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その日以降、星奈は少しずつ変わり始めた。
現場で笑うことも、目を合わせて話すことも、ぎこちなくはあっても、もう「怖いこと」ではなくなっていた。
そして、彼女の中に、
今まで知らなかった感情が芽吹きつつあった。
(私……もしかして──)
星奈は、その気持ちにまだ名前をつけられずにいた。
けれどそれは、誰かの名前を呼んだとき、ふと目が合ったとき、少しだけ胸が高鳴る“あの感覚”。
目黒蓮のことだった。
──彼は、いつも星奈の変化に一番最初に気づいてくれる。
無理に近づこうとせず、黙って見守ってくれる。
そして、必要なときにだけ、言葉をくれる。
それが、どれほど星奈にとって「安心」だったか。
(あのとき……名前を呼んで、喜んでくれた。
その時から、何かが変わったのかもしれない)
──
その日も、リハーサル後の控え室で、何気ない会話が飛び交っていた。
星奈は隅のソファに座り、メイクを直していた。
ふと、隣に目黒が座ってきた。
「お疲れ」
「……蓮さんも。ダンス、すごく綺麗でした」
「ありがとう。星奈さんの立ち姿も、綺麗だったよ」
「……っ、そんな。私、あんまり自信なくて……」
「ううん。堂々としてて、すごく魅力的だった」
静かで、やさしい声。
褒められ慣れていない星奈は、どうしていいかわからず、視線を逸らす。
そのとき、蓮がふと声を落とした。
「最近……笑うようになったね。前よりずっと、表情がやわらかくなった」
「……自分では、あまりわからないけど。
皆さんといると、自然とそうなってる気がします」
蓮はうなずいた。
「俺は、星奈さんがそうやって変わっていくのを見るのが、すごく好きだよ」
「……!」
“好き”という言葉に、星奈の心が一瞬で跳ね上がった。
けれど、それが「恋愛」の意味なのか、「仲間」としてなのか、わからない。
わからないけど──ただ、今のその一言が、胸にまっすぐ届いていた。
(蓮さんに、もっと見てほしい)
(もっと、私のこと、知ってほしい)
(そして……私も、蓮さんのことを……)
知らなかった。
誰かにそんなふうに思ってもらえることが、こんなに嬉しいなんて。
知らなかった。
誰かの言葉ひとつで、こんなにも心が温かくなるなんて。
星奈は、初めて自覚した。
──これが、「恋」なのかもしれない。
その夜、ベッドに入ってからも、蓮の言葉が頭から離れなかった。
(好き、って言ってくれた)
けれど。
(私は……“好き”って、どうやって伝えたらいいんだろう)
ただの言葉ではない。
過去の傷が、星奈の中でまだ鎖のように絡んでいる。
それでも、前に進みたい。
(怖くても、もう逃げたくない)
初めて、誰かを信じてみたいと思った。
現場で笑うことも、目を合わせて話すことも、ぎこちなくはあっても、もう「怖いこと」ではなくなっていた。
そして、彼女の中に、
今まで知らなかった感情が芽吹きつつあった。
(私……もしかして──)
星奈は、その気持ちにまだ名前をつけられずにいた。
けれどそれは、誰かの名前を呼んだとき、ふと目が合ったとき、少しだけ胸が高鳴る“あの感覚”。
目黒蓮のことだった。
──彼は、いつも星奈の変化に一番最初に気づいてくれる。
無理に近づこうとせず、黙って見守ってくれる。
そして、必要なときにだけ、言葉をくれる。
それが、どれほど星奈にとって「安心」だったか。
(あのとき……名前を呼んで、喜んでくれた。
その時から、何かが変わったのかもしれない)
──
その日も、リハーサル後の控え室で、何気ない会話が飛び交っていた。
星奈は隅のソファに座り、メイクを直していた。
ふと、隣に目黒が座ってきた。
「お疲れ」
「……蓮さんも。ダンス、すごく綺麗でした」
「ありがとう。星奈さんの立ち姿も、綺麗だったよ」
「……っ、そんな。私、あんまり自信なくて……」
「ううん。堂々としてて、すごく魅力的だった」
静かで、やさしい声。
褒められ慣れていない星奈は、どうしていいかわからず、視線を逸らす。
そのとき、蓮がふと声を落とした。
「最近……笑うようになったね。前よりずっと、表情がやわらかくなった」
「……自分では、あまりわからないけど。
皆さんといると、自然とそうなってる気がします」
蓮はうなずいた。
「俺は、星奈さんがそうやって変わっていくのを見るのが、すごく好きだよ」
「……!」
“好き”という言葉に、星奈の心が一瞬で跳ね上がった。
けれど、それが「恋愛」の意味なのか、「仲間」としてなのか、わからない。
わからないけど──ただ、今のその一言が、胸にまっすぐ届いていた。
(蓮さんに、もっと見てほしい)
(もっと、私のこと、知ってほしい)
(そして……私も、蓮さんのことを……)
知らなかった。
誰かにそんなふうに思ってもらえることが、こんなに嬉しいなんて。
知らなかった。
誰かの言葉ひとつで、こんなにも心が温かくなるなんて。
星奈は、初めて自覚した。
──これが、「恋」なのかもしれない。
その夜、ベッドに入ってからも、蓮の言葉が頭から離れなかった。
(好き、って言ってくれた)
けれど。
(私は……“好き”って、どうやって伝えたらいいんだろう)
ただの言葉ではない。
過去の傷が、星奈の中でまだ鎖のように絡んでいる。
それでも、前に進みたい。
(怖くても、もう逃げたくない)
初めて、誰かを信じてみたいと思った。