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「……珍しいですね、青龍さんがご自分から“差し入れ”なんて」
撮影の控室にいたSnow Manのメンバーが、目を丸くした。
星奈が手にしていたのは、桐箱入りの羊羹だった。老舗和菓子店の、数量限定品だ。
「本日、資料館のスタッフ様に用意したものですが、こちらの皆様にもと思いまして」
ラウールが思わず呟いた。「え、今、俺ら“皆様”ってくくられた……!」
「……いただきます。ありがとうございます」
阿部がぴしっと頭を下げる。
「甘いもの、好きなんですか?」
佐久間が嬉しそうに聞いた。
「はい。……人にはあまり言いませんけど」
星奈は静かに、少しだけ微笑んだ。
そのとき、彼女の表情にふわりと影がかからなかったのを、岩本は見逃さなかった。
「今の、作った顔じゃなかったな」と彼は確信した。
その日、9人は撮影後に星奈とわずかな雑談を交わした。天気の話、本で読んだエピソード、美術の感想。
ほんの些細な会話だったが、どれも“壁”を感じなかった。
そして、それは夜になっても続いた。
──
控室の片隅で、スタッフの片付けを待つ間、星奈はふと独り言のように呟いた。
「信じていい人、って……どうやって、見分けるんでしょうね」
その声は、意識して発せられた問いではなかった。
けれど近くにいた向井が、やさしい声で答えた。
「見分けるんじゃなくてさ、信じた後に、そいつが“信じてよかった人かどうか”わかるんちゃう?」
星奈は、少し目を見開いた。
「……それって、すごく怖くないですか?」
「怖いよ。でも、どんなことも一歩踏み出さんと、何にも変わらんやん? 俺は怖がりやけど、それでも一歩ずつ進みたいって思うで」
星奈は黙って、向井の方をじっと見た。
そのまなざしは真剣だった。飾らず、背伸びもしていない。そのままの人。
──
その日の夜。
星奈は自室の窓辺で、月を見ていた。
部屋には誰もいない。静かで、冷たい空気。
でも、ほんの少しだけ、心の中がざわついていた。
(もし、あの人たちが……“本当に信じられる人”だったとしたら)
そんな想像をした自分に驚いた。
彼女は決して、軽々しく人を信じる人間ではない。
あの日を境に、誰かに期待することも、好意を向けられることも、“遠ざける”ようになった。
でも──
「……優しかったな、あの時の言葉」
ふと阿部の言葉が蘇る。
「“信じてもらえる自分でありたい”──か」
そうつぶやくと、自然と胸の奥に、小さな痛みが走った。
温かくて、少しだけ、苦しい。
(これは、なんだろう)
星奈は知らず、胸元をそっと押さえていた。
──
翌日。
Snow Manのメンバーは、プロジェクトの打ち上げに向けて、ちょっとしたお祝いを計画していた。
「本当に来てくれるかな?」
ラウールが不安げに聞いた。
「でも、“ありがとう”って言ったよな」
目黒が、星奈の言葉を思い出すように呟いた。
「じゃあ、信じてみようぜ」
渡辺が軽く拳を握る。
そして夜。
控室のドアが開いたとき、星奈が現れた。
いつも通りのスーツ。けれど、その髪には一輪の小さな花飾り。
普段は無機質な印象の彼女に、どこか柔らかさが差していた。
「……来てしまいました。場違いかもしれませんが」
その一言に、9人の笑顔が一斉に広がった。
「来てくれて、ありがとう」
その言葉に、星奈は目を伏せながら小さく微笑んだ。
その笑顔は、彼女の中で“ほんのすこし心がゆれた”証だった。
撮影の控室にいたSnow Manのメンバーが、目を丸くした。
星奈が手にしていたのは、桐箱入りの羊羹だった。老舗和菓子店の、数量限定品だ。
「本日、資料館のスタッフ様に用意したものですが、こちらの皆様にもと思いまして」
ラウールが思わず呟いた。「え、今、俺ら“皆様”ってくくられた……!」
「……いただきます。ありがとうございます」
阿部がぴしっと頭を下げる。
「甘いもの、好きなんですか?」
佐久間が嬉しそうに聞いた。
「はい。……人にはあまり言いませんけど」
星奈は静かに、少しだけ微笑んだ。
そのとき、彼女の表情にふわりと影がかからなかったのを、岩本は見逃さなかった。
「今の、作った顔じゃなかったな」と彼は確信した。
その日、9人は撮影後に星奈とわずかな雑談を交わした。天気の話、本で読んだエピソード、美術の感想。
ほんの些細な会話だったが、どれも“壁”を感じなかった。
そして、それは夜になっても続いた。
──
控室の片隅で、スタッフの片付けを待つ間、星奈はふと独り言のように呟いた。
「信じていい人、って……どうやって、見分けるんでしょうね」
その声は、意識して発せられた問いではなかった。
けれど近くにいた向井が、やさしい声で答えた。
「見分けるんじゃなくてさ、信じた後に、そいつが“信じてよかった人かどうか”わかるんちゃう?」
星奈は、少し目を見開いた。
「……それって、すごく怖くないですか?」
「怖いよ。でも、どんなことも一歩踏み出さんと、何にも変わらんやん? 俺は怖がりやけど、それでも一歩ずつ進みたいって思うで」
星奈は黙って、向井の方をじっと見た。
そのまなざしは真剣だった。飾らず、背伸びもしていない。そのままの人。
──
その日の夜。
星奈は自室の窓辺で、月を見ていた。
部屋には誰もいない。静かで、冷たい空気。
でも、ほんの少しだけ、心の中がざわついていた。
(もし、あの人たちが……“本当に信じられる人”だったとしたら)
そんな想像をした自分に驚いた。
彼女は決して、軽々しく人を信じる人間ではない。
あの日を境に、誰かに期待することも、好意を向けられることも、“遠ざける”ようになった。
でも──
「……優しかったな、あの時の言葉」
ふと阿部の言葉が蘇る。
「“信じてもらえる自分でありたい”──か」
そうつぶやくと、自然と胸の奥に、小さな痛みが走った。
温かくて、少しだけ、苦しい。
(これは、なんだろう)
星奈は知らず、胸元をそっと押さえていた。
──
翌日。
Snow Manのメンバーは、プロジェクトの打ち上げに向けて、ちょっとしたお祝いを計画していた。
「本当に来てくれるかな?」
ラウールが不安げに聞いた。
「でも、“ありがとう”って言ったよな」
目黒が、星奈の言葉を思い出すように呟いた。
「じゃあ、信じてみようぜ」
渡辺が軽く拳を握る。
そして夜。
控室のドアが開いたとき、星奈が現れた。
いつも通りのスーツ。けれど、その髪には一輪の小さな花飾り。
普段は無機質な印象の彼女に、どこか柔らかさが差していた。
「……来てしまいました。場違いかもしれませんが」
その一言に、9人の笑顔が一斉に広がった。
「来てくれて、ありがとう」
その言葉に、星奈は目を伏せながら小さく微笑んだ。
その笑顔は、彼女の中で“ほんのすこし心がゆれた”証だった。