病みクラ すたぽら
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あの再会から数日が経った。
Reluは、メンバーともう一度向き合う決意を固めたものの、病状が好転するわけではない。むしろ、気力で動いていた身体は、ついに限界を迎えようとしていた。
「Relu、今日は大丈夫?」
藍がリビングにお茶を運んでくると、ソファに横たわったReluが微かに頷いた。
「ちょっとだけやけど……声は出るわ」
「そっか。よかった」
「……なあ、藍」
「うん?」
Reluは、少しだけ体を起こして、かすれた声で言った。
「歌詞、書きたい。……最後のやつを、残したい」
藍の目が大きく見開かれた。
「歌詞?」
「うん。俺の、最後のわがままかもしれん。……けど、もう一度だけ、あいつらに向けて書きたい。伝えたいことがある」
「Relu……」
「俺が、どんだけ“怖かったか”。どれだけ“君らに生きていてほしかったか”。どれだけ、俺が……この世界を嫌いにならんように、君らが“光”やったかってことを」
Reluはノートを取り出し、鉛筆を手に取った。
その手は震えていたが、その筆致は確かだった。
「“隠してた煩悩 綻び敗れていく”……」
「……Relu、それ、すたぽらの曲……?」
「そうや。けどこれは、最初で最後の“自分のための歌”になる」
Reluは息を深く吸い、言葉を刻むように歌詞を書き続けた。
隠してた煩悩
綻び敗れていく
君の声が胸に刺さって
もう戻れない
壊れたこの世界に
まだ手を伸ばす理由を
君の光に見つけたんだ
終わりじゃない
ただ、今、ここに
僕がいた証を残すよ
泣いてもいい、叫んでもいい
どうか、生きていて
藍は、その歌詞を見ながら目頭を熱くした。
「Relu……これは……」
「俺の人生の、すべてや。弱さも、後悔も、感謝も……全部込めた。もう思い残すことない」
数日後、すたぽらのメンバーが集まった小さなスタジオ。
Reluが書いた最後の歌詞が、一枚の紙に収められていた。
「Reluの最後のメッセージ……歌にしよう」
Coe.がそう言うと、全員が無言で頷いた。
ピアノの前に座るのは、ゆう。
ギターを持ったこったろ、トラックを整えるくに、サビを編曲するCoe.
誰も言葉にしない。けれどそこには、Reluへの想いがあふれていた。
そして、曲は完成した。
タイトルは――「Starlight Endroll」
それは、Reluが綴った終幕であり、彼の人生のエンドロールだった。
配信されたその曲は、瞬く間に多くの人の心を打ち、SNSには「救われた」「涙が止まらない」という言葉が溢れた。
だが、Relu本人の姿を目にすることは――もう、二度となかった。
最後に姿を現したのは、あの港の堤防。
その後、Reluは藍と共に、人知れず姿を消した。
彼の残した“最後の歌”だけが、今も人々の胸に生き続けている。
Reluは、メンバーともう一度向き合う決意を固めたものの、病状が好転するわけではない。むしろ、気力で動いていた身体は、ついに限界を迎えようとしていた。
「Relu、今日は大丈夫?」
藍がリビングにお茶を運んでくると、ソファに横たわったReluが微かに頷いた。
「ちょっとだけやけど……声は出るわ」
「そっか。よかった」
「……なあ、藍」
「うん?」
Reluは、少しだけ体を起こして、かすれた声で言った。
「歌詞、書きたい。……最後のやつを、残したい」
藍の目が大きく見開かれた。
「歌詞?」
「うん。俺の、最後のわがままかもしれん。……けど、もう一度だけ、あいつらに向けて書きたい。伝えたいことがある」
「Relu……」
「俺が、どんだけ“怖かったか”。どれだけ“君らに生きていてほしかったか”。どれだけ、俺が……この世界を嫌いにならんように、君らが“光”やったかってことを」
Reluはノートを取り出し、鉛筆を手に取った。
その手は震えていたが、その筆致は確かだった。
「“隠してた煩悩 綻び敗れていく”……」
「……Relu、それ、すたぽらの曲……?」
「そうや。けどこれは、最初で最後の“自分のための歌”になる」
Reluは息を深く吸い、言葉を刻むように歌詞を書き続けた。
隠してた煩悩
綻び敗れていく
君の声が胸に刺さって
もう戻れない
壊れたこの世界に
まだ手を伸ばす理由を
君の光に見つけたんだ
終わりじゃない
ただ、今、ここに
僕がいた証を残すよ
泣いてもいい、叫んでもいい
どうか、生きていて
藍は、その歌詞を見ながら目頭を熱くした。
「Relu……これは……」
「俺の人生の、すべてや。弱さも、後悔も、感謝も……全部込めた。もう思い残すことない」
数日後、すたぽらのメンバーが集まった小さなスタジオ。
Reluが書いた最後の歌詞が、一枚の紙に収められていた。
「Reluの最後のメッセージ……歌にしよう」
Coe.がそう言うと、全員が無言で頷いた。
ピアノの前に座るのは、ゆう。
ギターを持ったこったろ、トラックを整えるくに、サビを編曲するCoe.
誰も言葉にしない。けれどそこには、Reluへの想いがあふれていた。
そして、曲は完成した。
タイトルは――「Starlight Endroll」
それは、Reluが綴った終幕であり、彼の人生のエンドロールだった。
配信されたその曲は、瞬く間に多くの人の心を打ち、SNSには「救われた」「涙が止まらない」という言葉が溢れた。
だが、Relu本人の姿を目にすることは――もう、二度となかった。
最後に姿を現したのは、あの港の堤防。
その後、Reluは藍と共に、人知れず姿を消した。
彼の残した“最後の歌”だけが、今も人々の胸に生き続けている。