病みクラ すたぽら
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──都内のスタジオ。
防音された部屋の中、こったろはコードを確認するようにギターの弦を撫でていた。
静寂の中に響く、単音の鳴き声。
誰もいないスタジオでのセッションが、もう何ヶ月も続いている。
すたぽら解散後、彼はどこにも所属せず、個人で音楽活動を続けていた。表には出ず、SNSも使わず、ただひたすらに音を紡ぎ続けている。
「これで……いいのかな」
譜面台に置いた楽譜を見つめながら、こったろは呟いた。
すたぽらが消えた後、彼には大きな空白ができた。けれどその空白を埋めようとはせず、受け入れて静かに生きている。
誰かに求められることも、誰かを傷つけることもないように。
音だけが、彼のそばに残った。
ある日、一本の電話が鳴った。
「……こったろさん、ですよね。昔、あなたが書いたコードが、今になってとても響くんです。もし、もう一度──」
こったろは、そっと電話を切った。
数秒後、ギターの弦を弾く。
Cメジャー。
無音のような、そのやさしい響きがスタジオに広がった。
「……これが、今の俺だよ」
それだけを答えるように、彼はまた弾き始めた。
名を残すことも、称賛を受けることもない。
けれど、音は嘘をつかない。
彼の心は、その音の中にだけ、確かにあった。
防音された部屋の中、こったろはコードを確認するようにギターの弦を撫でていた。
静寂の中に響く、単音の鳴き声。
誰もいないスタジオでのセッションが、もう何ヶ月も続いている。
すたぽら解散後、彼はどこにも所属せず、個人で音楽活動を続けていた。表には出ず、SNSも使わず、ただひたすらに音を紡ぎ続けている。
「これで……いいのかな」
譜面台に置いた楽譜を見つめながら、こったろは呟いた。
すたぽらが消えた後、彼には大きな空白ができた。けれどその空白を埋めようとはせず、受け入れて静かに生きている。
誰かに求められることも、誰かを傷つけることもないように。
音だけが、彼のそばに残った。
ある日、一本の電話が鳴った。
「……こったろさん、ですよね。昔、あなたが書いたコードが、今になってとても響くんです。もし、もう一度──」
こったろは、そっと電話を切った。
数秒後、ギターの弦を弾く。
Cメジャー。
無音のような、そのやさしい響きがスタジオに広がった。
「……これが、今の俺だよ」
それだけを答えるように、彼はまた弾き始めた。
名を残すことも、称賛を受けることもない。
けれど、音は嘘をつかない。
彼の心は、その音の中にだけ、確かにあった。