ステージが終わるその前に
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夜のスタジオは、いつもより静かだった。
天井のライトがぼんやりと灯って、室内は仄かに温かい。
Reluは何度も喉を鳴らして、マイクの前に立っていた。
右手には、録音する予定の新曲の仮歌詞。
左手には、Coe.から手渡された、たった一枚のコード譜。
隣に立つのは、久しぶりだった。
ほんまに――何年ぶりやろな。
息を吸って、吐く。
けど、言葉が出てこなかった。
マイクの向こうに立つCoe.は、昔と何も変わっていないようで、どこか遠くなっていた。
でも、目だけは変わってなかった。
真っ直ぐで、誤魔化しのない、あの目。
Reluは口を開いた。
「……ごめんな。ほんまに、逃げてしもて」
Coe.は少しだけ眉を寄せて、静かに言った。
「謝らなくていいよ。……あのときのReluさんの顔、忘れられないから」
その声に、胸の奥がぎゅっと締めつけられた。
Reluは言いたいことが山ほどあったのに、全部うまく言葉にならなかった。
「……歌いたいんや。もう一回、ちゃんと。ここで、みんなと」
Coe.の表情が、やっと少しだけ緩んだ。
「本当に、そう思うの?」
Reluは力強くうなずいた。
その瞬間、Coe.は少しだけ微笑んで、机の上のレコーダーのボタンを押した。
赤いランプが点灯する。
ふたりだけの、録音が始まった。
Reluはマイクを見つめたまま、少し喉を鳴らした。
かすかに震える声で、最初の音を乗せる。
「……今もまだ、君の声が……」
隣から、Coe.のハモリが入る。
それはまるで、バラバラになった星が、もう一度線を結んでいくような――
ふたりだけの星座が、夜空に浮かび上がるような時間だった。
Reluの声は完全じゃなかった。
でも、そこに込めたものは、確かだった。
音が重なるたびに、心が少しずつ近づいていく。
歌が終わった瞬間、しばらく誰も何も言わなかった。
そしてCoe.が、ぽつりと呟いた。
「なぁRelu……好きだったんだよ。ずっと前から」
Reluの喉が詰まった。
「Reluも……今でも、好きや」
でも、もう「戻る」ことはできないと、どちらも知っていた。
これは再出発じゃなくて――別れをきちんと終わらせるための、一曲だった。
ふたりの星座は、もう同じ空にはいられない。
それでも、その一瞬だけは、確かにひとつになっていた。
天井のライトがぼんやりと灯って、室内は仄かに温かい。
Reluは何度も喉を鳴らして、マイクの前に立っていた。
右手には、録音する予定の新曲の仮歌詞。
左手には、Coe.から手渡された、たった一枚のコード譜。
隣に立つのは、久しぶりだった。
ほんまに――何年ぶりやろな。
息を吸って、吐く。
けど、言葉が出てこなかった。
マイクの向こうに立つCoe.は、昔と何も変わっていないようで、どこか遠くなっていた。
でも、目だけは変わってなかった。
真っ直ぐで、誤魔化しのない、あの目。
Reluは口を開いた。
「……ごめんな。ほんまに、逃げてしもて」
Coe.は少しだけ眉を寄せて、静かに言った。
「謝らなくていいよ。……あのときのReluさんの顔、忘れられないから」
その声に、胸の奥がぎゅっと締めつけられた。
Reluは言いたいことが山ほどあったのに、全部うまく言葉にならなかった。
「……歌いたいんや。もう一回、ちゃんと。ここで、みんなと」
Coe.の表情が、やっと少しだけ緩んだ。
「本当に、そう思うの?」
Reluは力強くうなずいた。
その瞬間、Coe.は少しだけ微笑んで、机の上のレコーダーのボタンを押した。
赤いランプが点灯する。
ふたりだけの、録音が始まった。
Reluはマイクを見つめたまま、少し喉を鳴らした。
かすかに震える声で、最初の音を乗せる。
「……今もまだ、君の声が……」
隣から、Coe.のハモリが入る。
それはまるで、バラバラになった星が、もう一度線を結んでいくような――
ふたりだけの星座が、夜空に浮かび上がるような時間だった。
Reluの声は完全じゃなかった。
でも、そこに込めたものは、確かだった。
音が重なるたびに、心が少しずつ近づいていく。
歌が終わった瞬間、しばらく誰も何も言わなかった。
そしてCoe.が、ぽつりと呟いた。
「なぁRelu……好きだったんだよ。ずっと前から」
Reluの喉が詰まった。
「Reluも……今でも、好きや」
でも、もう「戻る」ことはできないと、どちらも知っていた。
これは再出発じゃなくて――別れをきちんと終わらせるための、一曲だった。
ふたりの星座は、もう同じ空にはいられない。
それでも、その一瞬だけは、確かにひとつになっていた。
