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──それは、確かに“普通の打ち上げ”のはずだった。
部屋の真ん中にはケータリングの料理。壁にはメンバーが用意した手作りの横断幕。「プロジェクト成功おめでとう!」の文字が揺れていた。
Snow Manの9人と、関係スタッフ、そして星奈。小規模ながらも、あたたかな空気が流れていた。
「青龍さんも、何か食べません?」
渡辺が気を遣って声をかけた。
「いえ、私は……あまり」
「甘いのもありますよ。あ、これ、京都の有名なプリンなんです。すごく優しい味で……」
阿部がそっと差し出すと、星奈の視線がふとその小さなガラス容器に向いた。
「……“優しい味”って、いい言葉ですね」
その一言に、阿部の表情が緩んだ。
「言葉って、時々すごく不器用で、でもちゃんと人を包む力があると思ってて」
星奈はその言葉に、目を伏せながら、わずかに頷いた。
それを少し離れた場所で見ていたのは、目黒だった。
目黒は、静かに星奈を見つめていた。
心のどこかで、言葉にできない感情が芽生えているのを、はっきりと自覚していた。
(たぶん──俺は、あの人に惹かれてる)
でもそれは、ただの恋ではなかった。
「この人を守りたい」「この人の笑顔が、もっと見たい」──そんな、祈るような想いだった。
──
別の場所では、佐久間が向井にそっと話しかけていた。
「なあ……あの人の“本音”って、まだ全然出てないよな」
「せやな。たぶん、ほんの一ミリずつや。……でも、俺らができることは、“その一ミリ”を信じることやと思う」
「うん。焦らず、近づくしかないよな」
──
岩本は、星奈の座るソファの近くでそっと飲み物を渡しながら、ふと声をかけた。
「最近、少しだけ顔が柔らかくなったって言われませんか?」
「……そんなふうに見えます?」
「はい。無理にじゃなくて、自然に。……それってすごいことですよ」
星奈は一瞬驚いた顔をしたあと、ほんの少し、口角を上げた。
「そう言ってくださる方がいるなら、少しは……変われたのでしょうか」
岩本は静かに頷いた。
「信じるって、傷ついたぶんだけ慎重になります。でも……時間をかけて育てる信頼は、きっと強くなる」
それはまるで、自分自身に向けた言葉のようだった。
──
その夜、星奈は帰宅後、部屋の窓を開けた。
6月の夜風がカーテンを揺らし、ほのかに甘い花の香りを運んできた。
(みんなが、私を“普通の人間”として扱ってくれるのが、不思議)
彼女の頭の中には、いくつもの表情が浮かんでいた。
阿部の優しい言葉。
向井のあたたかな眼差し。
佐久間の真っ直ぐさ。
岩本の芯の強い静けさ。
目黒の沈黙の中の誠実さ。
深澤の空気を読む優しさ。
渡辺のさりげない気遣い。
ラウールの好奇心。
宮舘の、まるで守護者のような態度。
それぞれが違う色を持ちながら、星奈に向ける“好意”はどこまでも誠実だった。
──
ふと、星奈はドレッサーに置かれたままの一冊のノートに目をやった。
あの響堂仁から渡された、もう読まなくなった過去の手紙の隣に置いてある。
彼女はそのノートの最初のページを開いた。
何も書かれていない白紙。
「……書いてみようかしら、“今の私の気持ち”」
ペンを手に取り、ゆっくりと文字を綴り始める。
「今日、“ありがとう”と素直に言えた。
それだけで、自分を少しだけ好きになれた気がする」
それは──閉ざされた心に、最初の“ひび”が入った瞬間だった。
部屋の真ん中にはケータリングの料理。壁にはメンバーが用意した手作りの横断幕。「プロジェクト成功おめでとう!」の文字が揺れていた。
Snow Manの9人と、関係スタッフ、そして星奈。小規模ながらも、あたたかな空気が流れていた。
「青龍さんも、何か食べません?」
渡辺が気を遣って声をかけた。
「いえ、私は……あまり」
「甘いのもありますよ。あ、これ、京都の有名なプリンなんです。すごく優しい味で……」
阿部がそっと差し出すと、星奈の視線がふとその小さなガラス容器に向いた。
「……“優しい味”って、いい言葉ですね」
その一言に、阿部の表情が緩んだ。
「言葉って、時々すごく不器用で、でもちゃんと人を包む力があると思ってて」
星奈はその言葉に、目を伏せながら、わずかに頷いた。
それを少し離れた場所で見ていたのは、目黒だった。
目黒は、静かに星奈を見つめていた。
心のどこかで、言葉にできない感情が芽生えているのを、はっきりと自覚していた。
(たぶん──俺は、あの人に惹かれてる)
でもそれは、ただの恋ではなかった。
「この人を守りたい」「この人の笑顔が、もっと見たい」──そんな、祈るような想いだった。
──
別の場所では、佐久間が向井にそっと話しかけていた。
「なあ……あの人の“本音”って、まだ全然出てないよな」
「せやな。たぶん、ほんの一ミリずつや。……でも、俺らができることは、“その一ミリ”を信じることやと思う」
「うん。焦らず、近づくしかないよな」
──
岩本は、星奈の座るソファの近くでそっと飲み物を渡しながら、ふと声をかけた。
「最近、少しだけ顔が柔らかくなったって言われませんか?」
「……そんなふうに見えます?」
「はい。無理にじゃなくて、自然に。……それってすごいことですよ」
星奈は一瞬驚いた顔をしたあと、ほんの少し、口角を上げた。
「そう言ってくださる方がいるなら、少しは……変われたのでしょうか」
岩本は静かに頷いた。
「信じるって、傷ついたぶんだけ慎重になります。でも……時間をかけて育てる信頼は、きっと強くなる」
それはまるで、自分自身に向けた言葉のようだった。
──
その夜、星奈は帰宅後、部屋の窓を開けた。
6月の夜風がカーテンを揺らし、ほのかに甘い花の香りを運んできた。
(みんなが、私を“普通の人間”として扱ってくれるのが、不思議)
彼女の頭の中には、いくつもの表情が浮かんでいた。
阿部の優しい言葉。
向井のあたたかな眼差し。
佐久間の真っ直ぐさ。
岩本の芯の強い静けさ。
目黒の沈黙の中の誠実さ。
深澤の空気を読む優しさ。
渡辺のさりげない気遣い。
ラウールの好奇心。
宮舘の、まるで守護者のような態度。
それぞれが違う色を持ちながら、星奈に向ける“好意”はどこまでも誠実だった。
──
ふと、星奈はドレッサーに置かれたままの一冊のノートに目をやった。
あの響堂仁から渡された、もう読まなくなった過去の手紙の隣に置いてある。
彼女はそのノートの最初のページを開いた。
何も書かれていない白紙。
「……書いてみようかしら、“今の私の気持ち”」
ペンを手に取り、ゆっくりと文字を綴り始める。
「今日、“ありがとう”と素直に言えた。
それだけで、自分を少しだけ好きになれた気がする」
それは──閉ざされた心に、最初の“ひび”が入った瞬間だった。