黒き星に堕ちた恋
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退院してからしばらく、星奈は静かな日常に身を委ねていた。けれど心のどこかで、ずっと引っかかっているものがあった。
――蓮の本当の姿をまだちゃんと見ていない。
彼がSnow Manの一員としてステージに立つ姿。ファンに笑顔を向け、歌い、踊る姿。
目黒蓮が心の底から輝く瞬間を、自分の目で確かめたい。
「……やっぱり、行くしかないな」
星奈は小さく呟き、マスクとキャップを準備した。
当日、会場はすでに熱気に包まれていた。星奈は観客に紛れて、スタンドの隅のほうに腰を下ろす。周囲から聞こえる歓声と、グッズを持ったファンの姿に圧倒されつつも、胸は高鳴って仕方なかった。
場内が暗転し、スポットライトが走る。
その瞬間、目黒蓮が現れた。
「……っ」
思わず息を呑む。画面越しでは何度か見たことがあった。でも、生の彼はまるで別人のように輝いていた。
低く響く歌声。しなやかで力強いダンス。ファンに向ける微笑み。
その一つひとつが、星奈の胸を締め付けた。
途中、目黒がステージの端に歩み寄り、客席を見渡した。
――ほんの一瞬、視線がこちらを捉えたように感じた。
もちろん、何万人もの観客がいる中で、偶然だろう。けれど星奈はその一瞬で、全身が震えるのを止められなかった。
「……やっぱり、すごいな」
暴走族の総長として、敵を前にしても怯まなかった自分が。
今はただ、一人の女性として彼の輝きに圧倒されている。
ライブが終わり、観客が帰り始めた頃。星奈は人混みを避けるように出口へ向かった。
その背後から、不意に低い声が響いた。
「……やっぱり来てたんだな」
振り返ると、汗を拭いたばかりの目黒が立っていた。スタッフとファンの目を気にしながらも、真っ直ぐに星奈を見つめている。
「なんで……わかったの?」
「ステージから見えたよ。どんなに隠れても、星奈のことはわかる」
その言葉に胸が熱くなる。
「ごめん、勝手に来ちゃって。でも……どうしても、蓮が輝いてる姿を、この目で見たかった」
目黒は一歩近づき、周囲に気づかれないように小さく微笑んだ。
「じゃあ、俺の全部をちゃんと見てくれたんだな」
「……うん」
二人の間に言葉はいらなかった。
ライブ会場の喧騒がまだ残る夜の空気の中で、星奈は初めて「目黒蓮という光」を心から受け止めることができた。
目黒が彼女をこっそり外まで見送ったあと、楽屋へ戻るとSnow Manのメンバーが揃っていた。
全員汗だくで、まだライブの余韻に包まれている。
「おかえり、めめ」
ラウールがタオルで頭を拭きながらニヤリと笑った。
「さっきさ……スタンド席に“見覚えのある人影”見えたんだけど?」
目黒は一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに視線を逸らした。
「……気のせいだろ」
「いやいやいや!」
渡辺翔太が食い気味に突っ込む。
「俺も見たから! あの雰囲気、絶対星奈さんでしょ?」
深澤がわざとらしく腕を組む。
「なるほどなぁ~。ライブを“こっそり観に来る”なんて、なかなかやるじゃん。めめの彼女さん」
向井康二までニヤリと加勢する。
「しかもさ、めめ、本番中に明らかに視線が一点に釘付けになってたやん? あれはバレバレやで」
目黒は耳まで赤くなり、必死に誤魔化そうとする。
「……ち、違う。たまたま……視線が合っただけ」
「たまたま何万人の中から星奈さん見つけられるとか、どんなサーチ能力やねん!」
康二のツッコミに、楽屋が爆笑に包まれた。
佐久間大介も手を叩いて笑いながら、わざと真顔を作る。
「でもさ、めめ。そういうの、すっごくいいよ。ステージに立つ男を、客席から支えてくれる人がいるって、なんか羨ましいな」
宮舘が頷き、静かに付け加える。
「蓮、安心しろ。俺たちはもう反対しない。……あんなに大事そうにするなら、誰も口を出せないよ」
その言葉に、目黒は少し驚いた顔をして、それから小さく笑った。
「ありがとう。……ほんとに、ありがとう」
その夜。
星奈はまだドキドキが収まらないまま、帰宅してソファに沈み込んでいた。するとスマホが震え、目黒からメッセージが届く。
「ステージ見に来てくれてありがとう。
おかげで、いつも以上に頑張れた」
さらに続いてもう一通。
「メンバーにはバレてたけど……みんな笑ってた。
もう隠さなくてもいいのかもしれないな」
星奈は画面を見つめ、自然と笑みがこぼれる。
――あの世界で生きていた自分が、今はこんなにも温かい輪の中にいる。
「……本当に、奇跡みたいだね」
小さく呟き、スマホを胸に抱きしめた。
数日後、Snow Manのメンバーから目黒に連絡が入った。
「今度みんなで集まるから、星奈さんも一緒に来なよ」
そう提案したのは阿部亮平だった。知的な彼の声にはどこか安心感があり、星奈も「なら……」と頷いた。
当日、落ち着いた雰囲気の個室付きレストランに到着すると、すでにメンバーが集まっていた。部屋に入った瞬間、視線が一斉に星奈へと向かう。
「……こんばんは」
星奈が少し緊張気味に挨拶をすると、深澤が真っ先に手を挙げた。
「おー! やっと会えたな。なんか初対面って気がしねぇけど!」
その言葉に場の空気が和み、他のメンバーも笑顔で迎え入れた。
乾杯を終えると、すぐに会話が弾み始めた。
「星奈さん、意外と料理好きなんすか?」
佐久間が目を輝かせる。
「好きっていうより……あの人(蓮)がインスタントばっかりだから、作らねぇとって感じかな」
冗談めかして言うと、テーブルの向こうで目黒が小さくむくれている。
「おい、それメンバーの前で言うなよ……」
「事実だろ?」
星奈のさらりとした返しに、メンバー全員がどっと笑った。
「めめがここまでタジタジになるの、初めて見たかも」
渡辺が肩を揺らして笑い、ラウールも「なんかいいなぁ」と目を細める。
食事がひと段落した頃、宮舘がグラスを置き、真剣な表情で星奈を見た。
「……前は、君に“会わないでほしい”なんて言った。けど、今は違う。蓮の隣にいる君を見て、俺たちも安心した」
静かな言葉に、星奈は胸が熱くなった。
「……ありがとう。あたし、危ない世界に生きてたから、みんなの気持ちもわかるんだ。だからこそ、蓮と普通の日々を生きられることを大事にしたい」
その真剣な答えに、阿部が優しく微笑む。
「なら、俺たちも応援するよ。だって蓮があんなに笑ってるんだから」
目黒は照れくさそうに頭をかきながらも、星奈の手をそっと握った。その温かさに、星奈はようやく肩の力を抜くことができた。
会が終わり、店を出ると夜風が心地よく頬を撫でた。
歩きながら、深澤が振り返って声をかける。
「これからは“Snow Manの仲間”として、よろしくな!」
「仲間……?」
星奈は思わず聞き返す。
「うん。もう“蓮の彼女”ってだけじゃなくてさ、俺らにとっても大事な人ってこと」
そう笑う深澤に、他のメンバーも大きく頷いた。
その言葉に、星奈の胸がじんわりと熱くなる。暴走族の総長として背負ってきた孤独も、恐れられてきた過去も、この温かい輪の中では意味を持たなかった。
――自分は、ようやく「居場所」を見つけたのだ。
――蓮の本当の姿をまだちゃんと見ていない。
彼がSnow Manの一員としてステージに立つ姿。ファンに笑顔を向け、歌い、踊る姿。
目黒蓮が心の底から輝く瞬間を、自分の目で確かめたい。
「……やっぱり、行くしかないな」
星奈は小さく呟き、マスクとキャップを準備した。
当日、会場はすでに熱気に包まれていた。星奈は観客に紛れて、スタンドの隅のほうに腰を下ろす。周囲から聞こえる歓声と、グッズを持ったファンの姿に圧倒されつつも、胸は高鳴って仕方なかった。
場内が暗転し、スポットライトが走る。
その瞬間、目黒蓮が現れた。
「……っ」
思わず息を呑む。画面越しでは何度か見たことがあった。でも、生の彼はまるで別人のように輝いていた。
低く響く歌声。しなやかで力強いダンス。ファンに向ける微笑み。
その一つひとつが、星奈の胸を締め付けた。
途中、目黒がステージの端に歩み寄り、客席を見渡した。
――ほんの一瞬、視線がこちらを捉えたように感じた。
もちろん、何万人もの観客がいる中で、偶然だろう。けれど星奈はその一瞬で、全身が震えるのを止められなかった。
「……やっぱり、すごいな」
暴走族の総長として、敵を前にしても怯まなかった自分が。
今はただ、一人の女性として彼の輝きに圧倒されている。
ライブが終わり、観客が帰り始めた頃。星奈は人混みを避けるように出口へ向かった。
その背後から、不意に低い声が響いた。
「……やっぱり来てたんだな」
振り返ると、汗を拭いたばかりの目黒が立っていた。スタッフとファンの目を気にしながらも、真っ直ぐに星奈を見つめている。
「なんで……わかったの?」
「ステージから見えたよ。どんなに隠れても、星奈のことはわかる」
その言葉に胸が熱くなる。
「ごめん、勝手に来ちゃって。でも……どうしても、蓮が輝いてる姿を、この目で見たかった」
目黒は一歩近づき、周囲に気づかれないように小さく微笑んだ。
「じゃあ、俺の全部をちゃんと見てくれたんだな」
「……うん」
二人の間に言葉はいらなかった。
ライブ会場の喧騒がまだ残る夜の空気の中で、星奈は初めて「目黒蓮という光」を心から受け止めることができた。
目黒が彼女をこっそり外まで見送ったあと、楽屋へ戻るとSnow Manのメンバーが揃っていた。
全員汗だくで、まだライブの余韻に包まれている。
「おかえり、めめ」
ラウールがタオルで頭を拭きながらニヤリと笑った。
「さっきさ……スタンド席に“見覚えのある人影”見えたんだけど?」
目黒は一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに視線を逸らした。
「……気のせいだろ」
「いやいやいや!」
渡辺翔太が食い気味に突っ込む。
「俺も見たから! あの雰囲気、絶対星奈さんでしょ?」
深澤がわざとらしく腕を組む。
「なるほどなぁ~。ライブを“こっそり観に来る”なんて、なかなかやるじゃん。めめの彼女さん」
向井康二までニヤリと加勢する。
「しかもさ、めめ、本番中に明らかに視線が一点に釘付けになってたやん? あれはバレバレやで」
目黒は耳まで赤くなり、必死に誤魔化そうとする。
「……ち、違う。たまたま……視線が合っただけ」
「たまたま何万人の中から星奈さん見つけられるとか、どんなサーチ能力やねん!」
康二のツッコミに、楽屋が爆笑に包まれた。
佐久間大介も手を叩いて笑いながら、わざと真顔を作る。
「でもさ、めめ。そういうの、すっごくいいよ。ステージに立つ男を、客席から支えてくれる人がいるって、なんか羨ましいな」
宮舘が頷き、静かに付け加える。
「蓮、安心しろ。俺たちはもう反対しない。……あんなに大事そうにするなら、誰も口を出せないよ」
その言葉に、目黒は少し驚いた顔をして、それから小さく笑った。
「ありがとう。……ほんとに、ありがとう」
その夜。
星奈はまだドキドキが収まらないまま、帰宅してソファに沈み込んでいた。するとスマホが震え、目黒からメッセージが届く。
「ステージ見に来てくれてありがとう。
おかげで、いつも以上に頑張れた」
さらに続いてもう一通。
「メンバーにはバレてたけど……みんな笑ってた。
もう隠さなくてもいいのかもしれないな」
星奈は画面を見つめ、自然と笑みがこぼれる。
――あの世界で生きていた自分が、今はこんなにも温かい輪の中にいる。
「……本当に、奇跡みたいだね」
小さく呟き、スマホを胸に抱きしめた。
数日後、Snow Manのメンバーから目黒に連絡が入った。
「今度みんなで集まるから、星奈さんも一緒に来なよ」
そう提案したのは阿部亮平だった。知的な彼の声にはどこか安心感があり、星奈も「なら……」と頷いた。
当日、落ち着いた雰囲気の個室付きレストランに到着すると、すでにメンバーが集まっていた。部屋に入った瞬間、視線が一斉に星奈へと向かう。
「……こんばんは」
星奈が少し緊張気味に挨拶をすると、深澤が真っ先に手を挙げた。
「おー! やっと会えたな。なんか初対面って気がしねぇけど!」
その言葉に場の空気が和み、他のメンバーも笑顔で迎え入れた。
乾杯を終えると、すぐに会話が弾み始めた。
「星奈さん、意外と料理好きなんすか?」
佐久間が目を輝かせる。
「好きっていうより……あの人(蓮)がインスタントばっかりだから、作らねぇとって感じかな」
冗談めかして言うと、テーブルの向こうで目黒が小さくむくれている。
「おい、それメンバーの前で言うなよ……」
「事実だろ?」
星奈のさらりとした返しに、メンバー全員がどっと笑った。
「めめがここまでタジタジになるの、初めて見たかも」
渡辺が肩を揺らして笑い、ラウールも「なんかいいなぁ」と目を細める。
食事がひと段落した頃、宮舘がグラスを置き、真剣な表情で星奈を見た。
「……前は、君に“会わないでほしい”なんて言った。けど、今は違う。蓮の隣にいる君を見て、俺たちも安心した」
静かな言葉に、星奈は胸が熱くなった。
「……ありがとう。あたし、危ない世界に生きてたから、みんなの気持ちもわかるんだ。だからこそ、蓮と普通の日々を生きられることを大事にしたい」
その真剣な答えに、阿部が優しく微笑む。
「なら、俺たちも応援するよ。だって蓮があんなに笑ってるんだから」
目黒は照れくさそうに頭をかきながらも、星奈の手をそっと握った。その温かさに、星奈はようやく肩の力を抜くことができた。
会が終わり、店を出ると夜風が心地よく頬を撫でた。
歩きながら、深澤が振り返って声をかける。
「これからは“Snow Manの仲間”として、よろしくな!」
「仲間……?」
星奈は思わず聞き返す。
「うん。もう“蓮の彼女”ってだけじゃなくてさ、俺らにとっても大事な人ってこと」
そう笑う深澤に、他のメンバーも大きく頷いた。
その言葉に、星奈の胸がじんわりと熱くなる。暴走族の総長として背負ってきた孤独も、恐れられてきた過去も、この温かい輪の中では意味を持たなかった。
――自分は、ようやく「居場所」を見つけたのだ。