病みクラ すたぽら
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──投稿当日。
「BAN」──それはすたぽらのすべてを詰め込んだ、最後の楽曲だった。
午前0時。
動画サイトにその楽曲が投稿された瞬間、通知がファンたちのスマホに届く。
「……きた」
Coe.は配信部屋の暗闇で、小さく呟いた。
こったろはギターの弦を指で撫でながら、静かに目を閉じる。
くには何度も再生ボタンを押したり戻したりして、落ち着かない。
ゆうは涙を堪えながら、スマホ画面を見つめていた。
藍は、Reluの隣にいた。
Reluは目を伏せたまま、再生回数とコメントの洪水を黙って見つめている。
『隠してた煩悩 綻び敗れていく』
『吐き捨てる焦燥 拡散の幕が開ける』
激しいサウンドと共に始まる、怒りと痛みの叫び。
『病んじゃった クラちゃった こんなはずじゃなかったんだ』
『軽い言葉に潰される』
全てが、真実だった。
嘘も演出もなかった。
この数ヶ月間、彼らが見てきた「地獄」をそのまま歌にしていた。
『ババババ ババババ BANBAN』
歪んだ社会、踏みにじられた尊厳、すり減った心。
コメント欄は瞬時に炎上した。
「炎上商法かよ」
「でも……泣いた」
「お前らに人の心はないのか」
「これは、芸術だ」
擁護も罵倒も、讃美も拒絶も、全てが入り乱れる。
Reluは一つだけ、コメントを拾って呟いた。
「……“最後まで聴いてくれてありがとう”か。変な人やな……」
「変じゃないよ。あんたの全部、ちゃんと届いたってことだ」
藍の言葉に、Reluは小さく笑った。
その笑みは、初めて「救われた」ものだった。
「BAN」──それはすたぽらのすべてを詰め込んだ、最後の楽曲だった。
午前0時。
動画サイトにその楽曲が投稿された瞬間、通知がファンたちのスマホに届く。
「……きた」
Coe.は配信部屋の暗闇で、小さく呟いた。
こったろはギターの弦を指で撫でながら、静かに目を閉じる。
くには何度も再生ボタンを押したり戻したりして、落ち着かない。
ゆうは涙を堪えながら、スマホ画面を見つめていた。
藍は、Reluの隣にいた。
Reluは目を伏せたまま、再生回数とコメントの洪水を黙って見つめている。
『隠してた煩悩 綻び敗れていく』
『吐き捨てる焦燥 拡散の幕が開ける』
激しいサウンドと共に始まる、怒りと痛みの叫び。
『病んじゃった クラちゃった こんなはずじゃなかったんだ』
『軽い言葉に潰される』
全てが、真実だった。
嘘も演出もなかった。
この数ヶ月間、彼らが見てきた「地獄」をそのまま歌にしていた。
『ババババ ババババ BANBAN』
歪んだ社会、踏みにじられた尊厳、すり減った心。
コメント欄は瞬時に炎上した。
「炎上商法かよ」
「でも……泣いた」
「お前らに人の心はないのか」
「これは、芸術だ」
擁護も罵倒も、讃美も拒絶も、全てが入り乱れる。
Reluは一つだけ、コメントを拾って呟いた。
「……“最後まで聴いてくれてありがとう”か。変な人やな……」
「変じゃないよ。あんたの全部、ちゃんと届いたってことだ」
藍の言葉に、Reluは小さく笑った。
その笑みは、初めて「救われた」ものだった。