病みクラ すたぽら
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──それは、とある一日のことだった。
すたぽら解散から半年。
誰もがそれぞれの人生を歩み始めていた。
けれど、あの騒動の痕跡は、ネットの片隅に確かに残り続けている。
「……懐かしいな」
くにが偶然クリックしたまとめサイトには、今では更新が止まった彼らの記録が、過去の遺産のように掲載されていた。
「ほんと、あの頃は……地獄だったよな」
こったろは苦笑しながら、当時のDMスクショを懐かしそうに眺めていた。
「でも、全部消すのも、違うよね」
ゆうはぼそっと言った。
「うん、無かったことにしたら、あいつに失礼やもんな」
Reluの名前は出さなかった。
出さなくても、誰のことか分かっていた。
Coe.がふと、スマホを取り出す。
「あの動画、再投稿しようかな」
「『BAN』?」
「うん……期間限定でもう一回だけ。“あの時の俺たち”ってことで」
「いいと思うよ」藍の声が通話越しに届いた。
「……きっと、見てるよ」
その夜、動画サイトに『BAN(Re:memory ver.)』が投稿された。
画質は少しだけ良くなっていて、歌詞の字幕には新たな一行が加えられていた。
──『今度こそ、届きますように』
再生数は、以前ほど爆発的ではなかった。
けれど、コメントは静かに流れ続けた。
「まだ待ってる」
「いつまでも大好き」
「君たちは、間違ってなかったよ」
そして画面の右下。
そこには、Reluのアカウント名ではない、まったく新しい匿名のコメントが一つ。
『404 NOT FOUND……なんてな。見てるで』
メンバーたちは、そのコメントに気づかなかった。
でも──藍だけは、ほんの一瞬、微笑んだ。
「……バレバレだよ、Relu」
その呟きが、夜の空気に溶けていった。
すたぽら解散から半年。
誰もがそれぞれの人生を歩み始めていた。
けれど、あの騒動の痕跡は、ネットの片隅に確かに残り続けている。
「……懐かしいな」
くにが偶然クリックしたまとめサイトには、今では更新が止まった彼らの記録が、過去の遺産のように掲載されていた。
「ほんと、あの頃は……地獄だったよな」
こったろは苦笑しながら、当時のDMスクショを懐かしそうに眺めていた。
「でも、全部消すのも、違うよね」
ゆうはぼそっと言った。
「うん、無かったことにしたら、あいつに失礼やもんな」
Reluの名前は出さなかった。
出さなくても、誰のことか分かっていた。
Coe.がふと、スマホを取り出す。
「あの動画、再投稿しようかな」
「『BAN』?」
「うん……期間限定でもう一回だけ。“あの時の俺たち”ってことで」
「いいと思うよ」藍の声が通話越しに届いた。
「……きっと、見てるよ」
その夜、動画サイトに『BAN(Re:memory ver.)』が投稿された。
画質は少しだけ良くなっていて、歌詞の字幕には新たな一行が加えられていた。
──『今度こそ、届きますように』
再生数は、以前ほど爆発的ではなかった。
けれど、コメントは静かに流れ続けた。
「まだ待ってる」
「いつまでも大好き」
「君たちは、間違ってなかったよ」
そして画面の右下。
そこには、Reluのアカウント名ではない、まったく新しい匿名のコメントが一つ。
『404 NOT FOUND……なんてな。見てるで』
メンバーたちは、そのコメントに気づかなかった。
でも──藍だけは、ほんの一瞬、微笑んだ。
「……バレバレだよ、Relu」
その呟きが、夜の空気に溶けていった。