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「Reluとの一番の思い出って、何?」
収録後のスタジオ。
くにの唐突な問いかけに、メンバーたちはそれぞれ静かに目を伏せた。
「……選べないな。全部、思い出だから」
Coe.がぽつりと呟いた。
隣でゆうが頷く。
「ねぇ、でも……ゆさんね、あの日のRelu、忘れられないんだ」
「どの日?」
「去年の秋、レコーディングのあと、みんなで公園に寄ったでしょ。落ち葉拾って、ゆさんが“金運アップ!”って叫んだら、Relu、めちゃくちゃ真顔で“アホか”って」
「覚えてる……! あのあと、落ち葉持ったままコンビニ入ったんだよな、ゆう」
「うん、レジで“これ、いくら?”って聞いたの」
「どんだけ天然やねん……」
Reluの声はもうそこにはないのに、笑い声だけはなぜか消えずに残っていた。
そのやりとりが、空気の中に、日常の端に、優しく染み込んでいた。
ーーーーーーーーー
こったろは一人、夜のスタジオに残っていた。
ヘッドホンをつけ、静かにReluの未発表音源を流す。
――『こったろの声って、すげぇよな。安心感あるし、音がちゃんと帰る場所見つけたって思う』
その言葉を思い出すたび、こったろの胸にじんわりと温かさが広がった。
「俺、まだお前にちゃんと『ありがとう』って言ってねぇな……」
静かにキーボードに指を添えた。
Reluが遺してくれたコードを、今度は自分の指でなぞってみる。
どこか、懐かしいようで、それでいてまったく新しい音が響いた。
ーーーーーーーー
数日後、藍からメンバーそれぞれに手紙が届いた。
Coe.さんへ
Reluが、あなたの歌声を“光”だと言っていたこと、ご存知ですか?
どんなに闇が深くても、君の声があれば照らされる、と。
だから、これからもその光を届け続けてください。
ゆうさんへ
Reluは、あなたに救われていました。
ふわふわしてるようで、芯が強くて。彼はあなたの“まっすぐ”を誇りに思っていました。
だから、これからも変わらないでいてください。
くにさんへ
Reluはあなたの不器用さが好きだったそうです。
まっすぐで、真面目で、どこか子どもみたいで。
でもその分、強くて、誰よりも誰かを想ってる。そんなあなたを、ずっと羨ましいって言ってました。
こったろさんへ
Reluにとって、あなたは“帰る場所”でした。
天然で、優しくて、頼りになる兄のような存在。
Reluは、あなたと過ごす時間が“自分の素でいられる唯一の場所”だと言っていました。
ーーーーーーーー
そして、Reluが遺した最後の手紙は、藍へのものだった。
藍へ
俺が最後まで、ちゃんと生きられたのは、あんたのおかげや。
あんたがそばにいてくれたから、俺は“死ぬこと”より、“生きること”に向き合えた。
最後のワガママをきいてくれてありがとう。
あんたの優しさが、ほんまにあったかかった。
藍の未来に、光がありますように。
―Relu
ーーーーーーーー
「なぁ、Reluさん」
Coe.が、晴れた空を見上げながら小さく呟いた。
「僕たち、ちゃんと前を向いてるよ。君がくれた音楽と、君の全部を抱えて――これからも、歩いていく」
収録後のスタジオ。
くにの唐突な問いかけに、メンバーたちはそれぞれ静かに目を伏せた。
「……選べないな。全部、思い出だから」
Coe.がぽつりと呟いた。
隣でゆうが頷く。
「ねぇ、でも……ゆさんね、あの日のRelu、忘れられないんだ」
「どの日?」
「去年の秋、レコーディングのあと、みんなで公園に寄ったでしょ。落ち葉拾って、ゆさんが“金運アップ!”って叫んだら、Relu、めちゃくちゃ真顔で“アホか”って」
「覚えてる……! あのあと、落ち葉持ったままコンビニ入ったんだよな、ゆう」
「うん、レジで“これ、いくら?”って聞いたの」
「どんだけ天然やねん……」
Reluの声はもうそこにはないのに、笑い声だけはなぜか消えずに残っていた。
そのやりとりが、空気の中に、日常の端に、優しく染み込んでいた。
ーーーーーーーーー
こったろは一人、夜のスタジオに残っていた。
ヘッドホンをつけ、静かにReluの未発表音源を流す。
――『こったろの声って、すげぇよな。安心感あるし、音がちゃんと帰る場所見つけたって思う』
その言葉を思い出すたび、こったろの胸にじんわりと温かさが広がった。
「俺、まだお前にちゃんと『ありがとう』って言ってねぇな……」
静かにキーボードに指を添えた。
Reluが遺してくれたコードを、今度は自分の指でなぞってみる。
どこか、懐かしいようで、それでいてまったく新しい音が響いた。
ーーーーーーーー
数日後、藍からメンバーそれぞれに手紙が届いた。
Coe.さんへ
Reluが、あなたの歌声を“光”だと言っていたこと、ご存知ですか?
どんなに闇が深くても、君の声があれば照らされる、と。
だから、これからもその光を届け続けてください。
ゆうさんへ
Reluは、あなたに救われていました。
ふわふわしてるようで、芯が強くて。彼はあなたの“まっすぐ”を誇りに思っていました。
だから、これからも変わらないでいてください。
くにさんへ
Reluはあなたの不器用さが好きだったそうです。
まっすぐで、真面目で、どこか子どもみたいで。
でもその分、強くて、誰よりも誰かを想ってる。そんなあなたを、ずっと羨ましいって言ってました。
こったろさんへ
Reluにとって、あなたは“帰る場所”でした。
天然で、優しくて、頼りになる兄のような存在。
Reluは、あなたと過ごす時間が“自分の素でいられる唯一の場所”だと言っていました。
ーーーーーーーー
そして、Reluが遺した最後の手紙は、藍へのものだった。
藍へ
俺が最後まで、ちゃんと生きられたのは、あんたのおかげや。
あんたがそばにいてくれたから、俺は“死ぬこと”より、“生きること”に向き合えた。
最後のワガママをきいてくれてありがとう。
あんたの優しさが、ほんまにあったかかった。
藍の未来に、光がありますように。
―Relu
ーーーーーーーー
「なぁ、Reluさん」
Coe.が、晴れた空を見上げながら小さく呟いた。
「僕たち、ちゃんと前を向いてるよ。君がくれた音楽と、君の全部を抱えて――これからも、歩いていく」
