番外編
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春。
ある日、LANのもとに一通の封筒が届いた。
中には、USBメモリと短い手紙。
「LANへ。
もしも自分がいなくなったら、この曲をみんなに届けてほしい。
これは“お願い”じゃない。俺の、“祈り”や。
Relu」
LANは震える指でUSBを挿し、再生ボタンを押した。
——その瞬間、音楽が流れ出した。
重く低く響くピアノ。
切り裂くようなギター。
そして、Reluの声。
「どうして言わへんかったん……」
LANは声を押し殺して泣いた。曲の最後には、Reluのモノローグが収録されていた。
「自分が居なくなっても、どうか前を向いてほしい。
ほんまは……生きたかった。でも、それ以上に守りたかった。
俺にしかできへんことがあるって、信じたかったんや——」
—
LANは、その楽曲を動画にしてネットにアップした。
タイトルは「Prayers」。
コメント欄には、見知らぬ人たちからの言葉が溢れた。
「知らなかった。けど、涙が止まらない」
「今、苦しんでる自分を救ってくれた」
「これは、祈りそのものだと思う」
—
LANはメンバー全員にその曲を配った。
◇
すちは、イヤホンでその曲を聴きながら、自分の部屋でじっと空を見ていた。
「……Relu、あんたはいつだって本気だったんだな」
彼は机の上の写真立てを手に取った。そこには、かつての学園祭で笑い合うReluと自分の姿があった。
—
いるまは、バスの中で目を閉じながら聴いた。
Reluの声が胸に刺さる。
「なあ……守るって、どういうことだろうな」
彼はカッターで傷つけられた自分の手首を見つめた。
そして、Reluの名前を呟いた。
「俺、もう逃げねぇ」
—
みことは、自分の部屋で千羽鶴を折りながら、その曲を流していた。
「うわぁ……Relu、ほんまに最後までズルいわ……泣かせる気かい」
でも、彼女は笑っていた。
泣きながら、笑っていた。
「救われたよ。お前の声に」
—
そして、藍は——。
夜の屋上。風が吹き抜ける中、スピーカーで『Prayers』を流していた。
Reluの声が、夜空に響く。
藍は静かに、目を閉じる。
「お前の“祈り”は、ちゃんと届いたよ」
彼は空に向かって微笑んだ。
「……俺たちは、もう二度と、誰も見捨てない。だから、見ててくれ。俺たちの“これから”を」
—
ラストサビの終わり、音が消えた。
そして、その後に残ったのは——Reluの、たった一言。
「ありがとう」
—
その“祈り”は、永遠に消えない。
誰かを救おうとした声。
誰にも届かないと思っていた声。
それでも、確かに誰かの心を震わせた。
Reluの『Prayers』は、今もどこかで再生されている。
そして、それを聴いた“誰か”が、また誰かを救っていく。
ある日、LANのもとに一通の封筒が届いた。
中には、USBメモリと短い手紙。
「LANへ。
もしも自分がいなくなったら、この曲をみんなに届けてほしい。
これは“お願い”じゃない。俺の、“祈り”や。
Relu」
LANは震える指でUSBを挿し、再生ボタンを押した。
——その瞬間、音楽が流れ出した。
重く低く響くピアノ。
切り裂くようなギター。
そして、Reluの声。
「どうして言わへんかったん……」
LANは声を押し殺して泣いた。曲の最後には、Reluのモノローグが収録されていた。
「自分が居なくなっても、どうか前を向いてほしい。
ほんまは……生きたかった。でも、それ以上に守りたかった。
俺にしかできへんことがあるって、信じたかったんや——」
—
LANは、その楽曲を動画にしてネットにアップした。
タイトルは「Prayers」。
コメント欄には、見知らぬ人たちからの言葉が溢れた。
「知らなかった。けど、涙が止まらない」
「今、苦しんでる自分を救ってくれた」
「これは、祈りそのものだと思う」
—
LANはメンバー全員にその曲を配った。
◇
すちは、イヤホンでその曲を聴きながら、自分の部屋でじっと空を見ていた。
「……Relu、あんたはいつだって本気だったんだな」
彼は机の上の写真立てを手に取った。そこには、かつての学園祭で笑い合うReluと自分の姿があった。
—
いるまは、バスの中で目を閉じながら聴いた。
Reluの声が胸に刺さる。
「なあ……守るって、どういうことだろうな」
彼はカッターで傷つけられた自分の手首を見つめた。
そして、Reluの名前を呟いた。
「俺、もう逃げねぇ」
—
みことは、自分の部屋で千羽鶴を折りながら、その曲を流していた。
「うわぁ……Relu、ほんまに最後までズルいわ……泣かせる気かい」
でも、彼女は笑っていた。
泣きながら、笑っていた。
「救われたよ。お前の声に」
—
そして、藍は——。
夜の屋上。風が吹き抜ける中、スピーカーで『Prayers』を流していた。
Reluの声が、夜空に響く。
藍は静かに、目を閉じる。
「お前の“祈り”は、ちゃんと届いたよ」
彼は空に向かって微笑んだ。
「……俺たちは、もう二度と、誰も見捨てない。だから、見ててくれ。俺たちの“これから”を」
—
ラストサビの終わり、音が消えた。
そして、その後に残ったのは——Reluの、たった一言。
「ありがとう」
—
その“祈り”は、永遠に消えない。
誰かを救おうとした声。
誰にも届かないと思っていた声。
それでも、確かに誰かの心を震わせた。
Reluの『Prayers』は、今もどこかで再生されている。
そして、それを聴いた“誰か”が、また誰かを救っていく。