ステージが終わるその前に
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Reluが、いなくなった。
それはある日突然だった。
連絡はなかった。
活動休止の声明も、理由の説明も、何もなかった。
気がつけば、グループLINEから名前が消えていた。
DMも既読がつかないまま、沈黙の中に飲まれていった。
《くに視点》
最年長として、何度も自分に問うた。
「何か、気づけることはなかったのかな」
れるちが喉の調子を気にしていたのは、うっすら気づいていた。
スタジオで高音が伸びなかった日、肩を落として帰っていった背中。
でも、「大丈夫だろ」と、自分に言い聞かせた。
それが間違いだった。
彼は助けを求めることさえ諦めて、誰にも告げずに姿を消した。
「Relu、どこ行ったんだよ……」
毎日、事務所に通って、スタッフに連絡を取って、所属先にも掛け合った。
けれど、手がかりはゼロ。
冷たい現実だけが、机の上に残された。
でも、俺はずっと信じてた。
れるちは、戻ってくる。
本当に壊れてなんかいないって――そう思いたかった。
《こったろ視点》
言葉にできない想いが、胸の奥で燻ってた。
「Reluがいない」って事実は、現実としては理解できたけど、感情が追いつかなかった。
メンバーが一人、消えた。それだけのことなのか?
違う。
れるちの声があってこそ、「すたぽら」は成立してたんだ。
俺は、過去の映像を黙って何度も繰り返し見た。
れるちのハイトーンが響くシーン、振り返って笑う場面、何でもない控室でのやりとり。
全部、愛おしかった。
「俺がもっと早く気づけてたら」
自分を責めるたびに、目の前の画面が歪んだ。
けど、止まってられない。
俺はれるちと一緒に作ってきた日々を、消したくなかった。
だから、未完成のままだったドキュメンタリーを編集し直し始めた。
れるちの声を、形に残すために。
《ゆう視点》
歌詞を書けなくなった。
机に向かっても、ペンが動かない。
れるちの声をイメージしようとしても、何も出てこない。
あんなに鮮明だった彼の歌声が、遠ざかっていく。
「なんで、黙って行っちゃったの……」
問いかけは、心の中にこだまするばかりで、どこにも届かない。
ノートを抱えて、ただ部屋の隅で縮こまっていた。
スタジオに行っても、何も生まれない。
だから、音楽から少しだけ距離を置いた。
その代わり、大学に戻った。
音楽心理学を学びながら、音や言葉が人に与える影響を、違う角度から見つめようと思った。
れるちが遺したもの――それを正しく言葉にするために。
三人はそれぞれの方法で、Reluの不在と向き合っていた。
それは「悲しみ」ではなく、「欠落」に近い。
彼の声がなくなったステージは、どこか景色の解像度が落ちたようで、どれだけ照明を焚いても、光が足りなかった。
それでも、残った四人は進んでいた。
痛みを抱えながら。
Reluの声を、それぞれの胸の中に残したまま。
それはある日突然だった。
連絡はなかった。
活動休止の声明も、理由の説明も、何もなかった。
気がつけば、グループLINEから名前が消えていた。
DMも既読がつかないまま、沈黙の中に飲まれていった。
《くに視点》
最年長として、何度も自分に問うた。
「何か、気づけることはなかったのかな」
れるちが喉の調子を気にしていたのは、うっすら気づいていた。
スタジオで高音が伸びなかった日、肩を落として帰っていった背中。
でも、「大丈夫だろ」と、自分に言い聞かせた。
それが間違いだった。
彼は助けを求めることさえ諦めて、誰にも告げずに姿を消した。
「Relu、どこ行ったんだよ……」
毎日、事務所に通って、スタッフに連絡を取って、所属先にも掛け合った。
けれど、手がかりはゼロ。
冷たい現実だけが、机の上に残された。
でも、俺はずっと信じてた。
れるちは、戻ってくる。
本当に壊れてなんかいないって――そう思いたかった。
《こったろ視点》
言葉にできない想いが、胸の奥で燻ってた。
「Reluがいない」って事実は、現実としては理解できたけど、感情が追いつかなかった。
メンバーが一人、消えた。それだけのことなのか?
違う。
れるちの声があってこそ、「すたぽら」は成立してたんだ。
俺は、過去の映像を黙って何度も繰り返し見た。
れるちのハイトーンが響くシーン、振り返って笑う場面、何でもない控室でのやりとり。
全部、愛おしかった。
「俺がもっと早く気づけてたら」
自分を責めるたびに、目の前の画面が歪んだ。
けど、止まってられない。
俺はれるちと一緒に作ってきた日々を、消したくなかった。
だから、未完成のままだったドキュメンタリーを編集し直し始めた。
れるちの声を、形に残すために。
《ゆう視点》
歌詞を書けなくなった。
机に向かっても、ペンが動かない。
れるちの声をイメージしようとしても、何も出てこない。
あんなに鮮明だった彼の歌声が、遠ざかっていく。
「なんで、黙って行っちゃったの……」
問いかけは、心の中にこだまするばかりで、どこにも届かない。
ノートを抱えて、ただ部屋の隅で縮こまっていた。
スタジオに行っても、何も生まれない。
だから、音楽から少しだけ距離を置いた。
その代わり、大学に戻った。
音楽心理学を学びながら、音や言葉が人に与える影響を、違う角度から見つめようと思った。
れるちが遺したもの――それを正しく言葉にするために。
三人はそれぞれの方法で、Reluの不在と向き合っていた。
それは「悲しみ」ではなく、「欠落」に近い。
彼の声がなくなったステージは、どこか景色の解像度が落ちたようで、どれだけ照明を焚いても、光が足りなかった。
それでも、残った四人は進んでいた。
痛みを抱えながら。
Reluの声を、それぞれの胸の中に残したまま。
