ステージが終わるその前に
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その違和感は、ほんの些細なことから始まった。
歌声が、以前ほど伸びひん。
喉に引っかかるような感覚。
それでも、Reluは見て見ぬふりをした。
「少し疲れてるだけや」
「ちょっと声のコンディションが悪いだけや」
「次の収録までに戻ればええ」
そう自分に言い聞かせて、無理にでも歌った。
レコーディング中、思うように声が出ないことに焦って、マイクを前に拳を握りしめることもあった。
その日の夜、ホテルのバスルームで、シャワーの音に紛れて嗚咽した。
「なんでや……」と呟きながら。
ある夜、ついに高音が完全に出なくなった。
音程も、響きも、何もかもバラバラやった。
病院で告げられた診断は、「声帯結節」
医者の説明は淡々としてたけど、Reluの中ではそれが“死刑宣告”のように響いた。
「Reluさん、無理しないでね。ちょっと休めばいいよ。ずっとがんばってくれていたんだから。ね。」
Coe.はそう言ってくれた。
その声は優しくて、俺の痛みも焦りも、全部わかってくれているようやった。
けど――わかってても、どうしようもないこともある。
歌えなくなった自分は、「スターライトポラリス」の足を引っ張るだけや。
ファンの期待にも、メンバーの努力にも、応えられん。
このままでは、全部が崩れてしまう。
それだけは絶対に、あかんかった。
Reluはある夜、メンバーのグループLINEをそっと抜けた。
言い訳も、事情説明も、なかった。
心が張り裂けそうやった。
スマホを閉じた瞬間、喉が痛む以上に胸が痛くて、息ができへんかった。
実家に戻っても、そこに“居場所”はなかった。
母はもういなかった。数年前に亡くなっていて、父とは音信不通。
唯一の連絡先だった叔母も、冷たく言い放った。
「あんた、もうええ歳なんやから、自分のこと自分でしぃや」
せやな……そうや、Reluはもう「子供」やない。
誰も守ってくれへん。自分の音が出ぇへんのなら、何者でもなくなる。
アパートの天井を見上げながら、寝転んで、ずっと考えてた。
――なんのために歌ってたんやろう?
ファンの声援、仲間の笑顔、あの日の拍手。
どれも鮮やかで、胸を締めつける。
でも、声が出ない今、それを振り返るたびに、「もう戻られへん」と思うだけやった。
そんなある夜、こったろが作ったMVを見た。
自分のいない新曲に、メンバー四人の姿が映っていた。
そこに、Reluの居場所はなかった。いや、あるはずがないんや。
でも、不思議と、彼らを恨む気持ちは湧いてこんかった。
「ちゃんと、前に進んでくれてる」
そう思えたことに、少しだけ安心して――
そのまま、深い闇に沈んでいった。
歌声が、以前ほど伸びひん。
喉に引っかかるような感覚。
それでも、Reluは見て見ぬふりをした。
「少し疲れてるだけや」
「ちょっと声のコンディションが悪いだけや」
「次の収録までに戻ればええ」
そう自分に言い聞かせて、無理にでも歌った。
レコーディング中、思うように声が出ないことに焦って、マイクを前に拳を握りしめることもあった。
その日の夜、ホテルのバスルームで、シャワーの音に紛れて嗚咽した。
「なんでや……」と呟きながら。
ある夜、ついに高音が完全に出なくなった。
音程も、響きも、何もかもバラバラやった。
病院で告げられた診断は、「声帯結節」
医者の説明は淡々としてたけど、Reluの中ではそれが“死刑宣告”のように響いた。
「Reluさん、無理しないでね。ちょっと休めばいいよ。ずっとがんばってくれていたんだから。ね。」
Coe.はそう言ってくれた。
その声は優しくて、俺の痛みも焦りも、全部わかってくれているようやった。
けど――わかってても、どうしようもないこともある。
歌えなくなった自分は、「スターライトポラリス」の足を引っ張るだけや。
ファンの期待にも、メンバーの努力にも、応えられん。
このままでは、全部が崩れてしまう。
それだけは絶対に、あかんかった。
Reluはある夜、メンバーのグループLINEをそっと抜けた。
言い訳も、事情説明も、なかった。
心が張り裂けそうやった。
スマホを閉じた瞬間、喉が痛む以上に胸が痛くて、息ができへんかった。
実家に戻っても、そこに“居場所”はなかった。
母はもういなかった。数年前に亡くなっていて、父とは音信不通。
唯一の連絡先だった叔母も、冷たく言い放った。
「あんた、もうええ歳なんやから、自分のこと自分でしぃや」
せやな……そうや、Reluはもう「子供」やない。
誰も守ってくれへん。自分の音が出ぇへんのなら、何者でもなくなる。
アパートの天井を見上げながら、寝転んで、ずっと考えてた。
――なんのために歌ってたんやろう?
ファンの声援、仲間の笑顔、あの日の拍手。
どれも鮮やかで、胸を締めつける。
でも、声が出ない今、それを振り返るたびに、「もう戻られへん」と思うだけやった。
そんなある夜、こったろが作ったMVを見た。
自分のいない新曲に、メンバー四人の姿が映っていた。
そこに、Reluの居場所はなかった。いや、あるはずがないんや。
でも、不思議と、彼らを恨む気持ちは湧いてこんかった。
「ちゃんと、前に進んでくれてる」
そう思えたことに、少しだけ安心して――
そのまま、深い闇に沈んでいった。
