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「──いよいよ、明日だな」
撮影終わりのスタジオ。外はすっかり日が落ちて、機材の片づけを終えたスタッフがひとり、またひとりと控室から出ていく中、残された「すたぽら」のメンバーは、それぞれソファにぐったりと倒れていた。
「明日って……生配信のこと?」
くにがソファの背に手をぶら下げながら、ゆるく聞く。
「そう。半年ぶりの、YouTubeライブだよ」
Coe.はペットボトルのイチゴミルクを片手に、にこりと笑って見せた。
「……もうそんな経ったんやなぁ」
Reluが壁にもたれて、ギターケースを足元に置く。目元には少しだけ疲労の色が浮かんでいたが、それでも表情は柔らかい。
「リスナーさん、めっちゃ楽しみにしてくれてるよ。ずっとタグで『#すたぽら生配信いつ』って見かけるもん」
こったろがスマホをいじりながら、あったかい声で言った。
「……ゆさん、タグエゴサしすぎて寝不足なってたもんね」
ゆうがふわりと笑って、「だって、みんなの声聞きたいじゃん」と言っていた。
今回の生配信は、活動三周年記念にあたるもので、久々のグループ合同トークに加え、1曲、新曲の披露も控えていた。
その新曲こそ──
「Reluくんが、僕に作ってくれた歌……」
Coe.は、そっと呟いた。
それは、あの夜にReluが言ってくれた約束。
「お前にしか歌えへん曲」
その言葉の通り、Reluは1週間でデモを仕上げ、Coe.の声に合わせてキーを微調整し、歌詞を練り直し、リズムの揺れまで何度も確認して──その姿を、Coe.は隣でずっと見てきた。
「……めっちゃいい曲。Coe.の声に合いすぎて鳥肌立ったわ」
と、くにが口を開く。
「ね、感情に寄り添ってくれる感じが、歌詞にもメロディにもあって……」
こったろも頷きながら、「Relu、天才」とさりげなく褒めると、Reluは少しむずがゆそうに目をそらした。
「……まぁ、Coe.が歌う言うから本気出しただけや」
「えっ、照れてる?」
「うるさい。お前は寝とけ、くに」
「おれ今起きてる!」
そんなくだらないやりとりに、控室にやわらかい笑いが溢れた。
けれどその中で、Coe.はふと不安を感じていた。
(……僕の歌、ちゃんと届くかな)
期待されるほどに、プレッシャーも大きくなる。
Reluが本気で作ってくれたこの曲を、ちゃんと届けられるのか。歌詞の意味、音の温度、それを正しく表現できるのか──。
「……なあ、Coe.」
Reluの声が静かに降ってくる。
「さっきの曲、もう一回リハしとくか。お前、顔に出とるわ。不安そうなん」
「……えへ、バレた?」
Coe.ははにかんで笑った。やっぱり、この人には全部見透かされている。
「自分で言うのもなんやけどな、この曲、歌うんお前しかおらへんて、本気で思って作っとる」
「……うん」
「歌詞にもメロにも、全部意味あんねん。お前がそれを感じ取ってくれたんなら、もう十分や。届けるかどうかは、Coe.の声が決めるんやから」
その言葉が、胸に真っ直ぐに刺さる。
(……届けたい)
この歌に込められたReluの想い。Coe.への信頼。そして、ふたりが並んで歩いてきた時間。
全部を、リスナーに届けたい。
Coe.は小さく深呼吸して、ゆっくりと頷いた。
「──うん。歌うよ、ちゃんと。Reluくんの音を、僕の声で」
翌日。
YouTubeライブの開始10分前、スタジオにはピリッとした空気が漂っていた。
「緊張してきた……!!」
と叫んだのはくに。ゆうはすでに手を合わせて「お願いだから回線落ちませんように」と祈り始めていた。
こったろは落ち着いた様子でマイクテストを繰り返し、Reluはサブモニターで音響と回線を最後まで確認している。
「──あと1分。いくで」
Reluの声が入ったその瞬間、画面に『配信開始』のランプが灯る。
そして──
「こんばんはー! すたぽらです!」
メンバーの声が揃った瞬間、コメント欄は爆発的に流れ始めた。
【待ってた!!】
【全員そろってる!涙】
【イチゴミルクの人おる!!】
【くにの声元気すぎww】
【こったろさん安定のイケボ…】
【ゆさんかわいい無理】
【Reluさん相変わらずの毒舌】
【Coe.くんの声が今日も天使】
画面越しにファンの熱が伝わってくる。
「──じゃあ、新曲の披露、いってみようか」
そして訪れた、緊張の瞬間。
「すたぽらの新曲、『ただいま』。歌うのは、Coe.」
Reluの紹介で、照明がふっと落ちる。
音が流れ、イントロが鳴る。
そして──Coe.の声が、静かに空気を震わせた。
🎵「帰り道 ひとり歩く風 ちょっと寂しくて──」
静かに、けれど真っ直ぐに。
Reluの作ったメロディは、まるで誰かにそっと寄り添うようで。
🎵「誰かの優しさに 気づけるような そんな僕でいたいな」
Coe.の声が、優しく、しっかりと届けていく。
画面の向こうのコメント欄は、涙と感動の嵐になっていた。
【やばい泣いた】
【歌詞が優しすぎる】
【Coe.くんの声で浄化された】
【Reluさんこれ書いたの神?】
【"帰る場所"の大切さ思い出した】
【ふたりの絆が聴こえた気がする……】
曲が終わるころには、スタジオの空気も静まり返っていた。
「──最高やった」
Reluがぽつりと呟いた。
そして、Coe.にだけ聞こえるような声で、
「……おかえり、って言うたのは、自分の気持ちやからな」
と、そっと言葉を添える。
Coe.の頬が、ほんのり赤く染まったのは、照明のせいじゃなかった。
撮影終わりのスタジオ。外はすっかり日が落ちて、機材の片づけを終えたスタッフがひとり、またひとりと控室から出ていく中、残された「すたぽら」のメンバーは、それぞれソファにぐったりと倒れていた。
「明日って……生配信のこと?」
くにがソファの背に手をぶら下げながら、ゆるく聞く。
「そう。半年ぶりの、YouTubeライブだよ」
Coe.はペットボトルのイチゴミルクを片手に、にこりと笑って見せた。
「……もうそんな経ったんやなぁ」
Reluが壁にもたれて、ギターケースを足元に置く。目元には少しだけ疲労の色が浮かんでいたが、それでも表情は柔らかい。
「リスナーさん、めっちゃ楽しみにしてくれてるよ。ずっとタグで『#すたぽら生配信いつ』って見かけるもん」
こったろがスマホをいじりながら、あったかい声で言った。
「……ゆさん、タグエゴサしすぎて寝不足なってたもんね」
ゆうがふわりと笑って、「だって、みんなの声聞きたいじゃん」と言っていた。
今回の生配信は、活動三周年記念にあたるもので、久々のグループ合同トークに加え、1曲、新曲の披露も控えていた。
その新曲こそ──
「Reluくんが、僕に作ってくれた歌……」
Coe.は、そっと呟いた。
それは、あの夜にReluが言ってくれた約束。
「お前にしか歌えへん曲」
その言葉の通り、Reluは1週間でデモを仕上げ、Coe.の声に合わせてキーを微調整し、歌詞を練り直し、リズムの揺れまで何度も確認して──その姿を、Coe.は隣でずっと見てきた。
「……めっちゃいい曲。Coe.の声に合いすぎて鳥肌立ったわ」
と、くにが口を開く。
「ね、感情に寄り添ってくれる感じが、歌詞にもメロディにもあって……」
こったろも頷きながら、「Relu、天才」とさりげなく褒めると、Reluは少しむずがゆそうに目をそらした。
「……まぁ、Coe.が歌う言うから本気出しただけや」
「えっ、照れてる?」
「うるさい。お前は寝とけ、くに」
「おれ今起きてる!」
そんなくだらないやりとりに、控室にやわらかい笑いが溢れた。
けれどその中で、Coe.はふと不安を感じていた。
(……僕の歌、ちゃんと届くかな)
期待されるほどに、プレッシャーも大きくなる。
Reluが本気で作ってくれたこの曲を、ちゃんと届けられるのか。歌詞の意味、音の温度、それを正しく表現できるのか──。
「……なあ、Coe.」
Reluの声が静かに降ってくる。
「さっきの曲、もう一回リハしとくか。お前、顔に出とるわ。不安そうなん」
「……えへ、バレた?」
Coe.ははにかんで笑った。やっぱり、この人には全部見透かされている。
「自分で言うのもなんやけどな、この曲、歌うんお前しかおらへんて、本気で思って作っとる」
「……うん」
「歌詞にもメロにも、全部意味あんねん。お前がそれを感じ取ってくれたんなら、もう十分や。届けるかどうかは、Coe.の声が決めるんやから」
その言葉が、胸に真っ直ぐに刺さる。
(……届けたい)
この歌に込められたReluの想い。Coe.への信頼。そして、ふたりが並んで歩いてきた時間。
全部を、リスナーに届けたい。
Coe.は小さく深呼吸して、ゆっくりと頷いた。
「──うん。歌うよ、ちゃんと。Reluくんの音を、僕の声で」
翌日。
YouTubeライブの開始10分前、スタジオにはピリッとした空気が漂っていた。
「緊張してきた……!!」
と叫んだのはくに。ゆうはすでに手を合わせて「お願いだから回線落ちませんように」と祈り始めていた。
こったろは落ち着いた様子でマイクテストを繰り返し、Reluはサブモニターで音響と回線を最後まで確認している。
「──あと1分。いくで」
Reluの声が入ったその瞬間、画面に『配信開始』のランプが灯る。
そして──
「こんばんはー! すたぽらです!」
メンバーの声が揃った瞬間、コメント欄は爆発的に流れ始めた。
【待ってた!!】
【全員そろってる!涙】
【イチゴミルクの人おる!!】
【くにの声元気すぎww】
【こったろさん安定のイケボ…】
【ゆさんかわいい無理】
【Reluさん相変わらずの毒舌】
【Coe.くんの声が今日も天使】
画面越しにファンの熱が伝わってくる。
「──じゃあ、新曲の披露、いってみようか」
そして訪れた、緊張の瞬間。
「すたぽらの新曲、『ただいま』。歌うのは、Coe.」
Reluの紹介で、照明がふっと落ちる。
音が流れ、イントロが鳴る。
そして──Coe.の声が、静かに空気を震わせた。
🎵「帰り道 ひとり歩く風 ちょっと寂しくて──」
静かに、けれど真っ直ぐに。
Reluの作ったメロディは、まるで誰かにそっと寄り添うようで。
🎵「誰かの優しさに 気づけるような そんな僕でいたいな」
Coe.の声が、優しく、しっかりと届けていく。
画面の向こうのコメント欄は、涙と感動の嵐になっていた。
【やばい泣いた】
【歌詞が優しすぎる】
【Coe.くんの声で浄化された】
【Reluさんこれ書いたの神?】
【"帰る場所"の大切さ思い出した】
【ふたりの絆が聴こえた気がする……】
曲が終わるころには、スタジオの空気も静まり返っていた。
「──最高やった」
Reluがぽつりと呟いた。
そして、Coe.にだけ聞こえるような声で、
「……おかえり、って言うたのは、自分の気持ちやからな」
と、そっと言葉を添える。
Coe.の頬が、ほんのり赤く染まったのは、照明のせいじゃなかった。