病みクラ すたぽら
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Reluは、スマホを握りしめていた。
Coe.からのメッセージ。それは、逃げ続けてきた“本当の自分”と向き合うための扉だった。
「藍……俺、会うわ。Coe.くんに」
「……そうか。気をつけてな。心、削られるかもしれない」
Reluは小さく笑った。
「俺、もう心ズタボロやからな。今さら削られても大差ないわ」
藍は何も言わなかった。ただ、Reluの背に手を添え、優しく押す。
「行ってこい。お前が選んだ光を、もう一度見てこい」
待ち合わせ場所は、Reluが以前、Coe.とよく来ていた喫茶店だった。
懐かしい看板。微かに甘いバニラの香り。少し黄ばんだレースのカーテン。
そこに――Coe.はいた。
「……Reluさん」
「……おう。久しぶりやな、Coe.くん」
椅子に座るReluの動作がぎこちない。対して、Coe.は姿勢良く、背筋を伸ばしていた。
「何、話したいん?」
「……謝りたいことがあるんだ」
Reluは眉をひそめる。
「謝る?なんでお前が?」
「君が姿を消したあの日、僕は……全部気づいてたのに、何もできなかった」
Reluの心臓が跳ねた。
「なんで、気づいてたんや……?」
「れるち。君が無理してるのなんて、僕が一番分かってた。いつも真っ先にスタジオに来て、一番最後まで残ってた。みんなが笑ってるとき、君だけ眉をひそめてた」
「……」
「でも、僕はリーダーとして、君の“弱さ”を見ようとしなかった。無意識に、君に甘えてたんだ。『Reluさんなら大丈夫だ』って……勝手に思い込んでた」
言葉のひとつひとつが、Reluの胸を深く抉った。
「俺のせいやで。俺が勝手に、離れた。何も言わんと――」
「違う!君が悪いんじゃない!」
Coe.の声が、店内に響く。
「……悪いのは、僕だ。君のSOSに、最初に気づいたのに、怖くて向き合えなかった。君の苦しみを、真正面から受け止める覚悟がなかった。リーダー失格だ」
Reluは目を伏せた。震える手で、コップの水を握りしめる。
「……なあ、Coe.くん。もし、俺がさ。全部打ち明けてたら、受け止めてくれたと思う?」
「……正直に言うと、分からない。僕はきっと……それを聞いて、泣いて、崩れてたと思う」
「……弱いな、俺ら」
「うん。僕らは、ずっと強がってただけの、ただの少年だった」
しばし沈黙が流れた。あまりにも濃く、深い沈黙。
やがてReluは言った。
「俺、もう戻られへん。メンバーには……嫌われようとした。突き放した。ほんまのことも言わんかった。もう、あの場所には……」
「君が戻りたいなら、僕は何度でも受け入れる」
「……は?」
「でも、戻らないって決めたなら、僕はそれを止めない」
Coe.の目は真っ直ぐだった。揺れていない。怒っていない。ただ、信じていた。
「君の選ぶ道が、光でも、闇でも……僕はその選択を尊重する」
Reluの目に、また涙が浮かぶ。
「なんで……なんでそんな、優しいんや……!」
「君が、僕の大切な仲間だから」
Reluはもう、涙を止められなかった。
「俺、もうすぐ死ぬんやで……! 余命1年やって、医者に言われて……もう治らへんって……!!」
店内の空気が一瞬、凍りついたように静かになった。
Coe.はただ、目を見開き――そして、唇を噛んだ。
「……そっか」
それだけだった。
怒りも、取り乱しも、なかった。
ただ、受け止めてくれた。
「君が生きてる間、やりたいことを全部やってほしい。無理に“戻る”必要なんて、どこにもない」
「……すまん。俺、お前らと一緒にいたかった。もっと、歌いたかった。笑ってたかった……!」
Coe.は静かに席を立ち、Reluの前まで来て、そっと肩に手を置いた。
「Reluさん。君がそう思ってくれてるだけで、僕たちは救われてる」
Reluの嗚咽が、静かな店内に響く。
数時間後。Reluは藍のアパートに戻った。
玄関を開けると、藍がコーヒーを淹れていた。
「……どうだった?」
Reluは泣き笑いの顔で答えた。
「もう、戻られへん。でも……戻らなくても、許されるって分かった」
「それで、いいんだよ」
藍はカップを差し出した。
「お前が選んだその道が、きっとお前自身を救ってくれる」
「せやな……でも、時間、足りへんな。死ぬまでに全部伝えきれるか、わからん」
「それでも伝えるんだろ?お前の魂は、まだ歌ってる」
Reluは小さく頷いた。
「――せやな。まだ、終わってへん」
彼の心に、灯がともっていた。
壊れかけた未来を、最後まで抱きしめるために。
Coe.からのメッセージ。それは、逃げ続けてきた“本当の自分”と向き合うための扉だった。
「藍……俺、会うわ。Coe.くんに」
「……そうか。気をつけてな。心、削られるかもしれない」
Reluは小さく笑った。
「俺、もう心ズタボロやからな。今さら削られても大差ないわ」
藍は何も言わなかった。ただ、Reluの背に手を添え、優しく押す。
「行ってこい。お前が選んだ光を、もう一度見てこい」
待ち合わせ場所は、Reluが以前、Coe.とよく来ていた喫茶店だった。
懐かしい看板。微かに甘いバニラの香り。少し黄ばんだレースのカーテン。
そこに――Coe.はいた。
「……Reluさん」
「……おう。久しぶりやな、Coe.くん」
椅子に座るReluの動作がぎこちない。対して、Coe.は姿勢良く、背筋を伸ばしていた。
「何、話したいん?」
「……謝りたいことがあるんだ」
Reluは眉をひそめる。
「謝る?なんでお前が?」
「君が姿を消したあの日、僕は……全部気づいてたのに、何もできなかった」
Reluの心臓が跳ねた。
「なんで、気づいてたんや……?」
「れるち。君が無理してるのなんて、僕が一番分かってた。いつも真っ先にスタジオに来て、一番最後まで残ってた。みんなが笑ってるとき、君だけ眉をひそめてた」
「……」
「でも、僕はリーダーとして、君の“弱さ”を見ようとしなかった。無意識に、君に甘えてたんだ。『Reluさんなら大丈夫だ』って……勝手に思い込んでた」
言葉のひとつひとつが、Reluの胸を深く抉った。
「俺のせいやで。俺が勝手に、離れた。何も言わんと――」
「違う!君が悪いんじゃない!」
Coe.の声が、店内に響く。
「……悪いのは、僕だ。君のSOSに、最初に気づいたのに、怖くて向き合えなかった。君の苦しみを、真正面から受け止める覚悟がなかった。リーダー失格だ」
Reluは目を伏せた。震える手で、コップの水を握りしめる。
「……なあ、Coe.くん。もし、俺がさ。全部打ち明けてたら、受け止めてくれたと思う?」
「……正直に言うと、分からない。僕はきっと……それを聞いて、泣いて、崩れてたと思う」
「……弱いな、俺ら」
「うん。僕らは、ずっと強がってただけの、ただの少年だった」
しばし沈黙が流れた。あまりにも濃く、深い沈黙。
やがてReluは言った。
「俺、もう戻られへん。メンバーには……嫌われようとした。突き放した。ほんまのことも言わんかった。もう、あの場所には……」
「君が戻りたいなら、僕は何度でも受け入れる」
「……は?」
「でも、戻らないって決めたなら、僕はそれを止めない」
Coe.の目は真っ直ぐだった。揺れていない。怒っていない。ただ、信じていた。
「君の選ぶ道が、光でも、闇でも……僕はその選択を尊重する」
Reluの目に、また涙が浮かぶ。
「なんで……なんでそんな、優しいんや……!」
「君が、僕の大切な仲間だから」
Reluはもう、涙を止められなかった。
「俺、もうすぐ死ぬんやで……! 余命1年やって、医者に言われて……もう治らへんって……!!」
店内の空気が一瞬、凍りついたように静かになった。
Coe.はただ、目を見開き――そして、唇を噛んだ。
「……そっか」
それだけだった。
怒りも、取り乱しも、なかった。
ただ、受け止めてくれた。
「君が生きてる間、やりたいことを全部やってほしい。無理に“戻る”必要なんて、どこにもない」
「……すまん。俺、お前らと一緒にいたかった。もっと、歌いたかった。笑ってたかった……!」
Coe.は静かに席を立ち、Reluの前まで来て、そっと肩に手を置いた。
「Reluさん。君がそう思ってくれてるだけで、僕たちは救われてる」
Reluの嗚咽が、静かな店内に響く。
数時間後。Reluは藍のアパートに戻った。
玄関を開けると、藍がコーヒーを淹れていた。
「……どうだった?」
Reluは泣き笑いの顔で答えた。
「もう、戻られへん。でも……戻らなくても、許されるって分かった」
「それで、いいんだよ」
藍はカップを差し出した。
「お前が選んだその道が、きっとお前自身を救ってくれる」
「せやな……でも、時間、足りへんな。死ぬまでに全部伝えきれるか、わからん」
「それでも伝えるんだろ?お前の魂は、まだ歌ってる」
Reluは小さく頷いた。
「――せやな。まだ、終わってへん」
彼の心に、灯がともっていた。
壊れかけた未来を、最後まで抱きしめるために。