病みクラ すたぽら
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Reluの涙が乾いた頃、藍は黙って隣にいた。
ティッシュを差し出すわけでも、慰める言葉を投げるわけでもなく、ただ傍で時間が流れるのを見守る。それが今のReluには、いちばん優しい“寄り添い方”だった。
「ありがとうな、藍……」
「礼なんかいらないよ。お前が泣ける場所があってよかった」
静かなやりとりの中にも、熱のこもった想いが流れていた。
翌日、Reluはひとりで散歩に出た。
街は、どこまでも平和だった。子どもが笑って、パン屋のにおいがして、遠くで犬が吠える。こんな日常が、かつての自分のすぐそばにあったことを、どこか遠い記憶のように感じていた。
(俺は……戻れへんのやろか)
そう思ったとき、ポケットの中でスマホが震えた。
「くに」からのLINE。
「今日、電話できるか?」
一瞬、拒絶しようとした指が止まった。
逃げてばかりでは、もういけない気がした。
(くに、なんで俺と話したいんやろ……)
恐る恐る通話を押すと、まるで待っていたかのように繋がった。
「れるち!!!!!!!!!!!!」
「うるっさ!! なんやねん急に!!」
「いや、ほんとに生きてた! よかったあああああああああああああ!!!」
「うん、生きてる……なんとか」
電話越しのくにの声は、いつも通り元気だった。でも、その裏にある微かな沈黙に、Reluは気づいていた。
「なあ、なんで俺にだけ電話かけてきたん?」
くには数秒間、黙った。
そして――
「……俺さ、れるちが消えたあと、何もできなかったんだよね」
「……」
「なんか、俺ってさ、いつもバカでさ。明るくて、元気で、ノリで誤魔化して。だからさ……あの日、れるちが泣きそうな顔してたの、気づけなかったんだ」
Reluは何も言えなかった。声も出せなかった。
「でも、今なら言える気がして……ごめん」
「……なんで謝るんや、くにのせいちゃう」
「ううん、俺のせいでもあるんだ。気づけたのに、怖くて見ないフリしてた。れるちがちょっとずつ壊れていくの、分かってた。でも“それ”を見たら、俺も壊れそうで……」
その声は震えていた。笑っているようで、泣き出しそうな声だった。
Reluは思わず目を閉じる。
(あのとき、助けを求めてたのは……俺だけやなかったんかもしれへん)
「……くに、俺のこと、許せる?」
「許すも何も……俺、れるちのこと、大好きだよ」
その言葉に、Reluの喉が詰まる。
「バカで、お節介で、うるさくて、才能の塊で、優しくて。……俺、ずっと憧れてたよ」
「くに……」
「だからさ、れるち。お前が俺たちに嫌われようとしてるの、分かってるよ」
Reluの心臓が一瞬止まった気がした。
「でも、無理だよ。嫌いになんてなれない。なにされたって、ずっと大好きなんだよ、俺たちは」
その言葉が、Reluの心を貫いた。
藍でもなく、Coe.でもなく、ゆうでもなく――
くにだからこそ、言えた言葉。
くにだからこそ、Reluの“歪んだ優しさ”を、まっすぐ見抜けたのだ。
「くに……ほんまに、ありがとう」
「へへ、泣いた?泣いてるでしょ?今、泣いてるっしょ?」
「泣いてへんわアホ!!」
「ウソだ!絶対ウソだ!」
Reluが笑った。
その声が、確かに“今を生きてる”証だった。
電話を切った後、Reluは藍に告げた。
「次は……Coe.くんに、話さなあかんな」
藍は頷いた。
「うん。お前の中にある“過去”と、“未来”の間に、踏み出す準備ができたみたいだな」
「そやな……そろそろ、覚悟、決めなあかん」
Reluは空を見上げた。
かつて一緒にステージに立った、あの明かりの先を。
でも、まだ彼の足は震えていた。
その夜。
Coe.から、一通のメッセージが届く。
「Relu。話したいことがある。時間くれないか?」
運命の対話が、すぐそこに迫っていた。
ティッシュを差し出すわけでも、慰める言葉を投げるわけでもなく、ただ傍で時間が流れるのを見守る。それが今のReluには、いちばん優しい“寄り添い方”だった。
「ありがとうな、藍……」
「礼なんかいらないよ。お前が泣ける場所があってよかった」
静かなやりとりの中にも、熱のこもった想いが流れていた。
翌日、Reluはひとりで散歩に出た。
街は、どこまでも平和だった。子どもが笑って、パン屋のにおいがして、遠くで犬が吠える。こんな日常が、かつての自分のすぐそばにあったことを、どこか遠い記憶のように感じていた。
(俺は……戻れへんのやろか)
そう思ったとき、ポケットの中でスマホが震えた。
「くに」からのLINE。
「今日、電話できるか?」
一瞬、拒絶しようとした指が止まった。
逃げてばかりでは、もういけない気がした。
(くに、なんで俺と話したいんやろ……)
恐る恐る通話を押すと、まるで待っていたかのように繋がった。
「れるち!!!!!!!!!!!!」
「うるっさ!! なんやねん急に!!」
「いや、ほんとに生きてた! よかったあああああああああああああ!!!」
「うん、生きてる……なんとか」
電話越しのくにの声は、いつも通り元気だった。でも、その裏にある微かな沈黙に、Reluは気づいていた。
「なあ、なんで俺にだけ電話かけてきたん?」
くには数秒間、黙った。
そして――
「……俺さ、れるちが消えたあと、何もできなかったんだよね」
「……」
「なんか、俺ってさ、いつもバカでさ。明るくて、元気で、ノリで誤魔化して。だからさ……あの日、れるちが泣きそうな顔してたの、気づけなかったんだ」
Reluは何も言えなかった。声も出せなかった。
「でも、今なら言える気がして……ごめん」
「……なんで謝るんや、くにのせいちゃう」
「ううん、俺のせいでもあるんだ。気づけたのに、怖くて見ないフリしてた。れるちがちょっとずつ壊れていくの、分かってた。でも“それ”を見たら、俺も壊れそうで……」
その声は震えていた。笑っているようで、泣き出しそうな声だった。
Reluは思わず目を閉じる。
(あのとき、助けを求めてたのは……俺だけやなかったんかもしれへん)
「……くに、俺のこと、許せる?」
「許すも何も……俺、れるちのこと、大好きだよ」
その言葉に、Reluの喉が詰まる。
「バカで、お節介で、うるさくて、才能の塊で、優しくて。……俺、ずっと憧れてたよ」
「くに……」
「だからさ、れるち。お前が俺たちに嫌われようとしてるの、分かってるよ」
Reluの心臓が一瞬止まった気がした。
「でも、無理だよ。嫌いになんてなれない。なにされたって、ずっと大好きなんだよ、俺たちは」
その言葉が、Reluの心を貫いた。
藍でもなく、Coe.でもなく、ゆうでもなく――
くにだからこそ、言えた言葉。
くにだからこそ、Reluの“歪んだ優しさ”を、まっすぐ見抜けたのだ。
「くに……ほんまに、ありがとう」
「へへ、泣いた?泣いてるでしょ?今、泣いてるっしょ?」
「泣いてへんわアホ!!」
「ウソだ!絶対ウソだ!」
Reluが笑った。
その声が、確かに“今を生きてる”証だった。
電話を切った後、Reluは藍に告げた。
「次は……Coe.くんに、話さなあかんな」
藍は頷いた。
「うん。お前の中にある“過去”と、“未来”の間に、踏み出す準備ができたみたいだな」
「そやな……そろそろ、覚悟、決めなあかん」
Reluは空を見上げた。
かつて一緒にステージに立った、あの明かりの先を。
でも、まだ彼の足は震えていた。
その夜。
Coe.から、一通のメッセージが届く。
「Relu。話したいことがある。時間くれないか?」
運命の対話が、すぐそこに迫っていた。