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「……これ、れるちが?」
こったろが呟いた。
その手には、一枚のUSBが握られていた。
「うん。Reluが俺にだけ、預けてきたんだ。“俺がいなくなったとき、みんなに聴かせてほしい”って」
藍の声は、いつも以上に静かで、落ち着いていた。
だが、その目には眠れぬ夜の色が滲んでいる。
「……やっぱり、そうだったんだな」
くにの言葉には怒りも悲しみも混ざっていた。
標準語で話す彼の声は、いつもよりもどこか幼く感じられた。
「知ってたんだよね、藍くん。Reluさんが……もう長くないって」
Coe.が、やっとの思いで言葉にした。
「……ああ。俺には、全部話してくれてた」
「どうして、どうして僕たちには……!」
Coe.の声が震える。
「悲しませたくなかったんだよ。お前たちのこと、Reluは心底、大切に思ってたから」
藍の言葉に、全員が言葉を失った。
ゆうは、黙って座ったまま動かなかった。
涙を見せることもせず、ただ、じっと遠くを見つめていた。
ーーーーーーー
USBを差し込むと、フォルダの中には一つのファイルがあった。
『last_song_demo.wav』
そして、もう一つ。
『Dear_stapola_letter.txt』
「これ……読んでもいいかな」
こったろが尋ねると、全員が黙ってうなずいた。
Yo。Reluや。
この音源は、俺の“最後のわがまま”や。
正直、もう体は限界やったけど、どうしても遺したかってん。
俺な、死ぬのが怖いわけやなかった。
ただ、お前らと“終わる”のが嫌やってん。
Coe.、お前はいつもみんなを見て、引っ張ってくれてた。
でも、無理すんな。弱音くらい吐いてええんやで。
こったん、お前の声は宝や。どんな場所でも届く。自分を信じろ。
くにお、アホやけど優しい。それ、ほんま大事な才能や。自信もってええ。
ゆうくん、お前はな、誰よりも繊細で、誰よりも強い。
泣きたいときは、ちゃんと泣けよ。
そして――藍。お前には、全部預けた。
俺の弱さも、醜さも、全部。
お前がいてくれて、ほんまに救われた。
ありがとう。
もしも奇跡があるなら、この歌を完成させてほしい。
俺の“最後”じゃなく、“みんな”の“これから”として。
ほな、またな。
Reluより
読み終えた瞬間、部屋の空気が変わった。
誰もが、涙を流していた。
「……流そうか、そのデモ」
藍の言葉に、全員がうなずいた。
ーーーーーーー
スピーカーから流れてきたのは、息をのむほど繊細な、Reluの声だった。
かすれながらも、力強く――
まるで命の残響をすべて詰め込んだような歌だった。
「……Relu……」
ゆうが、ぽつりと呟いた。
「れるち、歌ってたんだな……最後まで……」
くにが涙を拭いながら笑った。
「これ、完成させよう。れるちの願いだろ」
こったろが立ち上がった。
「……うん。みんなで」
Coe.の目も、涙に濡れていたが、そこには確かな決意があった。
「“すたぽら”として、この歌を……生きて、届けよう」
藍は、静かに頷いた。
その目にだけは、今もReluの面影が宿っていた。
こったろが呟いた。
その手には、一枚のUSBが握られていた。
「うん。Reluが俺にだけ、預けてきたんだ。“俺がいなくなったとき、みんなに聴かせてほしい”って」
藍の声は、いつも以上に静かで、落ち着いていた。
だが、その目には眠れぬ夜の色が滲んでいる。
「……やっぱり、そうだったんだな」
くにの言葉には怒りも悲しみも混ざっていた。
標準語で話す彼の声は、いつもよりもどこか幼く感じられた。
「知ってたんだよね、藍くん。Reluさんが……もう長くないって」
Coe.が、やっとの思いで言葉にした。
「……ああ。俺には、全部話してくれてた」
「どうして、どうして僕たちには……!」
Coe.の声が震える。
「悲しませたくなかったんだよ。お前たちのこと、Reluは心底、大切に思ってたから」
藍の言葉に、全員が言葉を失った。
ゆうは、黙って座ったまま動かなかった。
涙を見せることもせず、ただ、じっと遠くを見つめていた。
ーーーーーーー
USBを差し込むと、フォルダの中には一つのファイルがあった。
『last_song_demo.wav』
そして、もう一つ。
『Dear_stapola_letter.txt』
「これ……読んでもいいかな」
こったろが尋ねると、全員が黙ってうなずいた。
Yo。Reluや。
この音源は、俺の“最後のわがまま”や。
正直、もう体は限界やったけど、どうしても遺したかってん。
俺な、死ぬのが怖いわけやなかった。
ただ、お前らと“終わる”のが嫌やってん。
Coe.、お前はいつもみんなを見て、引っ張ってくれてた。
でも、無理すんな。弱音くらい吐いてええんやで。
こったん、お前の声は宝や。どんな場所でも届く。自分を信じろ。
くにお、アホやけど優しい。それ、ほんま大事な才能や。自信もってええ。
ゆうくん、お前はな、誰よりも繊細で、誰よりも強い。
泣きたいときは、ちゃんと泣けよ。
そして――藍。お前には、全部預けた。
俺の弱さも、醜さも、全部。
お前がいてくれて、ほんまに救われた。
ありがとう。
もしも奇跡があるなら、この歌を完成させてほしい。
俺の“最後”じゃなく、“みんな”の“これから”として。
ほな、またな。
Reluより
読み終えた瞬間、部屋の空気が変わった。
誰もが、涙を流していた。
「……流そうか、そのデモ」
藍の言葉に、全員がうなずいた。
ーーーーーーー
スピーカーから流れてきたのは、息をのむほど繊細な、Reluの声だった。
かすれながらも、力強く――
まるで命の残響をすべて詰め込んだような歌だった。
「……Relu……」
ゆうが、ぽつりと呟いた。
「れるち、歌ってたんだな……最後まで……」
くにが涙を拭いながら笑った。
「これ、完成させよう。れるちの願いだろ」
こったろが立ち上がった。
「……うん。みんなで」
Coe.の目も、涙に濡れていたが、そこには確かな決意があった。
「“すたぽら”として、この歌を……生きて、届けよう」
藍は、静かに頷いた。
その目にだけは、今もReluの面影が宿っていた。
