい”って言われへんくなってた」
「“甘えたい”って思ったら、自分が一番自分を許してなかったんやなって……」
向井は、藍の出したあたたかい甘酒を見つめた。
「甘いもんって、ええな……心に沁みる。
あかん、ちょっと泣きそうになってきた」
「泣いても大丈夫ですよ。誰も、笑いません」
向井は、肩を震わせたまま目を伏せていた。
「“康二、ほんまは明るくないやろ”って、誰かに言ってもらいたかったのかもしれん」
「言いますよ。“康二さん、無理して笑わなくていいですよ”」
沈黙の中、ようやく彼の目から、ぽつんと涙が落ちた。
「笑うって、すごいんですよ」
藍は、小さな声で言った。
「悲しみの上にしか、笑いって乗らないから。
笑ってる人ほど、たくさんの寂しさを、知ってる」
「……それ、めっちゃ救われるわ」
「向井さんの笑いは、誰かの“安心”になってるけど。
たまには、“自分の安心”を最優先にしていいんです」
「……甘やかしてくれて、ありがとう」
笑いながら言ったその表情は、“キャラ”ではない、素の康二だった。
翌朝
目黒が帰ってきた朝、藍は朝食を作りながら呟いた。
「昨日、向井さんが来ました」
「……康二が?」
「“笑うのがしんどい”って、ぽつりと言ってましたよ」
目黒は、一瞬だけ表情を曇らせたあと、静かに言った。
「……あいつ、自分より周りの笑顔ばっかり守ろうとするからな」
「でも、ちゃんと“守られたい”とも思ってますよ。ほんの少しだけ」
「……なら、俺らが気づいてあげる番だな」
数日後のグループLINE
【向井】「この前、藍さんとこ行ってきました。泣いた(笑)」
【佐久間】「泣いた!?!?」
【阿部】「なんで俺らより先に泣いてるの!?」
【深澤】「アイドルの涙、藍さん家で流れすぎ問題」
【宮舘】「でも、涙もまた、美しい」
【岩本】「康二が泣けたってことが、良かった」
【目黒】「あいつ、やっとちょっとだけ“頼る”ってこと、覚えたな」
【渡辺】「藍さん、もはや第10のメンバーじゃない?」
ラウールから最後に、ぽつりと一言。
【ラウール】「“笑顔”って、守られてはじめて、ほんものになるんだね」