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「……ここ、もうちょっとキー下げた方がよくない?」
くにがモニターの波形を睨みながら言った。
その隣でこったろが首を傾げる。
「でも、れるちの原音はこの高さなんだよな。崩しすぎると、彼の“音”が変わっちゃう」
「そうだね……でも、Reluさんはきっと“自分の曲”じゃなくて、“みんなの曲”として残したかったと思う」
Coe.が静かに言葉を挟む。
その表情には、どこか儚さを含んだ優しさがあった。
「……ゆさん、コーラス入れていい?」
「……うん、ゆさん、やる」
ゆうがふわりと笑ってマイクの前に立つ。
藍の部屋を臨時のスタジオにして、彼らはReluの“最後の楽曲”を完成させようとしていた。
デモには、彼の声だけでなく、未完成のメロディーライン、空白の歌詞、そして無音のブリッジが残されていた。
そこに、残された者たちが“命”を吹き込んでいく。
「れるち……お前、どこまでも難しい曲作るんだから……」
こったろが苦笑する。
でも、その口ぶりは、どこか嬉しそうだった。
まるで、“彼が今もそこにいる”かのように。
ーーーーーーーーー
ブリッジのメロディーには、歌詞が一切なかった。
「これ、あえて残したのかな。誰にも書かせんかった理由があるんじゃない?」
Reluの意図を考えるように、くにが呟く。
藍が、目を閉じた。
「……Relu、俺にだけ、“最後の歌詞は、お前らで考えてほしい”って言ってた」
「僕たちで……?」
「うん。“自分がいなくなった世界でも、お前たちが歌える言葉”を、って」
全員が黙り込む。
重たい沈黙が、部屋を満たす。
やがて、ゆうがそっとつぶやいた。
「“さよなら”じゃないよね……これ」
「……うん。“ありがとう”だよ」
Coe.の目に浮かぶ涙は、どこか温かかった。
ーーーーーーーー
3日間、彼らは寝る間も惜しんで楽曲に向き合った。
言葉を選び、音を重ね、何度もReluの声に寄り添った。
そして――
曲が、完成した。
タイトルは、Reluの手紙の最後にあった言葉をそのまま使った。
『ほな、またな』
その曲を前に、誰もが黙って聴き入った。
Reluの声が生きていた。
そして、その声に、Coe.の優しい高音が重なり、くにの素朴なハモリが彩りを与え、こったろの伸びやかなメインがしっかりと芯を作り、ゆうの透明なファルセットが空を舞った。
Reluはもういない。
でも、彼の音はここにある。
「Relu……お前、ちゃんと、生きてるよ。俺たちの中で」
藍の声が、空気を震わせた。
それはまるで、誰よりも彼の“遺志”を受け止めた人間の、確かな決意のようだった。
ーーーーーーー
曲は、数日後にYouTubeへアップロードされた。
『すたぽら – ほな、またな(Relu Last Song)』
説明欄には、ただ一言だけ――
「Reluより、あなたへ。」
再生数は爆発的に伸びた。
コメント欄には、Reluの声に救われたという言葉、彼の死を惜しむ声、そして何よりも――
「ありがとう」という感謝が溢れていた。
藍は、画面の前で小さく呟いた。
「な、Relu。みんな、お前のこと忘れてへんで」
そう言った彼の顔に、初めて――微笑みが戻っていた。
くにがモニターの波形を睨みながら言った。
その隣でこったろが首を傾げる。
「でも、れるちの原音はこの高さなんだよな。崩しすぎると、彼の“音”が変わっちゃう」
「そうだね……でも、Reluさんはきっと“自分の曲”じゃなくて、“みんなの曲”として残したかったと思う」
Coe.が静かに言葉を挟む。
その表情には、どこか儚さを含んだ優しさがあった。
「……ゆさん、コーラス入れていい?」
「……うん、ゆさん、やる」
ゆうがふわりと笑ってマイクの前に立つ。
藍の部屋を臨時のスタジオにして、彼らはReluの“最後の楽曲”を完成させようとしていた。
デモには、彼の声だけでなく、未完成のメロディーライン、空白の歌詞、そして無音のブリッジが残されていた。
そこに、残された者たちが“命”を吹き込んでいく。
「れるち……お前、どこまでも難しい曲作るんだから……」
こったろが苦笑する。
でも、その口ぶりは、どこか嬉しそうだった。
まるで、“彼が今もそこにいる”かのように。
ーーーーーーーーー
ブリッジのメロディーには、歌詞が一切なかった。
「これ、あえて残したのかな。誰にも書かせんかった理由があるんじゃない?」
Reluの意図を考えるように、くにが呟く。
藍が、目を閉じた。
「……Relu、俺にだけ、“最後の歌詞は、お前らで考えてほしい”って言ってた」
「僕たちで……?」
「うん。“自分がいなくなった世界でも、お前たちが歌える言葉”を、って」
全員が黙り込む。
重たい沈黙が、部屋を満たす。
やがて、ゆうがそっとつぶやいた。
「“さよなら”じゃないよね……これ」
「……うん。“ありがとう”だよ」
Coe.の目に浮かぶ涙は、どこか温かかった。
ーーーーーーーー
3日間、彼らは寝る間も惜しんで楽曲に向き合った。
言葉を選び、音を重ね、何度もReluの声に寄り添った。
そして――
曲が、完成した。
タイトルは、Reluの手紙の最後にあった言葉をそのまま使った。
『ほな、またな』
その曲を前に、誰もが黙って聴き入った。
Reluの声が生きていた。
そして、その声に、Coe.の優しい高音が重なり、くにの素朴なハモリが彩りを与え、こったろの伸びやかなメインがしっかりと芯を作り、ゆうの透明なファルセットが空を舞った。
Reluはもういない。
でも、彼の音はここにある。
「Relu……お前、ちゃんと、生きてるよ。俺たちの中で」
藍の声が、空気を震わせた。
それはまるで、誰よりも彼の“遺志”を受け止めた人間の、確かな決意のようだった。
ーーーーーーー
曲は、数日後にYouTubeへアップロードされた。
『すたぽら – ほな、またな(Relu Last Song)』
説明欄には、ただ一言だけ――
「Reluより、あなたへ。」
再生数は爆発的に伸びた。
コメント欄には、Reluの声に救われたという言葉、彼の死を惜しむ声、そして何よりも――
「ありがとう」という感謝が溢れていた。
藍は、画面の前で小さく呟いた。
「な、Relu。みんな、お前のこと忘れてへんで」
そう言った彼の顔に、初めて――微笑みが戻っていた。
