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「……いける?」
こったろの問いに、全員が小さくうなずいた。
その場には、Coe.、くに、こったろ、ゆう、そして藍がいた。
Reluのいないスタジオ。
けれど、その空間には確かに彼の“音”が生きていた。
「この曲……Reluが、全部作ってたんだよね?」
ゆうの声はかすれていた。
「そう。でも未完成だった。……だから、僕たちが最後を歌い継ぐんだ」
Coe.が、譜面を見つめながらそう答えた。
震えそうになる指先を、ぎゅっと握って。
「れるちの意思を、俺たちで繋ごう」
くにが深く息を吸い、マイクの前に立つ。
それぞれが、それぞれの痛みと向き合いながら、音を重ねていく。
ーーーーーーーー
録音は順調だった。
ただ、ひとつだけ、どうしても録れなかった部分がある。
「Reluの声で入ってた……ここ、セリフのところ」
こったろが呟くように言った。
「“それでも、君が好きだった”ってやつか」
くにが譜面を見ながら言う。
「この部分、Reluの声を加工して入れられるかもしれないけど……」
藍が口を開く。
「やめておこう。それは、Reluが選ばなかった言葉かもしれない」
全員がその言葉の意味を理解していた。
Reluは、何も言わずに“去った”。
きっとその選択も、彼なりの優しさだった。
「なら、この曲は“俺たち”の声で、最後までやりきろう」
Coe.が静かに頷いた。
ーーーーーーーー
完成した曲のタイトルは、『Polaris Requiem』。
“北極星の鎮魂歌”――。
その名の通り、Reluへの祈りであり、すたぽらの未来を示す楽曲だった。
リリースは、彼の誕生日に合わせた日。
ファンには、一切の前情報を出さなかった。
その日、動画サイトに投稿された一つの動画。
ただ、画面に映るのは“音”と“言葉”だけ。
「これは、ある仲間の物語です。
消えゆく星に、全ての愛を込めて――」
その言葉とともに、音が始まった。
悲しみも、痛みも、怒りも、優しさも。
すべてを抱えて、すたぽらは歌った。
そして、その最後。
無音のなかに、ひとつだけ、音が残る。
Reluの録音していた――ギターのフィードバック音。
誰もが、その一瞬に彼の“存在”を感じていた。
ーーーーーーーー
「見て……再生数、もう100万超えてる……」
ゆうが涙ぐみながらスマホを抱きしめた。
「コメント欄も……れるちの名前でいっぱいだよ」
くにも声を震わせながら呟いた。
「“ありがとうRelu”、“ずっと忘れない”……“会ったことないのに、泣いてます”だって」
藍は黙ってモニターを見ていた。
彼らの歌が、人の心を揺らしている――それは、Reluが望んだことだったはずだ。
そして、その反響の中に、彼自身がまだ“生きている”と信じられた。
ーーーーーーーー
録音室の片隅にあったSDカードから、ひとつだけ、音声が見つかった。
誰も知らなかった、Reluの“最後の言葉”。
「……全部、おおきにな。
自分、ほんま幸せやった。
嘘ついて、傷つけて……それでも、誰も恨んでへん。
ありがとう。……ほな、またな」
その言葉に、誰もが声を出して泣いた。
それは、優しさと覚悟に満ちた、たった数十秒の音声だった。
「れるち……ばかやろう……」
くにが、涙でぐしゃぐしゃになりながら笑った。
「……おかえり、Relu」
藍の言葉に、誰もが頷いた。
彼はもういない。
だけど、その“音”は確かに残っていた。
こったろの問いに、全員が小さくうなずいた。
その場には、Coe.、くに、こったろ、ゆう、そして藍がいた。
Reluのいないスタジオ。
けれど、その空間には確かに彼の“音”が生きていた。
「この曲……Reluが、全部作ってたんだよね?」
ゆうの声はかすれていた。
「そう。でも未完成だった。……だから、僕たちが最後を歌い継ぐんだ」
Coe.が、譜面を見つめながらそう答えた。
震えそうになる指先を、ぎゅっと握って。
「れるちの意思を、俺たちで繋ごう」
くにが深く息を吸い、マイクの前に立つ。
それぞれが、それぞれの痛みと向き合いながら、音を重ねていく。
ーーーーーーーー
録音は順調だった。
ただ、ひとつだけ、どうしても録れなかった部分がある。
「Reluの声で入ってた……ここ、セリフのところ」
こったろが呟くように言った。
「“それでも、君が好きだった”ってやつか」
くにが譜面を見ながら言う。
「この部分、Reluの声を加工して入れられるかもしれないけど……」
藍が口を開く。
「やめておこう。それは、Reluが選ばなかった言葉かもしれない」
全員がその言葉の意味を理解していた。
Reluは、何も言わずに“去った”。
きっとその選択も、彼なりの優しさだった。
「なら、この曲は“俺たち”の声で、最後までやりきろう」
Coe.が静かに頷いた。
ーーーーーーーー
完成した曲のタイトルは、『Polaris Requiem』。
“北極星の鎮魂歌”――。
その名の通り、Reluへの祈りであり、すたぽらの未来を示す楽曲だった。
リリースは、彼の誕生日に合わせた日。
ファンには、一切の前情報を出さなかった。
その日、動画サイトに投稿された一つの動画。
ただ、画面に映るのは“音”と“言葉”だけ。
「これは、ある仲間の物語です。
消えゆく星に、全ての愛を込めて――」
その言葉とともに、音が始まった。
悲しみも、痛みも、怒りも、優しさも。
すべてを抱えて、すたぽらは歌った。
そして、その最後。
無音のなかに、ひとつだけ、音が残る。
Reluの録音していた――ギターのフィードバック音。
誰もが、その一瞬に彼の“存在”を感じていた。
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「見て……再生数、もう100万超えてる……」
ゆうが涙ぐみながらスマホを抱きしめた。
「コメント欄も……れるちの名前でいっぱいだよ」
くにも声を震わせながら呟いた。
「“ありがとうRelu”、“ずっと忘れない”……“会ったことないのに、泣いてます”だって」
藍は黙ってモニターを見ていた。
彼らの歌が、人の心を揺らしている――それは、Reluが望んだことだったはずだ。
そして、その反響の中に、彼自身がまだ“生きている”と信じられた。
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録音室の片隅にあったSDカードから、ひとつだけ、音声が見つかった。
誰も知らなかった、Reluの“最後の言葉”。
「……全部、おおきにな。
自分、ほんま幸せやった。
嘘ついて、傷つけて……それでも、誰も恨んでへん。
ありがとう。……ほな、またな」
その言葉に、誰もが声を出して泣いた。
それは、優しさと覚悟に満ちた、たった数十秒の音声だった。
「れるち……ばかやろう……」
くにが、涙でぐしゃぐしゃになりながら笑った。
「……おかえり、Relu」
藍の言葉に、誰もが頷いた。
彼はもういない。
だけど、その“音”は確かに残っていた。
