番外編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
金曜の夜、22時。
藍がキッチンでスープを冷ましながら音楽を流していると、LINEが1件だけ届いた。
「今日って、まだ起きてますか?」
送り主は、ラウール。
藍は数秒だけ間をおいて、ひと言だけ返した。
「いますよ。来ますか?」
5分後、玄関チャイムが鳴いた。
小さな足音、大きなため息
「こんばんは」
ラウールは黒いキャップを目深にかぶり、パーカーのフードを被っていた。
いつもの“圧倒的存在感”が、少しだけ小さく見える。
「急にすみません。……なんか、家帰りたくなくて」
「どうぞ。ゆっくりしていってください」
「……ありがとうございます」
藍は、温めなおしたスープをテーブルに置いた。
かぼちゃと豆乳の、甘くて優しい味のポタージュ。
少し飲んでから、ラウールがぽつりと話し始めた。
「なんか……最近ずっと、“ちゃんとしなきゃ”って思ってるんですよ」
「……うん」
「俺、最年少で。でも背は一番大きくて、求められることも大きくなって。
昔は、“背伸びするのが楽しかった”けど、今はちょっとだけしんどい」
藍は、静かにうなずいた。
「“なりたい自分”と、“見せなきゃいけない自分”がずれると、息が詰まりますよね」
ラウールは苦笑いした。
「そう、それです。それ……まさに今の俺」
「たぶん……自分でもわかってるんですよ。
“ラウールならできる”って思われるのは、嬉しいことだって。
でも、たまに“子ども”にも戻りたくなる」
「甘えてもいいと思いますよ。ちゃんと“戻る場所”があるなら」
「……俺、そういうとこ、ないんです。
家ではもう“大人として見られてる”し、仕事では責任もあって……」
「じゃあ、ここを“戻る場所”にしてください」
ラウールは、目を瞬かせた。
「え……いいんですか?」
「はい。
何も背負わなくていい場所、ひとつくらいあっていいんです。
“ラウール”じゃなく、“らうくん”として帰ってきてもいいですよ」
ラウールは、少しだけ目を伏せた。
「……“らうくん”って呼ばれたの、久しぶりです」
話し終えたあと、藍は冷凍庫からバニラアイスを取り出した。
「食べますか? ちょっとだけ疲れてる子には、甘いのが一番なので」
「……食べる。めっちゃ食べる。
子どもってことで、スプーンちっちゃいやつください」
藍は笑いながら、小さなティースプーンを渡した。
「“背伸びしない時間”は、心の背骨をまっすぐにしてくれますよ」
帰り際、ラウールはフードを脱ぎながら言った。
「俺、ちゃんとした大人になりたい気持ちもあるけど、
今日だけは、ちょっと子どもでいさせてもらってよかったです」
「いつでも、どうぞ。
“ちゃんとしてなくても愛される”って、実はすごく大切なことなんです」
「……それ、目黒にも言ってます?」
「はい。でも、彼はちゃんと“聞いてるようで聞いてない”ですね」
ラウールは吹き出した。
「だろうな〜〜! じゃあ俺は、ちゃんと聞いときます。……また来ます」
その笑顔は、“ラウール”ではなく、“らう”のまま、夜の街に戻っていった。
翌日、グループLINE
【ラウール】「藍さんとこでアイス食べました。最強でした」
【佐久間】「は!? アイス!? ズル!!」
【深澤】「めめ、家の冷凍庫何入ってんの!?」
【目黒】「……俺もアイス食べたことない」
【阿部】「アイス差し入れに持って行こう」
【岩本】「メンバー全員、甘えに行ってない?」
【宮舘】「甘える場所があるのは、美しいことだよ」
目黒はスマホを見ながら苦笑して呟いた。
「……俺んちって、もはや癒やしセンターだな」
藍はその横で、白湯をゆっくり注いでいた。
藍がキッチンでスープを冷ましながら音楽を流していると、LINEが1件だけ届いた。
「今日って、まだ起きてますか?」
送り主は、ラウール。
藍は数秒だけ間をおいて、ひと言だけ返した。
「いますよ。来ますか?」
5分後、玄関チャイムが鳴いた。
小さな足音、大きなため息
「こんばんは」
ラウールは黒いキャップを目深にかぶり、パーカーのフードを被っていた。
いつもの“圧倒的存在感”が、少しだけ小さく見える。
「急にすみません。……なんか、家帰りたくなくて」
「どうぞ。ゆっくりしていってください」
「……ありがとうございます」
藍は、温めなおしたスープをテーブルに置いた。
かぼちゃと豆乳の、甘くて優しい味のポタージュ。
少し飲んでから、ラウールがぽつりと話し始めた。
「なんか……最近ずっと、“ちゃんとしなきゃ”って思ってるんですよ」
「……うん」
「俺、最年少で。でも背は一番大きくて、求められることも大きくなって。
昔は、“背伸びするのが楽しかった”けど、今はちょっとだけしんどい」
藍は、静かにうなずいた。
「“なりたい自分”と、“見せなきゃいけない自分”がずれると、息が詰まりますよね」
ラウールは苦笑いした。
「そう、それです。それ……まさに今の俺」
「たぶん……自分でもわかってるんですよ。
“ラウールならできる”って思われるのは、嬉しいことだって。
でも、たまに“子ども”にも戻りたくなる」
「甘えてもいいと思いますよ。ちゃんと“戻る場所”があるなら」
「……俺、そういうとこ、ないんです。
家ではもう“大人として見られてる”し、仕事では責任もあって……」
「じゃあ、ここを“戻る場所”にしてください」
ラウールは、目を瞬かせた。
「え……いいんですか?」
「はい。
何も背負わなくていい場所、ひとつくらいあっていいんです。
“ラウール”じゃなく、“らうくん”として帰ってきてもいいですよ」
ラウールは、少しだけ目を伏せた。
「……“らうくん”って呼ばれたの、久しぶりです」
話し終えたあと、藍は冷凍庫からバニラアイスを取り出した。
「食べますか? ちょっとだけ疲れてる子には、甘いのが一番なので」
「……食べる。めっちゃ食べる。
子どもってことで、スプーンちっちゃいやつください」
藍は笑いながら、小さなティースプーンを渡した。
「“背伸びしない時間”は、心の背骨をまっすぐにしてくれますよ」
帰り際、ラウールはフードを脱ぎながら言った。
「俺、ちゃんとした大人になりたい気持ちもあるけど、
今日だけは、ちょっと子どもでいさせてもらってよかったです」
「いつでも、どうぞ。
“ちゃんとしてなくても愛される”って、実はすごく大切なことなんです」
「……それ、目黒にも言ってます?」
「はい。でも、彼はちゃんと“聞いてるようで聞いてない”ですね」
ラウールは吹き出した。
「だろうな〜〜! じゃあ俺は、ちゃんと聞いときます。……また来ます」
その笑顔は、“ラウール”ではなく、“らう”のまま、夜の街に戻っていった。
翌日、グループLINE
【ラウール】「藍さんとこでアイス食べました。最強でした」
【佐久間】「は!? アイス!? ズル!!」
【深澤】「めめ、家の冷凍庫何入ってんの!?」
【目黒】「……俺もアイス食べたことない」
【阿部】「アイス差し入れに持って行こう」
【岩本】「メンバー全員、甘えに行ってない?」
【宮舘】「甘える場所があるのは、美しいことだよ」
目黒はスマホを見ながら苦笑して呟いた。
「……俺んちって、もはや癒やしセンターだな」
藍はその横で、白湯をゆっくり注いでいた。