番外編
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出席を取るとき、私はいつもその名前を最後まで呼べなかった。
「……Relu。……おらんか」
もう半年も、出席簿に名前が残ったままだ。誰も教えてはくれない。どこへ行ったのか、本当の理由も。
最初から、彼は特別だった。
誰よりも成績はよく、表面上の態度も悪くない。ただ、彼の周りには――妙な「壁」があった。
誰とも深く関わらず、誰にも本心を見せない。
教師として、何度も問いかけようとした。でも、彼はいつも微笑みながら、
「大丈夫です。自分で、なんとかします」
そう言って、すべてを閉ざした。
(あれは、「信頼してくれている」のではなかったんだ)
今なら、わかる。
あれは「諦め」の笑みだった。
大人に何を言っても無駄だと、期待なんて持っていなかったんだ。
――そしてあの日。
女子生徒数人が血を流して騒ぎ、Reluはカッターを握らされていた。
一瞬、私は信じかけた。「Reluがやったのか」と。
だけど、あの子の目を見て、違うと確信した。
震えていた。怒りも、恐怖も、絶望も、全部混ざったような目だった。
それでも、私は何もできなかった。
あの時、彼の代わりに「何があった?」と問い詰めていたら。
「君は悪くない」と、誰よりも早く言えていたら。
(救えたんじゃないか?)
今さら、そんな仮定をいくつ並べても意味がない。
Reluは、もうこの学校にはいない。
彼の机の上には、置きっぱなしの教科書と、提出されなかったノートだけが残っている。
「……ごめんな、Relu」
小さな声が、空っぽの教室に落ちた。
教師としてではなく、一人の大人として、彼に伝えたい言葉があった。
「間違ってたのは、君じゃない。……俺のほうだったんだよ」
その言葉が、届くことはないかもしれない。
けれど、いつか彼がこの教室に戻ってきたら――
「今度こそ、ちゃんと話を聞かせてくれ」
そんな願いを、心の奥にしまい込みながら、今日も私は出席簿に目を落とす。
……Relu。出席番号、26番。欠席。
けれど、彼の名前はまだ――教師の胸の中で、生き続けていた。
「……Relu。……おらんか」
もう半年も、出席簿に名前が残ったままだ。誰も教えてはくれない。どこへ行ったのか、本当の理由も。
最初から、彼は特別だった。
誰よりも成績はよく、表面上の態度も悪くない。ただ、彼の周りには――妙な「壁」があった。
誰とも深く関わらず、誰にも本心を見せない。
教師として、何度も問いかけようとした。でも、彼はいつも微笑みながら、
「大丈夫です。自分で、なんとかします」
そう言って、すべてを閉ざした。
(あれは、「信頼してくれている」のではなかったんだ)
今なら、わかる。
あれは「諦め」の笑みだった。
大人に何を言っても無駄だと、期待なんて持っていなかったんだ。
――そしてあの日。
女子生徒数人が血を流して騒ぎ、Reluはカッターを握らされていた。
一瞬、私は信じかけた。「Reluがやったのか」と。
だけど、あの子の目を見て、違うと確信した。
震えていた。怒りも、恐怖も、絶望も、全部混ざったような目だった。
それでも、私は何もできなかった。
あの時、彼の代わりに「何があった?」と問い詰めていたら。
「君は悪くない」と、誰よりも早く言えていたら。
(救えたんじゃないか?)
今さら、そんな仮定をいくつ並べても意味がない。
Reluは、もうこの学校にはいない。
彼の机の上には、置きっぱなしの教科書と、提出されなかったノートだけが残っている。
「……ごめんな、Relu」
小さな声が、空っぽの教室に落ちた。
教師としてではなく、一人の大人として、彼に伝えたい言葉があった。
「間違ってたのは、君じゃない。……俺のほうだったんだよ」
その言葉が、届くことはないかもしれない。
けれど、いつか彼がこの教室に戻ってきたら――
「今度こそ、ちゃんと話を聞かせてくれ」
そんな願いを、心の奥にしまい込みながら、今日も私は出席簿に目を落とす。
……Relu。出席番号、26番。欠席。
けれど、彼の名前はまだ――教師の胸の中で、生き続けていた。