証拠 west.
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体育館は人でぎっしり埋まっていた。
クラス展示や模擬店のにぎやかさとはまるで違う、熱気。
ステージの上に設置された照明が、ギラギラと輝いている。
悠斗は舞台袖で、自分のギターを何度も確認していた。
手汗でピックが滑りそうになるたび、心臓がひとつ跳ねる。
――怖い。
けれど、逃げたくはなかった。
今まで閉じてきた心の扉を、今日は開く日だと決めていたから。
「大丈夫。いける」
横に立つ葵が、どん、と悠斗の背中を叩いた。
「お前の音、絶対届くって」
その言葉が、震えていた心をまっすぐ支えてくれる。
幕が上がる。
割れんばかりの歓声と拍手。
ドラムのカウントが始まる。
スティックが打ち鳴らすリズムが合図だった。
ベースが低く唸り、キーボードが和音を重ねる。
悠斗の指が、ギターの弦に触れた。
ジャーン――
体育館の空気が震えた。
その瞬間、頭の中の迷いが全部吹き飛んだ。
音が、自分を前に押し出してくれる。
“消えちまえ”って呟いた夜も、
眠れないまま朝を迎えた日も、
誰にも気づかれず泣き疲れた放課後も、
全部、この音に変わっていく。
葵のドラムが疾走する。
ボーカルが高らかに歌い上げる。
そして――サビ。
悠斗は一歩、前に出た。
弦を叩くように、全身でかき鳴らす。
観客の歓声が、体育館いっぱいに響く。
まるで全員が「生きろ」と叫んでくれているようだった。
「らしく行こうぜ――!」
誰が言ったわけでもない。
でも、ステージの上の全員が、同じ想いを抱いていた。
苦しくても、不器用でも、
それでも進んできたこの道が、
いま、光のステージに繋がっている――。
曲が終わると、割れんばかりの拍手と歓声が体育館を包んだ。
悠斗はギターを抱えたまま、ゆっくりと頭を下げる。
胸の奥から、熱いものが込み上げてくる。
泣いてはいけないと思えば思うほど、涙が零れそうだった。
舞台袖に戻ると、葵がにやっと笑った。
「な? 言ったろ、届くって」
悠斗は、声を震わせながらも笑った。
「……ああ。届いた。ちゃんと」
空っぽだと思っていた心の奥に、
確かな何かが、灯っていた。
曲がりくねったこの道の先に、まだ何が待っているかはわからない。
でも――もう怖くはなかった。
音が、仲間が、ちゃんとこの足を前に押してくれる。
悠斗はもう一度、ギターケースを強く抱きしめた。
自分の“生きている音”が、こんなにも温かいものだと知ったから。
クラス展示や模擬店のにぎやかさとはまるで違う、熱気。
ステージの上に設置された照明が、ギラギラと輝いている。
悠斗は舞台袖で、自分のギターを何度も確認していた。
手汗でピックが滑りそうになるたび、心臓がひとつ跳ねる。
――怖い。
けれど、逃げたくはなかった。
今まで閉じてきた心の扉を、今日は開く日だと決めていたから。
「大丈夫。いける」
横に立つ葵が、どん、と悠斗の背中を叩いた。
「お前の音、絶対届くって」
その言葉が、震えていた心をまっすぐ支えてくれる。
幕が上がる。
割れんばかりの歓声と拍手。
ドラムのカウントが始まる。
スティックが打ち鳴らすリズムが合図だった。
ベースが低く唸り、キーボードが和音を重ねる。
悠斗の指が、ギターの弦に触れた。
ジャーン――
体育館の空気が震えた。
その瞬間、頭の中の迷いが全部吹き飛んだ。
音が、自分を前に押し出してくれる。
“消えちまえ”って呟いた夜も、
眠れないまま朝を迎えた日も、
誰にも気づかれず泣き疲れた放課後も、
全部、この音に変わっていく。
葵のドラムが疾走する。
ボーカルが高らかに歌い上げる。
そして――サビ。
悠斗は一歩、前に出た。
弦を叩くように、全身でかき鳴らす。
観客の歓声が、体育館いっぱいに響く。
まるで全員が「生きろ」と叫んでくれているようだった。
「らしく行こうぜ――!」
誰が言ったわけでもない。
でも、ステージの上の全員が、同じ想いを抱いていた。
苦しくても、不器用でも、
それでも進んできたこの道が、
いま、光のステージに繋がっている――。
曲が終わると、割れんばかりの拍手と歓声が体育館を包んだ。
悠斗はギターを抱えたまま、ゆっくりと頭を下げる。
胸の奥から、熱いものが込み上げてくる。
泣いてはいけないと思えば思うほど、涙が零れそうだった。
舞台袖に戻ると、葵がにやっと笑った。
「な? 言ったろ、届くって」
悠斗は、声を震わせながらも笑った。
「……ああ。届いた。ちゃんと」
空っぽだと思っていた心の奥に、
確かな何かが、灯っていた。
曲がりくねったこの道の先に、まだ何が待っているかはわからない。
でも――もう怖くはなかった。
音が、仲間が、ちゃんとこの足を前に押してくれる。
悠斗はもう一度、ギターケースを強く抱きしめた。
自分の“生きている音”が、こんなにも温かいものだと知ったから。